流域での展開」カテゴリーアーカイブ

神谷小学校(4年生)

main

 学校の近くにある荒れた谷津田を、 生きものが暮らしやすい場所にするために、大人を動かして、谷津田の再生に取り組んでいます。

総合学習で生きもののために再生方法を考え提案し、地域の人達に説明しながら工事をしました。よみがえった田んぼでお米づくりもしています。

この大切な場所をずっと守っていくために、地域の人たちと協力しながらまちづくりを考えています。

主な取り組みの様子

2013年4月18日  生きものとお話しよう!
2013年4月25日  プールと谷津田の生きものとお話しよう!
2013年5月2日  ホタルとお話する方法
2013年5月9日  田植え
2013年6月6日  生きもの・水はどこから来るの?
2013年6月20日  生きものの道・水の道まとめ
2013年7月11日  生きものたちのすみかを見てみよう!
2013年10月3日  稲刈り
2013年11月5日  脱穀
2014年1月9日  中間報告会

2013年4月18日 生きものとお話しよう!

0418

今年初授業は、神谷小学校の4年生さん。

神谷小学校のそばには、先輩たちが生きものの声を聞いて2007年に再生した谷津田があります。そこの生きものたちとお話するためにも、まずは生きものたちのことを知らなくてはなりません。

そしたらきっと、生きものたちがどんなことに困っているのかもわかるようになるはず!生きものの「体のつくり」「すみか」「くらし」を、トンボやカエル、みんなの大好きなカブトムシから学びました。来週はいよいよ実践です。(牧野)

2013年4月25日 プールと谷津田の生きものとお話しよう!

0425

今日は、前回の授業で学んだことを思い出しながら谷津田とプールで生きもの観察です!

すみかが違うと、生きものたちはどう変わるのでしょう。

プールにはシオカラトンボ・ショウジョウトンボのヤゴやミズカマキリ、ヒメゲンゴロウなどが見られました。谷津田にはホソミオツネントンボやアカガエル、さらには様々な鳥も見られました。

その後、教室にてヤゴのスケッチをしながら、じっくり「体のつくり」を観察します。生きものの「体のつくり」を見て、「すみか」や「くらし」と関係の深いことに気がついたでしょうか。(牧野)

2013年5月2日 ホタルとお話する方法

0502

昔、荒れる前の谷津田を知っているお年寄りから、ここにはホタルがたくさんいたことを聞きました。

神谷小学校の谷津田を再生させた先輩たちの夢は、この谷津田にホタルを呼び戻すこと!その想いが毎年4年生にしっかりと引き継がれています。今日はみんなでホタルとお話する方法の学習です。

谷津田にホタルを呼び戻すためには、どのような環境をつくってあげるといいのでしょう。ホタルになって考えてみると、そのヒントも見えてくるかもしれません。

飯島さんが授業の中で、「ホタルは光でお話しているんだよ」というと、子どもたちは目をきらきらさせて聞いていました。この谷津田にホタルが舞う日を想像しながら、みんなと一緒に谷津田の改良を進めていきたいです。(牧野)

2013年5月9日 田植え

0509

神谷小学校の谷津田内には田んぼがあり、無農薬・無化学肥料でお米もつくっています。

今年から田んぼが一枚増えて、三枚の田んぼで田植えをすることになりました。これらの田んぼはとにかく泥深い!子どもたちもよく泥にはまってしまい、抜け出せなくなることもしばしば。

初めは泥だらけになることを嫌がっていた子どもたちも、次第に慣れてきて笑顔が見られるようになりました。そんなこんなで田植えは無事に終了。谷津田でのお米作りの大変さが理解できたようでした。ちゃんと育って美味しいお米になりますように!(牧野)

2013年6月6日 生きもの・水はどこから来るの?

0606

神谷小学校の隣にある谷津田の上流部分をみんなで調べに行きました。

昔は周りにもっと田んぼや小川があったこと、たくさんの生きものがいたことを地元の人から聞くことができました。いつかいたホタルを、みんなの谷津田にも呼び戻したいですね。

また、昔はウナギにも出会えたようです。今とはすっかり変わってしまった学校の周辺ですが、生きものの目になって見直してみると、問題点だけでなくその問題をどのように解決していくことができるのか、ということにも気づけるかもしれません。(牧野)

2013年6月20日 生きものの道・水の道まとめ

0620

今日は、前回の授業で谷津田の上流部分を探検して発見したことを発表しあい、生きものの道や水の道について話し合いました。

神谷小学校の谷津田の様子を思い出してもらうと水が濁っていたり、水のない池があったりと、生きものにとっては住みにくい環境の場所があることに気づきました。

では、どうしたらもともと豊富だったはずの湧水を増やすことができるのでしょうか。それは谷津田につながる水の道を辿っていくと見えてくるかもしれません。

また、水の道だけでなく、そこには生きものの道も繋がっていることが今回の探検からわかったようです。神谷小学校の谷津田にもっとたくさんの生きものが通ってこられるように、その周りにある水の道・生きものの道にも目を向けたいですね。(牧野)

2013年7月11日 生きものたちのすみかを見てみよう!

0711

今日は谷津田で生きもの探し!というよりは、生きものになったつもりで「すみか」を見ることにしました。

生きものの視点で「すみか」を見たら、たくさんの問題点が!暑くて干上がってしまった池や田んぼ、これらは谷津田内だけの問題ではありません。

先月の谷津田上流部分の探検で、住宅地ができて森や畑が減ってしまい湧水が少なくなっていることに気づきましたが、その影響がこの谷津田に現れていることをひしひしと実感しました。

生きものの住みやすい環境にすることや、ホタルを呼び戻そうとすることは、谷津田だけでなくむしろここからまちづくりを考えていくことに繋がっていきます。子ども達と、地域の課題に向き合うような学習を進めていきたいです。(牧野)

2013年10月3日 稲刈り

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

5月に田植えをした稲をいよいよ刈り取る時期となりました!

年々生きものが増えて多様になってきた谷津田には、鷹も来るようになっています。そのため、スズメに稲の穂が食べられることもなくなりました。このお米は、もちろん無農薬・無化学肥料で育てられています。

田んぼ内には多くの雑草が生えていましたが、それにもかかわらずしっかりと実りました。子どもたちは泥だらけになりながら稲を刈り、その刈った稲を結ぶことに少し苦労していたようです。

二枚の田んぼをほぼ刈り取った子どもたちの表情の清々しいこと!自然の中でたくさんの生きものたちが繋がりあうと、農薬を使わなくても稲が元気に育つことが感じられたかなと思います。(牧野)

2013年11月5日 脱穀

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は前回刈った稲を脱穀する作業の日!

今回は4年生だけでなく、3年生も参加しました。まずオダにかけてある稲をガーコンという昔ながらの足踏み脱穀機を使って脱穀を行います。

「ガーコン!ガーコン!」と音の鳴るこの機械はとても大人気でした!ガーコンを使用したあとは、風で籾殻やわら屑を選別する唐箕(とうみ)という農具を使います。今ではこのような農具を見ることはほとんどなくなりましたが、これらの農具には昔の人たちの知恵がよく生かされているなと感じました。

たくさんの人の手と生きものたちに育てられたお米は、去年よりも多く収穫できました。このお米は、精米して子どもたちに配る予定です。自分たちで手植えをし、刈り取ったお米の味は美味しいこと間違いなしですね!(牧野)

2014年1月9日 中間報告会

0109

2014年、初授業は神谷小学校さん。

今日は中間報告会の日です。生きものの視点で一緒に学習してきた子どもたちが、谷津田の再生をテーマに様々な案を発表してくれました。生きものをテーマにしている班はやはりホタルについて調べたところが多かったように思います。

他にも雨水対策を考えている子どもたちや、谷津田内に緑を増やそうと植物を調べてくれた子どもたちもいました。飯島さんに、「洪水になったらどんな生きものが困るの?」「みんなの谷津田にはどんな生きものや植物が合うんだろう?」と問いかけられ、真剣に考える子どもたちの姿がとても印象的でした。

これから3年生への引き継ぎ会に向けて、もっと深められるといいです。(牧野)

『人と河童が出会うまちづくり』にもどる

向台小学校(4年生)

main

 向台小学校には牛久沼につながってい る谷津田が隣接しています。しかし、 今は荒れてしまっており、生きものた ちが困っているようです。昔は生きも のたちもこの谷津田を道にして、牛久 沼からも学校へたくさん来ていたはず !生きものの目でこの谷津田を見て再 生計画を考え始めた生徒たち。さらに この計画をまちづくりとしても考え始 めています。

 

主な取り組みの様子

2013年5月16日  生きものとお話しよう!
2013年5月24日  学校も生きものの道!
2013年6月6日  生きものの道を見に行こう!~谷津田編~
2013年6月24日  野外観察のまとめ
2013年10月23日  生きものの道を見に行こう!~調整池編~
2013年10月31日  野外観察のまとめ2
2013年12月11日  みんなの質問コーナー

■2006・2007年の活動記録

2013年5月16日 生きものとお話しよう!

130516

向台小学校四年生さんに今年初授業に行きました。

とても活発な雰囲気で、よく手もあがります。生きものとお話するために「体のつくり」「すみか」「くらし」が大切なことを感じ取ってもらえたでしょうか。これから、学校にいる生きもの観察や近くにある谷津田での生きもの観察を通して、学んだことを実感していって欲しいと思います。どのような学習になっていくのか、わくわくしています!(牧野)

2013年5月24日 学校も生きものの道!

130524

今日は学校にやってきた生きものたちを調べました。

学校のビオトープやまんまる池には、たくさんのヤゴや水生昆虫がいました。プールにもヤゴはいましたが、子どもたちはそれぞれの場所にいるトンボの種類の違いに気づいたようです。アオイトトンボのヤゴやクロスジギンヤンマのヤゴはビオトープやまんまる池にしか見られませんでした。水だけしかないプールと違って、草や木が生えていたりして環境が違うからですね。様々な生きものたちを発見した子どもたちは、みんなの学校が生きものたちの道につながっているということを感じたようです。その後、教室に帰ってヤゴのスケッチをしました。飯島さんが、クロスジギンヤンマのヤゴの顎を手で持ってのばして見せると、あっという間に子どもたちに囲まれてしまいました。(牧野)

2013年6月6日 生きものの道を見に行こう!~谷津田編~

130606

今日は牛久沼の水源地である谷津田にて、生きもの観察をしました!

シオカラトンボやモンシロチョウの群れ、小さなアマガエルなどにも出会えました。観察中に、一部の子どもたちがふくろうの羽を見つけたようです。この辺にふくろうが住んでいるのかな?夢中になって生きもの探しをしていたら、時間通りに帰れなくなってしまいました。前回の学校での生きもの観察では、見られなかった生きものもたくさんいたようです。もっと様々な生きものたちに学校へ来てもらうためにはどうしたらいいのでしょうか。生きものの道をみんなで考えて創っていければなと思います。(牧野)

2013年6月24日 野外観察のまとめ

130624

今日は前回の野外観察で見つけた生きものたちや気づいたことを発表してもらいました。

授業の間、たくさんの手があがりっぱなしでどんどん意見が出てきます!ふくろうの羽が見つかったということは、谷津田の自然がまだ残っていて、ちゃんとした森がある証拠ですね!また、アメリカザリガニの死骸を見つけた子もいました。サギなどが食べたのかもしれません。みんなにはこの谷津田はどう映ったのでしょうか。次回は、人の手が入っていない谷津田を探検する予定です!(牧野)

2013年10月23日 生きものの道を見に行こう!~調整池編~

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今回の生きもの観察は、調整池が作られる予定の周りの谷津田で行いました。

こちらの谷津田は、前回観察した谷津田とは違い、今はほとんど人の手が入っておらず荒れてしまった場所です。当日の観察ルートをつくるのも一苦労だったことは、ここだけの話。笑
クズの蔓が谷津田の斜面林を覆っており、田んぼも森も鬱蒼(うっそう)としています。実はこの谷津田、牛久沼から続いていて、学校にもつながっているんです。向台小学校はこの谷津田の先端部分にあります。昔はきっと、たくさんの生きものたちがこの谷津田を通って学校へきていたはず!その時の道を復活させて、かっぱに会いたいですね!(牧野)

2013年10月31日 野外観察のまとめ2

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

前回観察した、人の手が入らず荒れてしまった谷津田と夏に観察した荒れていない谷津田で見つけた生きものや気づいた違いを発表し合いました。

荒れている谷津田には、トンボの卵を産む場所がないことや、ふくろうやタカがいないことがわかりました。そして、荒れていない谷津田には、生きもののすみかになりそうなところがたくさんあることや、湧水があることに気づきました。生きものの目になって、みんなで環境の違いを発見したかな?子どもたちが発見や気づきから、どう再生計画をつくっていくのかとても楽しみです!(牧野)

2013年12月11日 みんなの質問コーナー

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

子どもたちが様々な生きものの食べものやすみかについて調べ学習をすすめています。

そこでわからなかったことや、不思議だなあと思ったことをたくさん質問してもらいました。「フクロウのエサはなに?」という質問に、「昔はよくネズミを捕って食べていたんだけど、今はあまり捕れなくなったんだ」と飯島さんが答えると、「林の下の草がたくさん生えすぎているから?」と答えた女の子。周りのみんなも思わず拍手!子どもの想像力は、きっと大人の想像力なんてはるかに超えていると思うこの頃です。(牧野)

『人と河童が出会うまちづくり』にもどる

牛久南中学校(1年生)

main

 南中は牛久沼からつづく谷津田につな がっています。南中の先輩たちがプー ルをビオトープにして、昔の牛久沼を 再現したところ、牛久沼からたくさん の生きものがやってきました。牛久沼 に昔の生きものたちを取り戻すために 南中のプールと、そこにつながってい る谷津田の環境をよくしていく方法を 考えていきます。

 

主な取り組みの様子

2013年6月7日  プールの生きものを観察しよう!
2013年6月28日  生きものの道を見に行こう!~夏編~
2013年7月18日  野外観察のまとめ
2013年10月4日  大切なのは今の自分が感じていること
2013年10月25日  かっぱん田についてみんなで考えよう!
2013年11月1日  BT観察&生きものの道を見に行こう!~秋編~
2013年11月15日  提案づくり
2013年12月6日  提案発表会

■2006・2007・2008年の活動記録

2013年6月7日 プールの生きものを観察しよう!

