潮来 稲荷山公園・八反田 『歌枕の森構想』
2006年から、潮来市では稲荷山公園を美しい『歌枕の森』にするプロジェクトが始まっています。
プロジェクトの舞台は、潮来市にある稲荷山公園と八反田です。
稲荷山公園は、潮来の水郷地帯を一望することができる観光名所で、国定公園にも指定されています。
また、国・県・市指定の文化財を数多く所有する長勝寺の裏山でもあります。稲荷山の森とお寺が一体となった風景を公園内で楽しむことが出来ます。
かつては、さまざまな文人歌人が訪れ、その自然が織りなす景色の美しさからたくさんの歌が詠まれた場所(歌枕の地)でもありました。
八反田は、稲荷山を水源の一部とする谷津田です。
稲荷山とは連続した立地にあり、カエルやトンボなど森と田んぼを住みかにする生きものたちが行き来する『生きものの道』でもありました。
また、森(稲荷山)に降った雨は谷(八反田)で湧き出し、水はやがて霞ヶ浦へ流れていきます。稲荷山・八反田は霞ヶ浦の重要な水源地でもあるのです。
しかし今、稲荷山の森は間伐や下草刈りなどの管理が行き届かず、荒れています。
公園内は薄暗く、住んでいる生きものも少なくなっています。
稲荷山公園に訪れる人も減り、子どもたちも安心して遊びに来ることが出来ない場所になってしまいました。
また、稲荷山と八反田の間には大きな道路が出来て、森と谷津田の『生きものの道』が分断されてしまいました。
八反田では耕作放棄されている田んぼが目立ち、問題になっています。
そこで、潮来の子どもたちと地元の方々が立ち上がりました。
潮来小学校の子どもたちは、稲荷山の生物調査を始め、再生プランをまとめて、地域の人たちに提案しました。
「かつての美しい景色が望め、思わず一句詠みたくなるような、人で賑わう稲荷山に再生したい!」という『歌枕の森』を目指すプランです。
その提案に賛同した多くの地元の方と一緒に、稲荷山公園再生のために間伐や下草刈りなどの作業が始まりました。
これまでの動き
水源地が再生するまでの経緯と今までの動きをご紹介します。
1 子どもたちは、学習を通してたくさんの生きものが困っていることを知り、稲荷山での生物調査を始めました
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2 調査結果をもとに、稲荷山再生の提案をまとめました
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3 学校のみんなや地域の方に向けて、稲荷山の再生を提案しました。
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4 この提案に賛同した地域の大人の方も協力してくれました!
下草刈り
間伐作業
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5 ロータリークラブの寄付で希望した樹が植えられました
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6 子どもたちの夢が実現に向かって着実に動いています。
継続的に再生していくために、毎年ワークショップが開かれています。
落ち葉かき
どんぐりの苗作り
作業前
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作業後
八反田も再生され、ビオトープとして生まれ変わりました!
冬~春にかけてアカガエルなどのカエルたちが卵を産み、トンボや水中昆虫がたくさん暮らす豊かな場所になっています。