130607

牛久南中学校には、昔の牛久沼を再現しようとビオトープ化したプールがあります。

このプールは、今の環境が悪化した牛久沼と見立てられています。南中の先輩たちは、牛久沼が抱えている、コンクリート垂直護岸の問題、生物多様性の低下、水質の悪化などの状況を改善するために、どうしたらいいかを考えました。そして、昔の牛久沼にあった水草を植え、生きものたちの道をつくるために土を入れるというように、少しずつ改良をしながら水質や生きものの変化を観察しています。
今日は、生徒たちとの座学のあとに、このプールビオトープでの生きもの観察!昔の牛久沼にあったジュンサイやモクが生えていて、たくさんのトンボも飛び交っており、水も透き通っていました。このプールビオトープのような環境に、牛久沼が少しずつでも再生していくビジョンをみんなで描けたらいいなと思います。(牧野)

2013年6月28日 生きものの道を見に行こう!~夏編~

130628

損保ジャパン環境財団と協働で再生している牛久市内の谷津田で、自然観察を行いました!

この谷津田の中には「かっぱん田」と呼ばれている田んぼがあります。牛久南中生は、「トキの舞う牛久」を目指し、循環型社会づくりに取り組んでおり、この牛久沼の水源地である谷津田(田んぼ)を再生することを提案。中学生の提案を受け、企業支援の元で関東の大学生たちが再生させた場所です!
【かっぱん田とは?】
今日の自然観察では、田んぼの中から次々と羽化したばかりのオオアオイトトンボが飛び立つ姿を見ることができました!この再生させた田んぼから、新しい命の営みが生まれていることを感じ取ってもらえたのではないかと思います。(牧野)

2013年7月18日 野外観察のまとめ

130718

今日は、今までの野外観察を通して感じたことをまとめていきます。

飯島さんが黒板を使って、昔の牛久沼の様子と田んぼの様子を描いていくと、そこには生きものたちが上手く棲み分けながら生きていく「くらし」が見えてきました。谷津田と牛久沼、これらは別の場所にあるので頭の中ではつながりを見つけにくいかも知れませんが、生きものたちの暮らしを通して環境のつながりが見えてきたようでした。これできっと、荒れてしまった谷津田では生きものたちが住めなくなってしまう理由も一緒に考えられますね。(牧野)

2013年10月4日 大切なのは今の自分が感じていること

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日はあいにくの雨だったので、予定していた野外観察は中止になりました。

その代わりに急遽座学に決定です。何も用意していなかったので、思いつきで話しますといって授業を始めた飯島さん。大学生向けに用意したパワーポイントを使いながらも、わかりやすく、且ついつもよりも内容の深い話を生徒たちにしていました。その場で思いついたことや感じたことが大切だと伝えると、生徒たちは真剣な眼差しを向けて聞いていたのがとても印象的でした。(牧野)

2013年10月25日 かっぱん田についてみんなで考えよう!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日はアサザ基金にインターンできている大学生たちが、中学生の前で二時間授業をしました!せっかくなので授業を終えたインターン生の感想をご紹介します。

【金田一 美有さん】
子どもたちは本当に発想が豊かで、是非やってみたい案もたくさん出ていました。また、授業の最後のまとめを飯島さんにやっていただき、次回の授業につなげられるようにまとめをすることが重要だと感じました。今回の授業を通して、牛久南中の生徒だけでなく、自分もかっぱん田について理解を深めることができてよかったです。かっぱん田の将来を考える材料になりました。今後も牛久南中の生徒たちと関わって、一緒にかっぱん田や今年のお米の使い道について考えていきたいと思います。
【冨田 佳奈さん】
子どもたちが話を聞いてくれるか大きな不安があったが、実際に話してみるとほとんどの 生徒が話を聞いてくれて本当に嬉しかった。しかしまだ子どもたちに伝わるような難しくない言葉で話すことができなかったり、発表する生徒がなかなか出てこないときうまい方策を取れなかったりした。もっと子どもたちに伝わる話し方、伝え方を身につけたいと思った。

普段話し合うことのない大学生と中学生が、谷津田の未来という一つのテーマを共有し一緒に考える授業となりました。インターン生の二人にとっても、南中生にとっても大きな刺激になったのではないでしょうか。このようなお互いが刺激し合える場をもっと創っていけるといいです。(牧野)

2013年11月1日 BT観察&生きものの道を見に行こう!~秋編~

131101

今日は、秋の生きものの道探しです!

昔の牛久沼を再現したプールビオトープの観察では、ギンヤンマ・チョウトンボ、イトトンボなどのヤゴがいっぱい見つけられました。来年もまた、たくさんのトンボがこのプールビオトープの上を舞う様子が想像できます。とっても楽しみです!夏に観察した時とは、ジュンサイなどの水草が増えているような感じでした。さらに、今回は牛久沼の水源地である谷津田でも、生きもの観察や水質調査を行いました。夏には見られなかった湧水が、冬にはこんこんと出ていて、見た目は透明で綺麗です。しかし、調べてみると硝酸態窒素によって汚染されていることがわかりました。このような問題が畑での化学肥料の使いすぎなどによって、全国各地の水源地で起きているようです。どうしたら、本当の意味で水源地を守っていけるのか、中学生達と一緒に考えていきたいと思います。(牧野)

2013年11月15日 提案づくり

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日はクラスごとに、かっぱん田(牛久沼の水源地である谷津田)をよくしていくための提案づくり。

いくつかの班にわかれて様々な意見を出し合います。かっぱん田で収穫したもち米の使い道から、かっぱん田を広く知ってもらうための方法など、ほんとうにそれぞれアイデアに富んだ意見がだされました!いつもは全体での授業ですが、このようにクラスをまわって、ひとりひとりとお話をしながら対話ができる授業も、少しみんなと近づけたような気がして嬉しかったです。(牧野)

2013年12月6日 提案発表会

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は、牛久沼の水源地である谷津田を再生するための企画案をプレゼン発表する日です。

1班各3分のプレゼンを行うのに約2時間かかりましたが、みんな独創的で楽しい提案や意見ばかり!かっぱん田のゆるキャラ、獲れたもち米でつくる新商品、この谷津田を知ってもらうための広報の仕方など、子どもたちならではの斬新な発想に思わず「へーっ」とうなってしまうこともしばしば。トキを呼び戻したいと願った先輩たちから始まったこの谷津田再生物語、しっかりと後輩たちに受け継がれていっているようです。中学生たちが未来の谷津田や牛久の町の展望を描いていくときに、寄り添っていけたらなと思います。(牧野)

『人と河童が出会うまちづくり』にもどる

牛久小学校(4年生)

main

 うす暗くて生きものが少ないヘビ山 (学校のうらの雑木林)は、蚊がいっ  ぱいいます。 
 カブトムシや多くの生きものが暮らし やすい場所にするため、人と生きもの の両方の気持ちになって再生案をつく っています。
 ヘビ山に生きものを呼び戻すには、昔 のヘビ山につながっていた生きものの 道を取り戻すことが必要です。

 

主な取り組みの様子

2013年5月1日  河童の通り道
2013年5月15日  ヤゴとお話しよう!
2013年6月26日  生きものの道を見に行こう!❀アヤメ園❀
2013年7月3日  野外観察のまとめ
2013年9月11日  生きものの道を見に行こう!~秋編~
2013年9月17日  牛久沼探検報告会
2013年10月9日  ぼくたち・わたしたちが考えたBT改造計画発表

■2006・2007年の活動記録

2013年5月1日 河童の通り道

130501

5月1日牛久小の4年生に授業をしてきました。

牛久小学校は、河童伝説で有名な牛久沼からとても近いところにある小学校です。生きものとお話するためには、「体のつくり」「すみか」「くらし」をよく知ることが大切なんだということをみんなと一緒に学んでいきます。生きものとお話ができるようになると、今まで気づけなかった生きものの道が見えてきたり、昔あったはずの生きものの道がなくなったことも発見できるかもしれません。もちろん、河童の通り道だってあるんだよということを話すと、とてもきらきらして聞いていました。どんな道を繋げていってくれるのか、今から楽しみです。(牧野)

2013年5月15日 ヤゴとお話しよう!

130515

今日は学校のプールとビオトープの両方で生きもの観察です。

プールにはいった子どもたちがヒキガエルを発見したようです。ヒキガエルはプールに飛び込んで卵を産んでいたのでしょうか。しかしヒキガエルにとってプールの壁はとても高く脱出不可能、登ることができず困っていたみたい。ヒキガエルを助けた子どもたちは、ヒキガエルの恩人ですね。
一方、学校のビオトープを観察した子どもたちは、つくったビオトープがまだまだ生きものたちにとって住みにくく、環境が整っていないことに気づいたようです。どうしたらいきものが喜んでくれるすみかをつくることができるかな。
観察を終えた子どもたちは、教室でヤゴのスケッチ。ヤゴがちょうど脱皮をしているところを見ることができました。子どもたちは大興奮!ヤゴがお着替えしてるーと言っていました。脱皮したてのヤゴは、透き通った緑色をしていてとても綺麗でした。(牧野)

2013年6月26日 生きものの道を見に行こう!❀アヤメ園❀

130626

一度延期になってしまった野外観察、今日も天気はぐずついていましたが、子どもたちはとても楽しみにしていたようです。

雨にも負けず、真剣に生きもの探しをしていました。晴れの日と比べたら、きっと生きものは少なかったと思いますが、それでもコフキトンボ・シオカラトンボ・コシアキトンボなどが姿を見せてくれました。あやめ園からすぐ見える牛久沼に住んでいる生きものがこの辺にもいるようです。生きものの道を感じることができたでしょうか。生きもの観察は、途中で雨が強くなってしまったので早くきりあげたのですが、子どもたちがたくさん見つけたトウキョウダルマガエルにとっては恵みの雨だったかもしれませんね。(牧野)

2013年7月3日 野外観察のまとめ

130703

前回の野外観察で見つけた生きものたちを発表してもらい、その生きものたちの道やすみかについて考えました。

浅い水辺にいる生きものだったり、野原にいる生きものだったり、それぞれ生きものによって好きな環境が違います。どんなつながりが見えてきたでしょうか。また、その生きものたちを学校に呼ぶためには、どうしたらいいのでしょう。これからみんなで学習して考えていきたいと思います。(牧野)

2013年9月11日 生きものの道を見に行こう!~秋編~

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は秋の生きもの観察です。

6月に見つけた生きものとは少し違うようでした。秋のトンボといえば、アキアカネ。可愛いタヌキの足跡も見つかりました。ショウリョウバッタやキチョウ、アオモンイトトンボなどにも出会えました。
あやめ園から帰ってきて、学校のビオトープ観察。牛久沼から学校に来ている生きものはいるかな。どんな道を通ってここまできたんだろう?そんなことを考えながら、ビオトープの観察です。ビオトープにはギンヤンマのヤゴがたくさんいました。子どもたちからは、カエルや蝶、水生昆虫などをもっと呼び戻したいという意見が出ていました。次の時間では、そのために必要なことを学習します。(牧野)

2013年9月17日 牛久沼探検報告会

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は前回の観察のまとめと、今までの学習を通して子どもたちが学校のビオトープや牛久沼、牛久の町に呼び戻したいと考えている生きものについて、発表を行いました。

呼び戻したい生きものの「すみか」や「くらし」「通り道」を知ることが、その一歩となります。どのような食べ物を食べているのか、どのような場所に卵を産むのか、生きものにとって居心地のよい環境を呼び戻すことが、生きものたちを呼び戻すことにつながるのです!今は居心地のいい場所が少なくなっていることにも気づいてくれたようです。(牧野)

2013年10月9日 ぼくたち・わたしたちが考えたBT改造計画発表会

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は今までの学習の成果を発表する日です。

体育館の壁に、呼び戻したい生きものについてまとめたものを貼っていました。さらには学校のビオトープをどう改造していきたいかを発表しているところもありました。どれも違った発表の仕方・表現をしていて、今まで学んできたことがそれぞれに生かされているなと感じました。今年の四年生は、自分たちでビオトープの改造をする時間がとれないので、次に学習をする今の三年生たちに、その想いを引き継ごうと一生懸命伝えているようでした。その気持ちをしっかり受け取った三年生が「自分たちも頑張ります」と心強く応えてくれました。これからの牛久の未来に繋がる学習になったねと、飯島さんがコメントしました。(牧野)

『人と河童が出会うまちづくり』にもどる

牛久南中学校(1年生)

080118

 牛久沼は護岸工事や水質汚染の影響で 自然破壊が進み、生きものたちが困っ ています。牛久沼につながる谷津田で 生きものや水質の調査をしたりして、 牛久沼の水質浄化や自然再生の計画を 作っています。
 学校のプールをミニ牛久沼にするため に、プール全体に土や水草を入れたり して大改造しました。 

 

主な取り組みの様子

2006年6月2日 4つの研究テーマ
2006年7月4日 カエルのお腹
2007年6月21日 プールビオトープを作ろう
2007年9月13日 プールの調査
2007年9月14日 谷津田の調査
2008年1月18日 プールビオトープの造成

2006年6月2日 4つの研究テーマ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は、南中の1年生に今年初めての授業を行ってきました。

南中では総合の時間で谷津田をテーマにした研究を行う予定で、飯島さんが谷津田をテーマにした4つの研究テーマを子供たちに提案し、 子どもたちがその中から1つ選択して最終的には11月の文化祭で発表する流れとなっています。飯島が提案した4つの研究テーマとは『谷津田と牛久沼』『谷津田と生きもの』『谷津田と人々』『谷津田と社会』。 それぞれの研究テーマごとに、どのような研究成果が出るのか楽しみです。

2006年7月4日 カエルのお腹

060704

今日は南中の生徒と学校周辺の遠山の谷津田に出かけ、実際に観察してきました。

子どもに特に人気があったのはカエル。特に女子は触ったことがない生徒が多く飯島さんが足をつまみ上げ、 女子生徒の目の前に差し出すと「キャ~」「ワ~」という声が上がり、最後には「カワイイ~」といってカエルのお腹を触っていました。 もし、このような機会がなければこの子たちはいつまでカエルに触れることなく成長していたんだろうと思うと、今の子供は自然の生きものに触れる機会が想像以上に少ないのだと実感しました。 今回は人数が多いので、午前中の時間を2つに分け、観察に出かけましたが、前半の班と後半の班とでは、観察できる生きものの種類に明らかに差が出ました。「生きもの観察をするなら涼しい時がいい」とはよく聞いていましたが、本当にそうなのだと実感しました。あと、最近、恒例になってきましたが、今回も数匹のトンボの羽に「南中1年」と文字を書いて放してみました。皆さんもし見かけたらアサザ基金までご連絡を!

2007年6月21日 プールビオトープを作ろう

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は、牛久南中学校の1年生の生徒たちとディスカッションをして参りました。

テーマは、プールをミニ牛久沼と見立てた、生物多様性の保全による水質浄化実験についてです。そして、その結果を、牛久沼の自然再生に活かしていこう!というものです。生きものの供給源・谷津田とのつながりを意識した提案はさすが・・。今後の展開が楽しみです。

2007年9月13日 プールの調査

070913

今日はプールの生物調査と水質調査の日です。

この調査結果は、今後プールをミニ牛久沼と見立てた生物多様性の保全による水質浄化実験を行なう上で、非常に大切な資料となります。子どもたちは生物調査班と水質調査班の2班に分かれて行ないました。プールにはミズカマキリやコシマゲンゴロウなどが見られましたが、全体的に生きものの種数は少ないものでした。今後、どんな生きものが見られるようになっていくのか、とても楽しみです。また、水質は調査の結果とてもきれいだということが分かりました。明日は、学校の近くの谷津田に調査に行きます。

2007年9月14日 谷津田の調査

070914

昨日に引き続き、今日も野外調査です。

場所は学校の近くの谷津田です。ここは、牛久沼と学校をつなぐ生きものの道であると同時に、牛久沼の水源地でもあります。子どもたちは、補虫網でノシメトンボやアマガエルなどを捕獲、手にとってじっくり観察していました。
水質調査も実施、これがびっくりするような結果でした。湧水地点での測定だったにも関らず、窒素系の汚染が若干見られたのです。これには、子どもたちもとても驚いていました。これは、おそらく化学肥料の影響だと思われます。
きれいな水を牛久沼に地域の住民が谷津田に関心を持ち、皆の手で少しずつよくしていく必要があるなぁと思いました。

2008年1月18日 プールビオトープの造成

080118

牛久南中学校では、生きものと共生できるまちづくりに向けて、学校の近くにある牛久沼の再生にテーマをしぼって活動してきました。

現在進行中のプールのビオトープ化計画は、牛久沼のモデルとして、プールビオトープを位置付けることで牛久沼の水質改善に役立てていこうというものです。
たくさんの生きものが暮せるビオトープとするために、子どもたちの提案を活かして土が入れられました。
今後は、マコモやヨシなどの抽水植物を植え付けていきます。
将来は、学校周辺の谷津田や牛久沼への生きものの供給源としていく予定です。

『人と河童が出会うまちづくり』にもどる

向台小学校(4年生)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 学校の近くの谷津田で生きものや湧き 水を調べたり、学校のプールやビオト ープでヤゴを調べたりしています。
 向台小のビオトープにやってくる生き ものはどこからやってくるのでしょう か。
 生きものになったつもりで調べてみた ら、遠山の谷津田からたくさんの生き ものが来ていることが分かりました。

 

主な取り組みの様子

2006年5月15日 メダカとトンボ
2006年5月25日 クロスジギンヤンマ
2006年7月6日 野外調査
2006年7月20日 生きものマップ
2006年10月31日 秋の谷津田観察
2007年1月23日 最後の授業
2007年12月6日 谷津田での自然観察

2006年5月15日 メダカとトンボ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

向台小の4年生に授業を行ってきました。

授業の内容はメダカとトンボのお話でしたが、4年生のみなさんは、 積極的な生徒が多く、こちらが質問するとたくさんの答えが返ってきました。 向台小の近くには遠山の谷津田があり、街では姿を見なくなった生きものが、この谷津田にはまだたくさん暮らしています。 このような場所が学校の身近にあって、たくさんの生きものが暮らしているということは、とてもすばらしいことだと思います。
私たちもこの谷津田を大切に見守っていきたいと思いました。
次回の授業はヤゴの授業。実際にプールとビオトープに行きヤゴを捕まえ、ヤゴの話を聞いたりスケッチしたりする予定です。

2006年5月25日 クロスジギンヤンマ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は実際にビオトープとプールに行ってヤゴを捕まえ観察しました。

その時、ビオトープで大発見!ちょうど羽化したばかりの「クロスジギンヤンマ」を目の前で見ることが出来ました。これには子どもも大喜び。 でも一番喜んでいたのは飯島さんだったかも?羽化したばかりのクロスジギンヤンマは授業の途中、大空に羽ばたいて行きました。
身近に見ている生きものでも、私たちが見たり知っている部分はごく一部で、実際に羽化したてのトンボをみていると、生きものって本当にすごいな~と改めて感じてしまいます。 捕まえたヤゴをみながらヤゴの体をスケッチしましたが、みんな覗き込むようにヤゴの姿を観察していて、出来上がったスケッチもよく描けていました。
次は、いよいよ学校の近くにある遠山の谷津田に観察に出かけます。
どんな生きものに出会えるか今から楽しみです。

2006年7月6日 野外調査

060706

今日の向台小での授業は、遠山の谷津田に生きもの調査を行いに行きました。

田んぼや林にどのような生きものが暮らしているか、特に田んぼに関しては、観察できる田んぼごとに詳しく調べてみました。 その調査の中で「ヒバカリ」というヘビを発見!でも「このヘビは人に噛み付くことはなく、おとなしいヘビだよ」と飯島さんから説明があり一安心。 野外にでると思いもかけない生きものとの出会いがたくさんあり、その度に勉強になります。あと、林縁部で捕まえた「オオシオカラトンボ」に「向台小4年」とマジックで書いて再び放してみました。もしこのトンボが学校のビオトープで発見されたら、向台小のビオトープと遠山の谷津田で生きものの道があることの証拠になります。
羽に「向台小4年」と書かれたこのトンボ、今ごろどこを飛んでいるのかな~。

2006年7月20日 生きものマップ

060720

今日は前回、遠山の観察で発見した生きものが、遠山の谷津田のどのような場所にいたのか、大きな地図に生きものごとにシールを張っていき、みんなで確認する野外観察のまとめの授業を行いました。

みんなたくさん発見してくれて「ここにもいた」「あそこにもいた」とシールを次々と貼っていきました。しかし時間があまりなく、時間内で完成させることが出来ませんでした。担当の先生が「授業の合間に完成させておきます」とおっしゃっていたので、次回、学校に伺った際には、完成した生きものマップを見ることが出来るでしょう。どのような生きものが、どこにどのくらいいたのか。子どもたちの手で作り上げられた遠山の生きものマップが早く見たい!

2006年10月31日 秋の谷津田観察

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は秋の野外観察です。

夏に出かけた遠山の谷津田に出かけ夏と秋の生きものの違いを観察しました。 前回はカエルに着目して田んぼごとにどのようなカエルがいるのかテーマを設定して観察に出かけましたが、今回はテーマを設けず、 自由にいろいろな生きものを観察しました。 夏に観察できた生きものが少なくなっていたり、逆に秋に観察できる生きものが観察できるようになったり、 季節の移ろいを生きものを通して感じる事ができました。
今回、観察できた生きものは、また、地図にまとめて同じ谷津田で夏と秋の生きものを比較できれば、 また新しい発見が子ども達に生まれると思います。

2007年1月23日 最後の授業

070123

今日は1年最後のまとめの授業を行ないました。

前回、秋の生きもの観察をして以来、 まとめていなかった観察データを1枚の地図にみんなでまとめていき、秋の生きものマップが完成しました。 予想以上に多くの生きものが観察できたことが作って分かりました。残りの時間は1年間のまとめということで、生きものに関する質問や、1年間を通して出てきた分からない事などについて、 飯島が答えていきました。これで向台小さんとの取り組みは一段落します。向台小の4年生のみなさんや先生方、 どうもありがとうございました。

2007年12月6日 谷津田での自然観察

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

これまで、向台小4年生の子どもたちは、生きもののことを良く知るためには「体のつくり」「暮らし」「すみか」をよく知ることが必要であることを学習してきました。

今日は、学校に来た生きものたちが、どこからやってきたかを調べに学校の近くの谷津田に来ました。生きものの視点に立って観察をしていきます。そして、田んぼにできたわずかな水溜りに、アキアカネが産卵している事に注目しました。ほとんどの田んぼは乾燥しているので、アキアカネが安心して産卵できる場所はわずかしかありません。生きものの視点に立つことで、子どもたちはアキアカネがどうして困っているのか気づくことができました。
これで、どうすればアキアカネが安心して過ごせるか分かったね。これからも、色んな生きものの視点に立ってどうすれば、たくさんの生きもの達と仲よく暮せるまちにしていけるのか。一緒に考えていこうね。

『人と河童が出会うまちづくり』にもどる

牛久小学校(2・4・5年生)

main

 うす暗くて生きものが少ないヘビ山 (学校のうらの雑木林)は、蚊がいっ  ぱいいます。 
 カブトムシや多くの生きものが暮らし やすい場所にするため、人と生きもの の両方の気持ちになって再生案をつく っています。
 ヘビ山と学校のビオトープのつながり も調べています。

 

主な取り組みの様子

2006年度
✿2年生✿
2006年6月19日  生きものスケッチ
2006年7月10日  カエルさん元気になって
✿4年生✿
2006年6月7日  初めての授業
2006年6月12日  ヘビ山探索
2006年7月3日  カブトムシ・クワガタムシ
2006年10月26日  ヘビ山観察
2006年12月13日  樹木マップ
✿5年生✿
2006年6月12日  メダカ
2006年7月11日  野外観察
2006年10月3日  残暑の野外観察

2007年度
✿4年生✿
2007年12月14日  木の名札つけ
✿5年生✿
2007年6月11日  生きものとお話しする方法

2006年6月19日 生きものスケッチ【2年生】

060619

6月19日牛久小の2年生に授業をしてきました。

この日は、授業の前に、スタッフの川井と牛久小の生徒さんで、先に学校の近くのアヤメ園周辺に生きものを獲りに行き、そのあと教室で飯島が獲れた生きものを見ながら、いろいろ説明をする授業を行ないました。
牛久小の2年生さんから、ある程度の間、実際に取れた生きものを飼育してみたいという要望があり、捕まえたヤゴやオタマジャクシなどの生きもの飼育方法の話や、アメリカザリガニなどは外来種で、在来の生きものと共存が難しい事など、少し難しい内容も授業の中で話しましたが、みんなとてもよく勉強してくれました。

2006年7月10日 カエルさん元気になって【2年生】

060710

授業の中で2年生さんと、前々回の授業の際、アヤメ園で捕まえた生きものを、再びアヤメ園に放してきました。

飯島から、子ども達が学校で飼育してきた生きものについて、最初の授業で行なった内容の中で、生きもの「暮らし」と「すみか」、それに関係する「からだのつくり」について、改めてお話をした上で、子ども達自らが放流する場所を考えて、自分が飼育していた生きものを放していきました。
飼育していた間に弱ってしまったカエルに対し「カエルさん元気になって」と話しかけながら、自然に帰していく姿を見て、小さい時に生きものとたくさん触れ合うことがいかに大切であるか、子どもの表情を見ながら感じました。

2006年6月7日 初めての授業【4年生】

060607

この日は、4年生に1回目の授業を行なってきました。

どんな話が飛び出すか、普段の授業とは違った雰囲気の授業に、食い入るように黒板を見つめる生徒の姿がありました。 牛久小の4年生には積極的に質問する生徒も多く、飯島さんが質問するとたくさんの手が挙がり、子ども達の関心の高さを伺いました。牛久小の裏手には通称『ヘビ山』と呼ばれ、 散策道やベンチなどが設置され、誰でも自由に出入りが出来るようになっている裏山があります。 今年はこの「ヘビ山」を舞台にカブトムシの授業を行う予定。どのような授業の展開になるか今から楽しみです。

2006年6月12日 ヘビ山探索【4年生】

060612

6月12日、4年生と学校の裏にある『へび山』と、校庭の脇にあるビオトープで生き物観察を行いました。

牛久小の裏にある通称『へび山』には、普段から入って探検をしている生徒も多く、 慣れた様子で森の中をスイスイ歩き回っていました。今回、一番発見したかったカブトムシ・クワガタの気配はなく、残念ながら見つかった生き物の種類も、そんなに多くはありませんでしたが、森の中で発見した『ナナフシ』に子供たちの視線は集中。 その姿を食い入るように見ていました。『へび山』には高木が多く、全体的に森の中は湿っていて、林床には朽木や落ち葉、腐葉土がたくさん積もっているのですが、なぜこの森にはカブトムシやクワガタがいないのか?
この疑問を子供たちと一緒に考えながら、カブトムシも棲める森になればいいなと思います。

2006年7月3日 カブトムシ・クワガタムシ【4年生】

060703_4

今日はカブトムシ・クワガタムシについての授業を行ないました。

牛久小の4年生は学校裏の雑木林「ヘビ山」を、カブトムシが暮らしやすい場所にする取り組みをしています。今回はその一環で、新しく考えたカブトムシの授業を行なうことになりました。
みんなは、「ヘビ山」でカブトムシを時々見るらしく、見慣れた様子でしたが、実際に手に取り、じっくり観察することは少ないようで、黒板に描かれた飯島の絵をノートにスケッチしながら、カブトムシとクワガタムシについて学習を深めていきました。
実際、絵を描いて体のつくりを詳しく見てみると、知っているようで、知っていないことがたくさんあり、ただ漠然と生きものを見るのではなく、絵を描くという作業を加える事で、発見や気づきが増えるのだと実感しました。
4年生はこれから「ヘビ山」を中心とした野外観察を行なう予定です。今日学んだ事を踏まえてカブトムシのすみやすいヘビ山づくりに取り組んで欲しいと思います。

2006年10月26日 ヘビ山観察【4年生】

061026_4

今日は4年生のみなさんとヘビ山で野外観察を行ないました。

木グループと土グループに分かれて観察を行ない、木グループはヘビ山に生えている木の名前を調べ、札にその名前と書いて木に結び付けていき、土グループは土の中の生きものを振るいなどで調べました。また、土のやわらかさを調べるために、金属の枠を地面に置いてその中に水を流し込んで、染み込む時間を測ったりしました。
普段、何気なく見ている木でも、名前まで知っている木は少なく、今回、ヘビ山をぐるりと回って見て始めて、姿と名前が一致する木がたくさんありました。しかし、思った以上に木の本数が多く、とても全部の木を調査する事ができませんでした。また、次回の観察会の時に木の名前付けの続きを行なう予定です。

2006年12月13日 樹木マップ【4年生】

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

4年生のみなさんと、前回に引き続きヘビ山の木の調査を行ないました。

4年生さんはカブトムシなど生きものを中心に調べ学習を進める「生きものグループ」とヘビ山の木などを中心に調べる「木グループ」と二つに分かれて進め学習をしています。今回は、ヘビ山の木を調べている木グループの野外観察のお手伝いを行ないました。
木グループでは、ヘビ山の樹木マップをみんなで協力して作成することになり、広いヘビ山をみんなで分担して調べました。すると、ヘビ山の木の分布には特徴があり、同じ木が同じような場所に集中して生えている事などが、データが集まるにつれ徐々に分かってきました。
またしても時間が無く、全ての木に名前を付ける事ができませんでしたが、かなりの木に名前が付いてさながら、ヘビ山が樹木観察園のようになってきました。みんな協力ありがとうございました。

2006年6月12日 メダカ【5年生】

060612_5

5年生と授業を行いました。(この日は4年生の野外観察も行い、一日中、牛久小でお世話になりました。)

今回、5年生は初めての授業ということもあり、子供たちに身近な生き物であるメダカの基本授業を実施しました。
 「なぜ、身近にいた生きものが姿を消していくのか」、授業の中でこれまで私たちが見過ごしてきた環境悪化の原因を知り、人間の生活が自然の生きものに与えている影響を知ってくれればと思いました。
5年生さんはアヤメ園の近くで、田んぼを借りて米作りの体験授業を行っており、今回の授業の最後には、田んぼと生きものの関係などもお話もさせて頂きました。次回は田んぼや学校の近くの谷津田に生きもの観察に行く予定。どんな生きものとの出会いと発見があるか楽しみです。

2006年7月11日 野外観察【5年生】

060711

7月12日、5年生と野外観察を行いました。

今回の野外観察は牛久小から少し離れた場所にあるアヤメ園と、その周囲の谷津田、5年生が稲作の授業で借りている田んぼの3箇所を順番で回っていきました。 それぞれの地点ごとに特徴的な生きものが見られ、特に谷津田周辺では林縁部によく見られる「コシアキトンボ」や、こちらも暗い場所を好む「ノシメトンボ」を多く観察することができました。 あと、田んぼで見つけた「カナヘビ」がとても元気で、こどもたちが指を出すと「ガッブ」と噛み付いてなかなか離しません。ついには耳に噛り付いて「カナヘビピアス!」なるものが完成?
長い時間、指や耳に噛り付いていたカナヘビさん、お疲れ様でした。
観察の途中、ネムノキの花が満開で2~3個、花を摘み取り、その香りを子供たちと楽しむことができました。見て触れるだけではなく、時には香りや味から学ぶ自然も大切なのだと、ネムノキの香りを楽しみながら感じました。

2006年10月3日 残暑の野外観察【5年生】

061003_5

5年生さんと学校周辺へ野外観察に出かけました。

牛久小の周辺は、牛久沼や牛久沼へつながる谷津田。牛久沼に流れ込む稲城川、稲荷川の周辺の田んぼ・アヤメ園など、生きものを観察する場所がたくさんあります。今回は人数が多いので全体を二つに分けて、谷津田と稲荷川周辺の田んぼ・アヤメ園を交代しながら回りました。
観察に使った田んぼは、5年生さんが米作りをするために借りてる田んぼで、みんなも田んぼの辺りの事はよく知っているようでした。
地球温暖化の影響か10月ながら暑い日が続き、この日も日差しが強かったので、心配しましたが、みんな元気に最後まで観察を楽しんでくれたようでした。

2007年12月14日 木の名札つけ【4年生】

071214

今日は、学校のビオトープにもっとたくさんの生きものを呼ぶために、学校の近くにはどんな生きものがくらしているのか観察をしてきました。

観察場所は学校のすぐ裏にある「ヘビ山」です。
子どもたちは、ヘビ山を生きものの目線に立って観察し、林の中には明るい所と暗い所があって、そこに住む生きものは違いがみられるということを発見しました。
その後は、子どもたちは ヘビ山に来た人達がもっと親しみを感じてもらうために、木の名札付けを行ないました。

2007年6月11日 生きものとお話する方法【5年生】

070611

今日の授業は「生きものとお話する方法」です。

子どもたちは生きものを観察するために大事な3つのことを勉強しました。それは、「生きものの体のつくり」「くらし」「すみか」です。この3つの事を良く知ることで生きものとお話できるようになるんですよ。
その後、子どもたちは牛久の地域特性である谷津田は生きものの道として、メダカやトンボなどに利用されていることを学習しました。
明日は待ちに待った野外授業です。学校につながる生きものの道を見に行きます。

『人と河童が出会うまちづくり』にもどる

牛久第三中学校(科学部、2年生)

main

 牛久沼は護岸工事や水質汚染の影響で 自然破壊が進み、たくさんの生きもの たちが困っています。牛久三中では、 使われなくなったプールをミニ牛久沼 として土や水草を入れるなどの実験を 行って、牛久沼にきれいな水と豊かな 自然を取り戻す方法を探っています。 また、衛星写真を使って牛久沼の水源 地(谷津田)の湧き水の場所や、どの くらい荒れているかなどを調べる方法 も研究しています。

 

主な取り組みの様子

2006年7月27日 プールのビオトープ化工事
2006年8月3日  谷津田の生物観察
2006年8月8日  衛星写真を使って
2007年5月10日 今年の活動計画を立てよう
2007年5月17日 生きものの道を見に行こう
2007年7月31日 浮島づくり

2006年7月27日 プールのビオトープ化工事

060727

今日は科学部の生徒さんと学校ビオトープのメンテナンスとプールのビオトープ化工事を行ってきました。

牛久市の中学校では各学校に設置されたプールを授業で使わなくなったため、プールは防火用貯水槽としてのみ利用されている状況です。この3中のプールも水が貯められているだけの状況でした。 今回、プール内に植生ビオトープで茂りすぎた植物を植え、生息する生物の変化を継続的に調査していくことになりました。 プール自体が持つ防火用貯水槽としての機能を妨げることは出来ないため、プールの片側にコンテナに入れた植物を沈めるという方法で実施しましたが、そのままでは水深が深すぎるため、 机やイスといった「ゲタ」を履かせてやって高さを調整しながら設置しました。 大人が胴長を着ても胸ギリギリまで水が来るので、中学生の皆さんには少し大変な作業だと思います。
無事、プールに植生を施したらすぐに「コシアキトンボ」が植物の周りを飛び始めました。人間にとってはちょっとの変化でも、小さな生きものにとっては、人間の想像以上に大きな変化なのではないか、 と飛んでいる「コシアキトンボ」の姿を見ながら思いました。

2006年8月3日 谷津田の生物観察

060803

今日は科学部の皆さんと学校周辺の谷津田の生物観察を行いました。

3中さんの周辺には観察の対象としている谷津田が3つあり、 それぞれA・B・C谷津田と呼んでいます。今回はC谷津田と呼んでいる国道6号側の谷津田を観察してきました。
C谷津田ではハグロトンボを調査の中心にし、他の生物の生息状況も合わせて調査しました。今回の調査で印象が強かったのは、蝶類が多く観察できたこと。 特に谷津田に降りる道沿いでは大型のアゲハが3種類確認できました。大きな蝶が数多く舞い飛ぶ光景は、見ていてなんだか幻想な感じがしました。
あと大きな発見があったのは、谷津場の水路にメダカがいたこと。しかし、そのままでは干上がりそうな小さい水たまりに身を寄せ合っていたので、出来るだけ捕まえ、 新しく作った3中のプールビオトープに入れる事にしました。 身近な所にもメダカは力強く生きていたことが嬉しかった反面、わずかな水たまりに追いやられている姿を見ると、少し寂しい気持ちにもなりました。

2006年8月8日 衛星写真を使って

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は科学部の皆さんとA谷津田に観察に出かけました。

今回は衛星写真の専門家の上林さんも同行され、 衛星写真からみる谷津田と、実際の谷津田の状況の比較などを、実際に現場でご一緒しながら教えて頂きました。小雨がパラパラ降る天気でしたが、予定道り観察を完了することが出来ました。
不思議な事に、この谷津田ではトンボのヤゴがこれまでほとんど観察できませんでした。今回もいろいろ調べて見ましたが、発見できたヤゴはたったの1匹だけ。別に水辺が無い訳でもなく、 どうしてヤゴが少ないのか、私も調査に立ち会って非常に不思議でした。
3中の科学部の皆さんなら、きっとその答えを見つけてくれると思います。

2007年5月10日 今年の活動計画を立てよう

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は牛久三中の科学部の子供たちの1回目の授業です。

今年度どんな研究を行うか、子どもたちはまず、去年自分たちがしてきた活動を振り返ることにしました。説明するのは3年生。入りたての1年生に伝わるよう、工夫して話をしました。
昨年・一昨年から続く大事な目標は「牛久沼の再生」です。学校ビオトープの水質が良いことに着目し、そのシステムを牛久沼に活かせるのではないかと考えました。水質の良い理由の一つとして生物種の多さ、周辺の供給源(谷津田)の存在ではないかと仮定して、その実証を行ってきました。その実証から学校ビオトープ、谷津田に見られる環境要素の多様性、牛久沼の環境要素の少なさに気がつきました。学校ビオトープとプールでの環境要素の増減という実験を通して、生物種の変化を確認した彼ら、今年度はこれまでの実証の成果を活かして牛久沼再生の提言をまとめようとしています。
その後、いろんな意見を出して議論しましたが、計画策定には至らず、次回に持ち越し。
どんな研究が出来るか今年も楽しみです。
(スタッフ:飯田)

2007年5月17日 生きものの道を見に行こう

070517

今日は衛星写真を使った授業です。

ここは木があるところ、ここは田んぼ、田んぼでも一年中水のあるところと冬には水がなくなってしまうところなど、衛星写真はいろいろなことが分かります。実際に行かなくても、どんな生き物がいるのかある程度予測がたてられるのです。去年学習した2,3年生の子達は1年生の子達に、それを教えていました。みんなちゃんと理解しているんだね。じゃあ実際に、その田んぼはどのようになっているのかな?観察に出かけよう!!
衛星写真を見て予測したものと実際に目で確認したものを比較しながらの観察です。みんなの予測は果たして合ってるかな?(スタッフ:飯田)

2007年7月31日 浮島づくり

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

牛久第三中学校科学部では、学校のプールを牛久沼と見立てて浄化実験を行なっています。

また、学校のプールは牛久沼と谷津田をつなぐ「生きものの道」でもあります。そこで、もっとたくさんの生きものを呼ぶために、浮島を作ろう!浮島はギンヤンマの産卵場所にもなります。
材料は、不用になったお酒の運搬ケースと浮力をつけるためのペットボトルにビート板。これらをビニール紐でしっかり結合させて、一塊の浮島にしました。
最後にマコモやヨシなどの抽水植物を隙間に差し込んで完成しました。
きっとたくさんの生きものが来てくれるでしょう。これからが楽しみです。

『人と河童が出会うまちづくり』にもどる

牛久第二小学校(5年生)

ushiku_dainisyou

学校の周りを生きものになったつもりで調べたら、学校の近くにある谷津田は牛久沼につながる生きものの道だということがわかりました。
どうしたらもっとたくさんの生きものが学校やビオトープに来ることができるかをみんなで考えています。
また、ビオトープに入ってしまったアメリカザリガニ(外来種)の影響や駆除の方法を調べています。

 

主な取り組みの様子

2006年4月28日 トンボの暮らしや体のつくり
2006年5月19日 プールヤゴ
2006年6月30日 野外観察会
2006年10月18日 春と秋の違い
2007年1月17日 人も生きものも暮しやすいまち

2006年4月28日 トンボの暮らしや体のつくり

060428

今日は牛久小の5年生に授業を行ってきました。
今回の授業では2限・3限2コマ続けて授業を行い、2限時では「トンボの暮らしや体のつくり」に関する授業を行って、3限には実際に学校のビオトープに行って生きもの観察をしてきました。

普段、あまり詳しく見たり、調べたりする機会の少ないトンボの授業でしたが、黒板に描かれるヤゴの絵を見て、真剣な眼差しでヤゴのからだのつくりをスケッチしていました。3時間目ではビオトープで生きもの調査をしました。この学校のビオトープはたくさんの種類の生きものがいるのですが、ザリガニが入ってしまったらしく アサザやメダカなどの生きものがかなり減ってしまったということでした。小さなザリガニでも環境に与える影響は大きいのだと、2小のビオトープで観察を行いながら思いました。

2006年5月19日 プールヤゴ

060519

牛久小の5年生さんへの2回目の授業を行ってきました。

本当は、みんなでプールに行ってヤゴを捕まえ観察する「プールヤゴ」の授業を行う予定だったのですが、天候が思わしくなく、前日アサザのスタッフで捕まえて水槽に入れて置いたプールのヤゴを、シャーレに取り分けて観察し、その後、ヤゴをスケッチをしていきました。前回は黒板に描かれたヤゴのスケッチでしたが、今回は実物を前に、動き回るヤゴを見ながらのスケッチです。
本物のヤゴを間近で観察したことで、それぞれ独自の発見があったようです。前回観察をしたビオトープのヤゴと、今回捕まえたプールのヤゴの種類の違いからプールとビオトープ、 学校周辺にある田んぼとの環境の比較の話しなど、幅広い内容の授業を行うことが出来ました。

2006年6月30日 野外観察会

060630

今日は学校周辺の谷津田と、地元の方で自分が持ってらっしゃる田んぼを、観察の場として提供してくだった方がおり、その方の田んぼで生きもの観察をおこないました。

炎天下での観察で少し心配しましたが、みんな元気で最後までやり遂げることが出来ました。
アサザ基金では様々な場所で野外の観察会を行っていますが、プログラムを行ないながら、子どもたちにいろいろな環境や、いろいろな生きものを実際に見て感じてもらうことで、自然に対してたくさんの「なぜだろう」「不思議だな」というそんな気持ちが、たくさん芽生えてくれたらと思います。
今回、お借りすることの出来た田んぼは、無農薬でお米を作っているのですが、そのわりには、あまり多くの生きものを見つけることができませんでした。
「なぜだろう?」。スタッフとして同行した自分が見つけた、自然に対しての「なぜだろう?」の一つです。

2006年10月18日 春と秋の違い

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今日は牛久二小の5年生さんと学校周辺の谷津田へ観察に出掛けました。

今回、出掛けた谷津田は、夏に一度観察をした場所で、夏と秋で観察できる生きものの違いや、 夏と秋とで田んぼの様子がどのように変化するかなどを、実際に観察に出掛けて調べてみました。
 10月とは言えまだ少し暑かったのですが、観察できる生きものはかなり減っていて、季節の変化を感じることが、生きものを通してでも感じることができました。
また、この時期は実を付ける植物が多くあり、今回の観察でも途中で実際に木の実を食べて、その味を確かめたりしました(皆さんは食べると有毒な実もあるので、詳しい人と一緒に食べてみてください)。
同じ場所でも季節でずいぶん様子が変わるのだなと、子ども達と秋の谷津田を歩きながら感じました。

2007年1月17日 人も生きものも暮しやすいまち

070117

今日は新しい取り組みとしてまちづくりの授業を行ないました。

5年生さんは生きものについて学んだ後に福祉を学習したということで、今回は、これまで学んできた「生きものの視点で捉えたまちの改善点」を踏まえて、「人と生きもの両方が暮らしやすいまちにするにはどうすればいいのか」というテーマについて考えました。
 学校を体の不自由な人やお年寄りのくらす家に例え、お店やバス停など生活に必要な場所を地図の上に書いていきました。
そして、実際に生活をしていくためには、こうすればもっと住みやすくなるなどの意見を、班ごとにまとめていきました。
福祉について勉強した牛久二小の皆さんだからできる授業なので、筆者も授業を進めながら、どのような展開になるのか予想できませんでした。しかし、結果は非常に充実した授業になりました。
2小のみなさん、楽しい授業ありがとうございました。

『人と河童が出会うまちづくり』にもどる

トキの住む鹿嶋市を目指して

こどもと大人の協働のまちづくり

鹿嶋市では、子ども達の提案による谷津田再生プロジェクトが始まっています!

かつて、鹿島神宮の森と谷津田と湖はつながっていました。しかし現在、市街化によって緑地の面積が減少し、神宮の森と谷津田が分断され、谷津田は荒れ果てています。

そんな荒れている谷津田の再生しようと立ち上がったのは、鹿嶋市立豊郷小学校の子どもたちです。2006年度の1年間、豊郷小5年生の子どもたちは北浦への水草の植付けや湖の生物調査、また谷津田での生物調査を行い、水源地再生プランを作成し、そのプランを地域の大人たちに提案しました!
それは、荒れている谷津田を生きものが湧き出る田んぼに再生し、その田んぼでトキやコウノトリが餌を取り、鹿島神宮の大木に巣をかけることを目標とするプランです。地域の大人たちもこの提案を受け、下草刈りや枝払いなどを行い、谷津田再生に協力。2007年度の春、子どもたちの提案が実現し、田んぼでお米づくりが始まりました。

《再生前》
再生前
《再生後》
再生後

豊富に湧き出る湧き水を利用してお米づくりをしています。

田植え
田植え
稲刈り
稲刈り
脱穀
脱穀
生きもの観察
生きもの観察

これまでの動き

水源地が再生するまでの経緯と今までの活動を紹介します。

《2006年度》 子ども達は北浦での自然再生や水源地の調査に取り組んできました。

kasumigaura
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

その経験を踏まえて、地域の方々に向けて生きものが湧き出る水源地再生の提案発表をしました。(2007年3月14日)

happyou_1
happyou_2

その提案に賛成してくれた地域の方々と一緒に、子どもたちは荒れてしまった谷津田の草刈りをしました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
seiti

とうとう田んぼが再生!子ども達の提案が実現しました!!
再生した谷津田で、人にも生きものにも嬉しい米づくりが始まりました。

taue
Exif_JPEG_PICTURE
SANYO DIGITAL CAMERA

この取り組みに賛同してくれた東京の企業さん(USB証券会社)もボランティアとして参加してくださいました。

今現在も子ども達が先輩達のあとを引き継いで、湖の活動や水源地での活動を行っています。子ども達の取り組みに感銘を受けた大人たちも続々と活動に参加してくれています。
今後の取り組みが楽しみです。

皆さん楽しみにしていてください。

マメ知識

かつて鹿島神宮と谷津田が一体であったことは、なんと1000年以上の昔に書かれた『常陸国風土記』にも記されています!
この書から、当時の谷津田の様子や、昔は人間と自然が共存して暮していたことなどもわかります。

※常陸国風土記(ひたちのくにふどき)
 ・・・奈良時代初期の713年に編纂された常陸の国(茨城県の大部分)の地誌

牛久第二小学校(4年生)

130517

 学校の周りを生きものになったつもり で調べたら、学校の近くにある谷津田 は牛久沼につながる生きものの道だと いうことがわかりました。

 どうしたらもっとたくさんの生きもの が学校やビオトープに来ることができ るかをみんなで考えています。

 

 

主な取り組みの様子

2013年5月17日 プールの生きものとお話しよう!

■2006・2007年の活動記録

2013年5月17日 プールの生きものとお話しよう!

130517

今日は牛久二小の4年生の授業に行ってきました。今回の授業は1・2限続けての授業で、1限目には生きものとお話するために「体のつくり」や「すみか」、「くらし」について学びました。2限目には、学校のプールに行き、さきほど学んだ生きものとお話しするためのポイントを意識して、ヤゴをつかまえて観察しました。アキアカネ、ショウジョウトンボ、シオカラトンボ、ギンヤンマのヤゴが見つかって、子どもたちは大喜び!種類によって体のつくりも少しずつ違いがあることを、スケッチしながら発見できたと思います。(牧野)

『人と河童が出会うまちづくり』にもどる

潮来ジャランボプロジェクト

活動のキーワードは協働です

環境問題をめぐり、ともすれば対立関係になりがちな住民と行政(問題によっては企業も)間を、地域総参加という視点から協力関係で結べないか、また地域づくりは行政に依存していた住民が、持っている知恵と力と行動力を行政や企業に逆に働きかけて主体的に環境改善活動を担っていけないか、更に保護や維持にとどまらず、失われた環境の回復や向上につながる活動ができないか、この3点を潮来ジャランボプロジェクトは、水辺の再生に取り組む活動理念としました。
これは飯島氏らのアサザプロジェクトの理念に共感し、潮来に合った形で具現化したものです。
これから後アサザプロジェクトは更に漁協や森林組合など流域全体に活動の輪を広げ、100年後に朱鷺が舞う霞ヶ浦・北浦を、という壮大にして戦略的な未来を描き、このあと流域のほとんどの小学校と延べ10万人を超える人々が活動する形で運動が展開していくのです。

利根川水神様前・前川へアサザ植え付けを地域総参加で

(1997年6月、9月)  活動は手探りで始まりました。
1997年(平成9年)6月、十番のアサザステーションで育てたアサザの苗を特注の水中鉢植え器具へ移植し前川へ沈めました。
垂直護岸でアサザの繁茂には適さない水深の前川に何とか水生植物を植えようという苦心の方法です。
建設業組合、潮来遊覧船組合も参加しての作業でした。
この作業と並行して、さまざまな形の参加を得て利根川にアサザを植える計画を進めていました。
場所はJR高架橋の下、水神様前とし建設省の手で埋め立て工事をして浅瀬を造りました。

9月4日利根川に潮来と日の出小の5年生全員が集まりました。
送迎バスにホテルの車も用意され建設業 従業員の波消しづくりもすすみ、子供たちの歓声の中植え付けが終了しました。
建設省・県・町、建設業、小学校、遊覧船組合、観光協会、商工会、スーパーなど総参加者は256名でした。
住民主導で行政と企業・団体、住民を結ぶ環ができたのです。

01
【1】前川に植えられたアサザ

02
【2】水神様前の利根川。潮来・日の出小の5年生の植付会

03
【3】徳島小の植付会 すぐにザリガニに苗を切られ失敗。 このことがトンボ公園案につながる

■ 夢がふくらみビオトープ(トンボ公園)づくりに発展

(1997年9月~1998年5月)  1997年9月20日、徳島小学校全校生徒により徳島園地の一角にアサザが植えられました。
春先より校庭の池で育てられた苗が育ちこの日を迎えたのです。
(延方・大生原小は、神宮橋アサザ群落が新神宮橋建設により損なわれる恐れがあることから、北浦湖岸に代替措置で植付け場所が設置され、そこでの植付会が行われています)
ところが徳島小のアサザは翌日には大部分の苗が浮いてしまいました。
数年後はっきりと原因がわかたのですが犯人はザリガニでした。
この時、植付地調査のときから飯島氏にビオトープの好適地と評価されていた徳島園地を、ビオトープにしようという計画が急浮上したのです。

■ 徳島園地がビオトープとしてよみがえる

04
徳島園地は昭和62年県と町との間で整備に関する覚書が締結されました。
河川敷に環境庁による補助事業として国と県の折半で水生植物園(アヤメ園)をつくり、観光の新名所として年間80万人程度の新しい客を呼ぼうというもので平成5年にオープンしました。
ピクニック広場も併設した24,500平米の公園で、アヤメも植えられ地元や学校からミニサッカー場などの整備も要望されました。
しかしアヤメの栽培には水はけが悪く不向きで、荒廃しかかっており、トイレ・電気設備もなく利用度の低い河川敷でした。
しかし霞ヶ浦流域では貴重な河川敷で、しかも霞ヶ浦(西浦)と北浦の合流地点の外浪逆浦(ソトナサカウラ)に面して扇の要の位置にあり、水の要所です。
飯島氏は徳島園地をビオトープづくりに最適な場所と見たのです。
スケッチ程度の案を建設省霞ヶ浦工事事務所に持っていくと、戸谷所長の英断で積極的な応援を得られました。
霞ヶ浦をとりまく状況と国行政をよく知る人は一様に仰天しますが、地元住民の熱意と、自然と生き物を知り尽くす飯島氏の計画を戸谷所長は、霞ヶ浦には今こそ必要と飯島氏とは異なる感性で判断を下したのでしょう。
これを起点にアサザプロジェクト運動は更なる展開をし、今や全国の環境NPO活動の最前線にいます。

ジャランボプロジェクトはすばやく次の行動にでました。
潮来町に持ちかけ、議員・学校・地元住民・ジャランボで協議会が作られ、案が更に具体化していきました。
建設省には「水辺の楽校」登録を要望し、開園後の6月認められています。
この楽校は優れた水辺整備の構想をもつ市町村を登録し、行政と市民・ボランティア団体が協議会をつくり水辺の学習計画を立て活動するのを支援しよう、というものです。
98年に入ると更に計画は煮詰まり、2月には地元住民と建設業者80名が参加し江間が掘られ、ハンノ木が植えられ、全小学校でアサザ・オニバスなど水生植物が育成されることになりました。
3月末には工事業者が決定し早速綿密な打ち合わせが行われ、4月8日より着工されました。

11
開園後の徳島小の水辺の観察会をNHKが取材。生徒に囲まれた東ちづるさん

06
新しく掘られた江間の概観です

07
鹿島臨海鉄道寄贈の枕木を使って地元住民、議員による橋づくり

08

工事は順調に進み、4月11日江間掘りで余った土砂でカワセミの営巣地を作り始めると、未完成の19日には待ちきれないように巣作りの穴を掘り始め、急きょヨシズで野鳥観察所を作りました。

09
通水テスト、看板づくり、小学校との打ち合わせも終了、万事万端整って5月10日の開園式を迎えました。

10
大江間の水辺に立てられたトンボ形の看板に描かれた 飯島博氏による河童

■ 利根川水神様前・前川へアサザ植え付けを地域総参加で

■ 98年1月より5月10日の開園までに要した費用と人手の一覧

要した費用 作業参加者 無償提供されたもの
野鳥観察所よしず、ペンキなど 71,895
事務用品、計画書印刷代など 34,785
胴長・エンピ、鎌など備品 52,275
苗育成用バケツなど植栽資材 108,704
食事・茶菓子、保険、通信、写真代 74,137
作業参加者  454名
打ち合わせなど 70名
ユンボ、ブルトーザー、トッラク、トラクターなどの重機
おにぎり、弁当、シジミ汁、茶菓子、飲み物など食料品
公園作りのノウハウ、調査など
スダジイなど樹木多数
合計     341,796 合計  524名

トンボ公園の役割
飯島氏は設計段階で、トンボ公園という名のビオトープに5つの機能を取り入れました。
1水質浄化(潮来方式と呼ぶ)
湖水をポンプアップし、水路や水深の浅い・深い水域を通して効果よく浄化し湖水に戻す。
食物連鎖網と多様な水環境の連鎖系による自浄作用の仕組みを生かした水質浄化を図る。
2生物多様性の保全
アサザ、ガガブタ、オニバス、ミクリ、田字草など絶滅の恐れのある植物を栽培し、湖に戻す供給基地とする。
また植物栽培によって多様な生物の生息環境を保全する。
3水産資源の保護
湖と池・江間の温度差で移動と産卵を促す。
浅い水面はプランクトンが大量発生し、仔稚魚のエサとなる。
魚は汚濁の原因物質をエサにし水質を浄化する。
観光資源(景観づくり)
珍しい花々(②の植物のほかにミズアオイ、コウホネ、カキツバタなど)やトンボ、小魚とり、心なごむ水辺の風景など、ゆったりと時間が流れる場。
エコツーリズムの最適な場。
環境学習の場
魚の産卵などの観察、トンボ捕り、水質調査、水草の植え付け、ドロンコ池での遊びなどを通して水質浄化のメカニズム、環境と生き物との関係など総合的な学習が身につく場

潮来方式と呼ぶ水質浄化は特別な方法ではありません。
川や湖が持っていた 浄化能力(自然治癒力)を取り戻すため、手助けする方法です。
水面に所せましと葉を広げるアサザは、水質汚染の大きな原因である窒素・リン を栄養として取込みます。
その一方でアサザは蛾など虫たちのよき餌であり水鳥 たちの食料でもあるのです。
つまり、アサザなど水生植物によって大量に吸い上げられた水中の窒素・リンは 虫や鳥たちによって陸地に運ばれ水質の浄化につながるのです。
トンボもヤゴの 時代は水中で過ごし、陸上に移動し鳥などの餌となり食物連鎖の働きとなります。
変化に富んだ多様な水辺の環境と、そこに適応した多用な生き物をはぐくむこ うした機能を、本来川や湖は持っていました。
すなわち生物が生まれ育つのに好適 といわれる浅く複雑な水辺環境です。
霞ヶ浦がコンクリート護岸で覆われる前までは潮来でも見られた景観です。
この水辺を再生することが潮来に水郷の景観と、豊かな自然を取り戻すことになるのです。
私たちが目指すもの、それが「水辺の再生」です。

■ 公園管理の楽しみ

建設省・潮来町・協議会(ジャランボ)三者はトンボ公園の機能を高めていくため管理協定を結びました。
ポンプの維持や大規模な補修は建設省、江間の大規模な補修などは潮来町、各池・水路・分水施設(水口)の日常的管理、樹木や園路の管理、アサザなど水生植物の育成、水田などはジャランボの役割で、市民団体が協定に加わることも画期的なことと評価されました。
開園後数回の手直し工事もジャランボの要請を受けて建設省が行い、今も市民が中心となって公園を育て行政がそれをバックアップする形が続いています。
さまざまな人々が トンボ公園を舞台に さまざまに楽しんでいます。
151617181920

■ 管理は1年中をとおして行われます

5月の開園準備からカキツバタ、コウホネ、アサザ、オニバス、ミズアオイと続く花の季節は多忙です。
黙って公園の草刈をしてくれる方、花を見て喜んでくれる方、子供の歓声、小鳥のさえずり、鯉、フナののっこみなどは管理する上で喜びです。
自然の恵みを感じるからです。
反対にゴミを捨てる人、鯉釣り用に江間のタニシを根こそぎ盗む人、外来魚(ブラックバス)を池に放す釣り人、音楽など大きな音を平気で立てて鳥たちをおどかす人など、心無い人の行為はさびしいものです。
33
ウキヤガラという抽水植物を抜くボランティアの筑波大、玉川大学生
22
日本古来のカキツバタ
23
公園で早めに咲きだすコウホネ
24
水辺の再生運動を象徴するアサザ
25
田の字のデンジソウ
26
ネムノキ
27
葉が1mを超えるオニバス
28
夕方カワセミ田の稲につく水滴。昔はサルコと呼ばれ、サルコがでたから作業終了という合図になったそうです。
29
一面の紫でトンボ公園の人気花ミズアオイ。上手に咲かすのも難しい花
30
雪の公園
31
除草と撹乱を起こし土中の種子の芽出しを促進させるためトラクターで耕起

32
麻生富田のアサザ群落 

■ 市民に愛され、各地から注目されています

公園は散歩や子供たちの遊び場として市民に利用されています。またビオトープとして学習の場に利用したり、見学に訪れる方も大勢います。
WWF(世界自然保護基金)やJICA(国際協力機構)関係で東南アジア、 アフリカなど海外から、国内では沖縄から宮城まで、職業も研究者・学生、国・県・市会議員、弁護士、行政職員、小学校、幼稚園、老人大学、市民団体などさまざまです。
事務局で記録している日誌を数えると、7年間で100件、2500人を超える人が来園されています。
アサザ基金の100年構想の最終目標は「朱鷺(トキ)の舞う霞ヶ浦」ですが、朱鷺保護活動している佐渡からも来ていただきました。
12
イギリス出身の作家で環境保護活動家のC・Wニコルさんを囲んで
13
衆議院議員小宮山洋子さん
14
右平成13年の河川功労者に選ばれ、山澤福会長が表彰式に出席

石岡での展開(~2008)

上流から下流まで~地域での展開例~

石岡市周辺を例にご紹介します。

①谷津田の保全


higashitanaka
荒れ果てている霞ヶ浦の水源地である谷津田。
奇跡的に残された豊かな自然、清い水を守るために、無農薬有機栽培で酒米を作ります。
作る過程は企業の社員教育と連携して、醸造は地元の酒造会社で。
その水は山王川に流れ込み、霞ヶ浦へ・・・。

②オニバスビオトープ

onibasu
放棄された休耕田に山王川の水をくみ上げてビオトープ化しました。
生活排水の浄化、絶滅危惧植物オニバスの育成、一年を通した湛水田を実現。
ここで増えた種子は山王川を下って高浜入りへ流れ込み、かつてのオニバス群落の再生を目指します。

③河川環境改善(石岡市と協働)

sannougawa
直立護岸でまっすぐな深い川は、流れが速く、生きもの達には大変すみづらい環境です。
廃棄処分の石屑を有効利用して流れを蛇行させたところ、植物も根付くことができました。
石の間に生きものが潜んでいるのか、サギやカワセミが良く狙っています。

④学校ビオトープ

gakkouBT
動物はメダカとタニシ、植物はアサザと霞ヶ浦の水草だけを入れます。
そのうち、学校周辺の環境を教えてくれる生きものたちが、たくさん訪れるようになります。
アサザやメダカの遺伝子系統保存の役割もあります。
霞ヶ浦北浦流域の110校が参加。

⑤山王川河口ビオトープ(国土交通省と協働)

kakouBT
土砂が溜まり機能しなくなったヨシ原浄化施設を、ビオトープに改造しました。
機能維持と管理を市と市民が、大規模な補修は国土交通省があたる、という管理協定を結んで協働しています。

⑥駅ビオトープ

takahamaBT
学校ビオトープのネットワークによって、小さいけれども豊かな水辺がつながりました。
さらに水田や湖を介して、駅にもトンボがやってきます。
現在、JR高浜駅(上りホーム、改札出口)、JR石岡駅(上りホーム)、鹿島鉄道石岡駅ホームに小学生が作ったビオトープがあります。
廃線となった鹿島鉄道ではお花見シーズンにアサザ号を運行していました。

⑦植生帯復元地区(国土交通省と協働)

isikawa
豊かな植生帯を取り戻すべく、コンクリート護岸を湖からの浚渫土で覆い、浅瀬を創出。
浚渫土に含まれる埋土種子の発芽による、本来の植生回復を見守ります。
岸を荒波から守る粗朶消波施設を造成し、その内側には市民の手でヨシ・アサザなどを植え付けています。

⑧のっこみランド

nokkomi
湖岸沿いに広がる水田は、霞ヶ浦の原風景でもありましたが、いまでは放棄が進み、湖と田んぼの水の道はすっかり分断されています。
春ののっこみ(魚の産卵行動)にあわせ、湖からつながったビオトープを産卵に適した形に設計することで、霞ヶ浦で命を育む魚達を応援します。

石岡市周辺での展開地図
ishioka

稲荷山公園・八反田 『歌枕の森構想』

潮来 稲荷山公園・八反田 『歌枕の森構想』

2006年から、潮来市では稲荷山公園を美しい『歌枕の森』にするプロジェクトが始まっています。
1 2

プロジェクトの舞台は、潮来市にある稲荷山公園と八反田です。
稲荷山公園は、潮来の水郷地帯を一望することができる観光名所で、国定公園にも指定されています。
また、国・県・市指定の文化財を数多く所有する長勝寺の裏山でもあります。稲荷山の森とお寺が一体となった風景を公園内で楽しむことが出来ます。
かつては、さまざまな文人歌人が訪れ、その自然が織りなす景色の美しさからたくさんの歌が詠まれた場所(歌枕の地)でもありました。
八反田は、稲荷山を水源の一部とする谷津田です。
稲荷山とは連続した立地にあり、カエルやトンボなど森と田んぼを住みかにする生きものたちが行き来する『生きものの道』でもありました。
また、森(稲荷山)に降った雨は谷(八反田)で湧き出し、水はやがて霞ヶ浦へ流れていきます。稲荷山・八反田は霞ヶ浦の重要な水源地でもあるのです。

しかし今、稲荷山の森は間伐や下草刈りなどの管理が行き届かず、荒れています。
公園内は薄暗く、住んでいる生きものも少なくなっています。
稲荷山公園に訪れる人も減り、子どもたちも安心して遊びに来ることが出来ない場所になってしまいました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
薄暗い稲荷山の森

また、稲荷山と八反田の間には大きな道路が出来て、森と谷津田の『生きものの道』が分断されてしまいました。
八反田では耕作放棄されている田んぼが目立ち、問題になっています。

そこで、潮来の子どもたちと地元の方々が立ち上がりました。
潮来小学校の子どもたちは、稲荷山の生物調査を始め、再生プランをまとめて、地域の人たちに提案しました。
「かつての美しい景色が望め、思わず一句詠みたくなるような、人で賑わう稲荷山に再生したい!」という『歌枕の森』を目指すプランです。
その提案に賛同した多くの地元の方と一緒に、稲荷山公園再生のために間伐や下草刈りなどの作業が始まりました。

4
子どもたちが作成した呼びたい生きものマップ

これまでの動き

水源地が再生するまでの経緯と今までの動きをご紹介します。

1 子どもたちは、学習を通してたくさんの生きものが困っていることを知り、稲荷山での生物調査を始めました
5

2 調査結果をもとに、稲荷山再生の提案をまとめました
6

3 学校のみんなや地域の方に向けて、稲荷山の再生を提案しました。7 8

4 この提案に賛同した地域の大人の方も協力してくれました!

9
下草刈り
10
間伐作業

5 ロータリークラブの寄付で希望した樹が植えられました
11

6 子どもたちの夢が実現に向かって着実に動いています。
継続的に再生していくために、毎年ワークショップが開かれています。
12
落ち葉かき

13

どんぐりの苗作り

作業前

作業後

八反田も再生され、ビオトープとして生まれ変わりました!
冬~春にかけてアカガエルなどのカエルたちが卵を産み、トンボや水中昆虫がたくさん暮らす豊かな場所になっています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
再生前

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
再生後

今後も、地域の人と子どもたちが協力し合って潮来のまちづくりを行っていきます。              16
再生前

17
再生後

人と河童が出会うまちづくり

学校ビオトープからはじまるまちづくりとは?

2004年から、茨城県牛久市の全小中学校の子どもたちが『人と自然が共生する牛久』をめざし、地域の特徴を学び、まちづくり提案をし、その学習の成果を実際の社会に実現していく、子ども主役のまちづくり・人づくり事業が始まりました。

茨城県牛久市は、東京から50km圏内にあります。

牛久市には谷間の田んぼ(谷津田)が多くあり、牛久沼と霞ヶ浦への水源地となっています。図3

谷津の入り口には必ず古い集落があり、人々は水源地である谷津田を基盤に地域づくりを行ってきました。そこは同時に、多様な生き物たちの生息の基盤となり続けてきました。図2

牛久のまちは人と人、人と自然、自然と自然のネットワークで覆われていたのです。
牛久沼や霞ヶ浦は「河童」伝説で有名です。牛久は牛久沼と霞ヶ浦の水系が接し合い、それぞれに棲むカッパが出会える町でした。
しかし近年、牛久市は東京へ通勤圏内のため近年ベットタウン化が進み、自然環境の減少やゲリラ豪雨時の洪水など都市型問題も起こり始めています。
一般に、学校の環境学習は地球規模の学習が中心で、地域の問題に目が向けられることはあまりありませんでした。牛久を覆っていた水と緑のネットワークも方々で分断され、カッパにも出会うことがなくなってしまっています。

そのような牛久の地域特性や課題を活かした総合学習として、アサザ基金と牛久市教育委員会協働の「学校ビオトープから始まるまちづくり事業」が始まりました。

図5  図6
この事業は、牛久市全小中学校で総合的な学習の時間などに行っています。
この事業の特徴は、子どもが中心となり学校を拠点とした地域コミュニティ(学区)単位でまちづくりを行っていくことです。(小学校区と地域コミュニティ単位はほぼ一致しています)
地域の子どもたちは、自分の足元(学区)の自然環境や地域の特徴を学び、深め、地域や行政などさまざまな立場の人を巻き込みながら、牛久市の特徴を活かしたまちづくりを提案します。
総合学習の中で、生きものなどさまざまな他者の視点から地域を見直すことで地域の可能性を再発見し、人と人、人と地域のネットワークを結び直し、それはカッパ(ここでは生物多様性のシンボル)を呼び戻すことにもつながります。
子どもたちの学習意欲を原動力にネットワークが結びついていくその過程で、福祉・治安・防災といった本来の機能が再生し、自立した地域コミュニティを基盤に築かれていきます。

この学習は、アサザ基金がコーディネーター役を務める『学校ビオトープから始まるまちづくり実行委員会』が主体となり、学校の学習に地域の自治会や住民・企業などを巻き込みながら行います。
子どもたちの総合学習を地域全体でサポートしていくことで、地域ぐるみで子どもたちを育てることにつながります。
まちづくり事業のネットワーク図
牛久のまちづくりの原動力(ネットワークの結び手)は、たくましく、想像力にあふれた子どもたちです。
子どもたちの学習から生まれた、夢や可能性を地域の人々が共有し合うことで、未来の担い手となる子どもたちを主役に、人と自然が共存する牛久のまちづくりを行っていきます。

牛久市では小学校の総合学習によって、何十年も耕作放棄された場所を田んぼに再生したり、子どもたちの提案が市の公園づくりや計画に反映されたりするなど、実際のまちづくりが次々と実現しています。
先生方から「これが本当の学習だ」と表現される実際の社会に働きかけていく学習が、牛久市では毎年行われています。
これからも、牛久の子どもたちが自分たちの町に夢を抱き、それを実現するための学習、提案づくりを行っていきます。

人と河童が出会うまちづくりホームページへ

 

学校ビオトープからはじまるまちづくりの特徴・意義

・単なる環境学習ではなく、まちづくり学習です
牛久市で行われているのは、ただ環境問題についての知識を学ぶいわゆる環境学習ではありません。自分の足元の地域を学び、深め、提案、行動し、社会へ働きかけ、実際のまちづくりに活かしていく、まちづくり学習です。
・縦割りを超えた実行委員会を組み、地域ぐるみで子どもたちの学習を支えています

学校ビオトープからはじまるまちづくりの効果

・地域の未来を担う人づくりを行っています
・子どもたちの学習が実際のまちづくりに活かされることで、子どもの夢実現と魅力あるまちづくりをしています(小学生による公共事業)
・人材育成の効果が研究されています。
小玉先生 論文
米川先生 論文

学校ビオトープからはじまるまちづくりの活動内容

・通年を通した学習を行っています。

 

学校ビオトープからはじまるまちづくりの位置づけ

 

【地域活性化】

子どもたちが学習を通して地域に眠っている宝物(地域資源)を探しだし、その宝物を実際の地域のまちづくりに生かしていく子どもたちの豊かな感性や想像力によって、大人たちが縦割り化した社会の壁を溶かし、多様な主体をつなげ、地域で新たな取り組みが次々と生まれていくような社会を築いていきます。

【環境教育】

環境問題を地球環境問題やごみ問題などの知識一般として得る教育ではなく、自分の地域の特色を学び、その特色を最大限に活かしたまちづくりを具体的に提案しその実現を目指していくことで、現場で感じる力や実際の社会での実践力を身につけます。

【社会を変える】

総合学習を通して子どもたちが地域の特徴や良さを見つけ、その良さを生かしたまちづくり提案をし、その提案が実際のまちづくりに活かされる牛久市のまちづくり学習は、今後世界の地方都市でも参考となるモデルになっていくと考えます。学習の体験から子ども一人一人が力を身に付けていくことが社会を変えていくことにつながります。

【企業との協働】

牛久市内で多様な主体と協働で環境保全を行っている企業の活動を学び、その活動と連携した学習を行うことで、企業との協働の意味を子どもたちが理解し、互いの違いを生かしながら協力し合い難しい問題や課題に取り組んでいく「協働」事業を起こしていくことができる人材の育成をしていきます。

【循環型社会】

循環型社会を築いていくためには自然からつながりや循環の仕組みを学び、自然から得た知恵を生かした地域づくりや生き方を実現していくことが必要です。地域に最も密着した生活を送っている子どもたちの目を通して、地域に眠るつながりを生かしながら、地域の人々の生活文脈と重なり合う細やかな循環型社会を築いていきます。

【自然再生・生物多様性】

自然再生を実現するためには、単にビオトープなどの生き物のすみかになる場所をつくるだけではなく、再生しようとしている自然に影響を与えている人間社会のあり方を変えていくこと(まちづくり)が大切です。牛久市では地域コミュニティや生きものの行動範囲と一致する各小学校区単位でまちづくり学習を行うことにより、牛久市内全体で人と自然が共存するまちづくりを実現していきます。

科学技術の振興

衛星画像を活用した総合学習プログラムによる霞ヶ浦流域管理システムの構築 ~宇宙から流域を見つめよう!~

霞ヶ浦をはじめ全国の湖沼や河川では流域管理システムの構築が重要な課題となっています。
しかし、行政の縦割りが事業の広域展開や総合化の障壁となって、実現が困難な状況にあります。
アサザプロジェクトでは、この流域管理システムの構築を地域コミュニティのネットワーク化によって実現しようとしています。

水質汚濁が問題化している霞ヶ浦を考える際、流入負荷(マイナス要因)に目がいきがちですが、湖の環境を支える流域全体の水源地の水田(プラス要因)としての機能の健全度については、忘れられがちです。

大河川の流入が見られない霞ヶ浦を支える「水源」は、流域に無数に存在する「谷津田」です。
にもかかわらず、その「谷津田」では、近年、耕作放棄が目立ち、水質保全や治水に対する悪影響が懸念されています。
ところが、「谷津田」の一つ一つを抽出し、水源地としての「質(水循環の健全性や連続性)」とその変化を把握することは困難です。
それには、流域の全体像を人々に示し、水源地(水田やため池、森林)保全への理解を深め、霞ヶ浦の水質保全に向けた行動を促すことが必要です。
人々のとる行動の一つ一つが、未だ構築されていない流域管理システム(「水源」の全体像を把握するシステム)を具体化につながると考えます。
アサザ基金は(財)リモート・センシング技術センター、牛久市教育委員会と協働で流域全体を面として捉え、マイナス要因(流入負荷)の削減でなく、プラス要因(水源地の質)を保全・再生してゆく手法の開発を行います。
牛久市内の谷津田をモデル地区として、生態系現況調査と連携させた学習プログラムを実施していますが、今後流域全体に広げる計画です。
現在は衛星画像から湧水のある谷津田の地点を抽出し、小中学生が実際に現地を調べて、データ(アカガエルの産卵など)を集める作業を行っています。地域コミュニティの機能を生かした新しい衛星利用の可能性を提案しています。

2003年からはNEC(日本電気株式会社)が開発した太陽電池で駆動し環境情報(温湿度や画像等)を無線で送ることのできるセンサーネットワークシステム(アドホック・マルチホップ通信技術)を使い霞ヶ浦流域の環境情報を日常的に収集するシステムを共同開発しています。
流域の各学校を中心にカエルの移動を想定した形で、学区内のハビタットにセンサーを設置していく総合学習を行い、学区内で子ども達が集めた生物観察記録や環境情報をITを使って日常的に流域全域の学校ネットワークで共有する試みです。
これが実現すれば、流域という空間的広がりと日常という時間的連続性を持ったこれまでにない質と量の環境データを収集できます。

◆人工衛星画像を活用したプログラム
鹿嶋衛星画像
衛星画像から湧水のある谷津田の地点を抽出し、小中学生が実際に現地を調べて、データ(アカガエルの産卵など)を集める作業を行っています。
地域コミュニティの機能を生かした新しい衛星利用の可能性を提案しています。

◆ネットワークセンサー(ウェザーバケット)
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
学校ビオトープや花壇などに設置。
集まってくる生きものや、成長する植物の観察記録とデータを活用して、新しい環境学習を提案。
地域全体の環境モニタリング活用など。
遠隔地域の子供たちがパソコンネットワークを通してデータ情報交換なども行なっています。

世代間交流(お年寄りの聞き取り調査聞き取り調査)

霞ヶ浦は、湖岸線252キロ全てがコンクリート護岸化され、水質悪化などにより、
かつてのような自然豊かな湖ではなくなってきています。
1960年代頃までは、湖の自然が豊かで漁業を営み、子どもたちは四季を問わず湖で遊び、湖との絆が強い暮らしをしていました。
しかし、豊かであったころの地域後との詳細な科学的研究は少なく、当時の自然環境を知る資料がほとんどありません。
どのような自然環境に戻していったら良いのか、指針となる資料が存在しないことが、自然再生事業を進める際の大きな課題でした。
そこで、湖岸住民の記憶にある経験値を自然再生事業に活かす聞き取り調査を行いました。

この調査は、こどもたちがお年寄りを対象に実施しています。
学校では、総合的な学習の時間などで、環境学習や地域学習に役立てられ、子どもたちが地域の自然環境を見つめなおす機会となっています。
湖での四季折々の遊び、暮らしに結びついていた植物や生物など湖の様子を文字や文章、絵で表現することでデータを集めました。
昔はね

脱温暖化・循環型社会形成(バイオマスタウン構想)

バイオマスタウン構想

 

牛久市バイオマスタウン構想とは

地域の人々の参加や子供たちの総合学習の成果を活かしながら、バイオマスを活用する循環型のまちづくりを行う構想です。この構想は、地球温暖化や水質汚濁などの環境問題を解決するだけではなく、農業や観光など地域の活性化も目指します。それぞれが独立しているのではなく循環しているのが特徴です。
アサザ基金は牛久市と協働でこの構想を進めています。植物油を原料にした燃料で、軽油の代わりにディーゼルエンジンに使えるバイオディーゼル燃料(Bio Diesel Fuel 略してBDF)の製造から供給を、牛久市の委託を受けて2009年8月から始めました。

バイオマスタウン構想の取り組み


ナタネの栽培:耕作放棄地を活用して菜の花を育て、油を絞ります

学校給食で使用:牛久市の食材のみで作った「牛久の日」に使います

使い終わった油の回収:学校給食の他、各家庭や飲食店から出る廃油を回収します

BDF化:集められた廃油を牛久市クリーンセンターにあるBDF製造装置で燃料にします

車へ給油:クリーンセンターのトラックやバスなどに使用しています

廃油の回収

現在、廃油の回収は牛久市内の小中学校の学校給食や飲食店、スーパーカスミなど48ヶ所で行っています。
また、市役所や公民館などに回収ボックスを設置し、家庭で使い終わった油を集めています。
毎月3000~4000Lの油が集まっており、BDFを2600~3400L(ドラム缶13~17本)製造することができます。

下根中学校の1年生が作成し、市役所などの施設に掲示したポスター

一般家庭からの廃油回収は以下の施設はで行っています。
牛久市役所・中央生涯学習センター・三日月橋生涯学習センター・奥野生涯学習センター・牛久運動公園体育館・総合福祉センター・牛久クリーンセンター・カスミ 牛久店・カスミ ししこ店・刈谷自治会館
お近くに回収スポットがある方は、廃油の回収にご協力お願いします。

その他に、牛久市内で廃油回収を行っている場所はこちらからご覧になれます。

BDFを燃料として使うとCO2が増えないってどういうこと?

BDFを燃料として使ったときに排出されるCO2は、油の原料となる植物(ナタネ)が大気中から吸収したものなので、大気中のCO2は増えません。これをカーボンニュートラルと言います。
化石燃料(軽油)とBDFを比較すると、1Lあたり約2.6kgのCO2の発生を抑えることができます。

BDF製造装置の製造能力

製造時間・・・約7時間
製造量・・・200L/回
製造率・・・約87%
(油1.2Lで約1LのBDFを製造)

環境教育 (こどもと大人協働のまちづくり)

わたしたちは総合学習を、子どもと大人の協働が創る新たな学習の場と捉えています。
子どもの感性(全体認識など)と大人の知性(分析評価など)が協働することで新しい社会を創ることができると考えるからです。このように、子どもたちの総合学習の成果を活かしたまちづくりに向けた取り組みは潮来市などの他の市町村でも始まっています。

アサザ基金は牛久市内全小中学校を対象に「人と河童が出会うまちづくり」を提案し、2004年4月から牛久市教育委員会と協働で年間を通じて長期・短期・単発の総合学習プランを提供し、様々な立場から地域を見直すことで地域の可能性を再発見し、人と人、人と地域のネットワークを結びなおす取り組みを進めてきました。
子供達の学習意欲や感性を原動力に地域を結び付けてゆくその過程で、福祉・治安・防災といったコミュニティ本来の機能が再生し、自立したコミュニティが築かれてゆくことを目指します。
環境保全の仕組みを自己完結した形ではなく、まちづくりの中にしっかりと位置付けようという取り組みです。

さまざまな学習プログラムを活かし、子供たちとの活動を展開しています。
 学習プログラム集を見る 

学習プログラム事(全国展開事例)

牛久市教育委員会

『人と河童が出会うまちづくり』

山之上谷津田再生協議会・UBS証券会社

トキの住む鹿嶋市を目指して

稲荷山再生協議会

稲荷山公園・八反田 『歌枕の森構想』

生物多様性保全(学校ビオトープネットワーク)

ビオトープの位置づけ

霞ヶ浦再生の担い手として。地域の環境を学ぶ場として。

まず、足元の環境を学ぶ!

学校ビオトープって
学区内のいろんな環境から生きものたちがやってきます。

これらの生きものを観察することで地域の環境を知ることができます。

子ども達の関心を地域の環境へと広げていきます。
※ メダカとタニシだけは最初から入れてもいいことにしています。地域ごとの遺伝子形態が守られるよう、原則として学区内のものだけです。

霞ヶ浦再生に役立てる!

さあ植付け。
ビオトープの水草は、霞ヶ浦湖畔から少しだけ採取して植えたものです。
ビオトープの環境がよければ、水草は勢い良く増えます。
3年もすると水面全体を覆い、他の生きものが住みづらくなるほどです。
生きものの空間を作るために間引き、それを霞ヶ浦に植えます。
小さなビオトープで育った水草と、子どもたちの小さな手が、大きな霞ヶ浦を、うんと元気にしてくれます。
植生帯復元の甲斐あって、生きものは流域にどんどん戻っています。
アサザの由来証明書
※系統保存について
地域ごとの遺伝子特性(=系統保存)を守るため、採取した場所と違う場所に植えてしまって遺伝子特性を乱さないよう、注意深く管理をします。 そのために、由来証明書を発行します。いつどこから何を採取して、どこのビオトープで育てているかが書かれています。

生きものの道ネットワークをつくろう!

~学校→流域→地球~

学校間を結ぶ生き物の道

大型のトンボなどは、隣のビオトープとの間を行き来します。ビオトープ同士はトンボの道でつながっているのです。他にも生きものの道があるでしょうか?どんな生きものが見られたか、観察したことを隣の学校と教えあってみませんか?

流域を結ぶ生きものの道

ビオトープは流域に116にものぼり、それらは大きなネットワークになって流域をすっぽりと包んでいます。
>>学校一覧表

隣の学校だけでなく、流域のほかの学校とも、情報を交換してみませんか?
もっとたくさんの生きものの道が見えてきます。
生きものの道がたくさんあるまちは、生きものにとって優しいまち。
人にとっても優しいまちです。
実際のまちづくりに生かす取り組みが始まっています。
>>牛久市との協働

学校ビオトープ学習から地球を覆う生きものの道へ展開

学区を飛び越える生きものの道が見えたら、もっと大きな、国境も飛び越える生きものの道にも思いを馳せてみましょう。
たとえば、南半球と北半球を往復し、途中で日本にも立ち寄るムナグロ。
立ち寄る先の水辺環境は悪化していたり、戦乱で荒れて、その道は途絶えがち。
でも、ムナグロの道に生きるわたしたちで、道をつなげてあげたいですね。
外国のお友達とも、観察したことや考えを交換しあい、話し合って自分たちのまちに生きものの道を取り戻そうとする仲間を増やしましょう。
世界中で生きものの道がつながれば、地球環境も守ることができます。
思いやりの心で、平和な世界が自然に形作られるでしょう。
そしてもっとたくさんの生きものと暮らせるようになるでしょう。
>>生きものの道地球儀プロジェクト

ビオトープを作ろう

~基本は生きものの体のつくり・くらし・すみか~

出前授業

生きものとお話しよう
ビオトープの役割をしっかりと理解するため、出前授業で勉強をします。
研修を受けたアサザ基金のスタッフが学校まで出向きます。
生きものが暮らせるビオトープは、生きものの気持ちになって作ろう。
そのためには生きものとお話ができなくちゃ。授業を受けると、みんなは生きものとお話できるようになるんです。
受身の知識を溜め込むのではありません。自分が生きものになったつもりで真剣に考えます。

いっしょに作ります

ビオトープ造成
みんなで力を合わせてビオトープを作り、草を植えます。
生きものによって、好む環境は違います。
だから、明るい場所や暗い場所など、できるだけいろいろな環境がある場所を選んで作ります。
池の形も、生きものが気持ちよく暮らせるように工夫します。

観察をし、毎日の学習の成果を役立てます

ビオトープを観察
毎日観察して、やってくる生きものを調べます。
生き物同士の関係を知ることができ、どんな水環境が良いかを考えることができ、生息に必要な環境を学ぶことができます。
来る生きものを調べることで、学区の環境へと関心を広げます。
別の学校や外国の学校と観察結果を交換して、広い規模の環境を考える学習へと発展させることができます。
外来種が入った時にもすぐ対応できます。

楽しい観察日記


ビオトープでは毎日たくさんの子ども達が目を光らせています。
そのため、とても貴重な地域の環境情報も得られるのです。
これにはどんな専門家もかないません。
子供たちは生きもの観察が大好き。
元気に泳ぐメダカ、トンボの羽化、今日はどんな生きものに会えるかな?
観察の報告が、アサザ基金にもたくさん寄せられています。
絵をクリックしてください。