地域団体・行政」カテゴリーアーカイブ

かっぱ大交流会

子どもたちが新しいまちづくりについて提案発表をします!!!

日時:2015年1月31日(土)13:00~15:30
場所:牛久市中央生涯学習センター                                       参加費:無料

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茨城県の牛久市では、こどもたちが総合学習の時間に まちづくりについて考えています。  一年の学習の集大成が 「かっぱ大交流会」です。

今年は市内の全小中学校が、自分たちの地域の特性を学び 、そこから自分たちらしいまちづくりの提案をまとめました。

牛久にファンタジーを感じるには、どうしたらいいんだろ う?
かっぱが通れる道をつくるには、どうしたらいいんだろう ?
どんな町になれば、ずっと住み続けたい町になるかな?

ぜひ、その子どもたちの想いを聞きにきてください。

牛久だけでなく、三重県大紀町七保未来塾の子どもたちも発表に参加予定です。自分たちの町をよくしようと頑張る子どもたちは、全国にいます!

まちづくりに真剣な子どもたちの姿を見て、
負けてられないな!と思わされるはずです。

大学生、社会人のみなさんの参加をお待ちしております!
※学習発表会後には子どもたちとの交流会も予定しています。こちらに参加したい方は、ひと声頂けると嬉しいです 。

アサザ基金 担当者:牧野真弓

 

 

 

秋田、八郎がたに自然を取り戻すために

 

八郎がたのスーパースター 八郎太郎(はちろうたろう)!大きな竜の物語

きみには、好きな物語がありますか。きみは物語を読んで感動したことがありますか。物語には、人々に夢や勇気をあたえる力があります。

秋田県では、かんきょうがわるくなってしまった八郎がたを物語の力で良くしようとしている子どもたちがいます。八郎がたでは、昔のような自然がゆたかできれいな水の湖にとりもどすためにさまざまなとりくみがおこなわれてきましたが、なかなかうまくいきませんでした。多くの大人たちがあきらめかけていたときに、子どもたちが昔八郎がたにいた大切な生きもののことを思い出しました。それは湖に住んでいた大きな竜の物語の主人公、八郎太郎(はちろうたろう)です。

八郎太郎がいたころの湖は、水もきれいで、自然も豊かでした。「そうだ!八郎太郎をよびもどすことができれば、きれいな水も豊かな自然ももどってくるかもしれない!」そこで、秋田の子どもたちは、八郎がたに竜をよびもどす物語を作りはじめました。

 

八郎がたは、日本で2番目に大きな湖でした

八郎がたは、日本で2番目に大きな湖でした。平均の深さが4mととても浅い湖でした。八郎がたには、海からはしょっぱい水が、川からは真水(しょっぱくない水)が流れこんでいました。だから、海の魚も川の魚もいっぱいいました。それはそれは自然の豊かな湖でした。

昔は、八郎がたの水はすきとおっていて、中をのぞくと水のそこからはモグという水草がたくさんはえていて、そこには魚やエビなどがいっぱい住んでいました。モグというのは、水の底に根をはり、水の中でゆらゆらしている水草のことです。八郎がたは、モグがたくさん生えている湖で有名で、まわりに住んでいる人がモグをとってきて畑の肥料につかったり、かわかして綿(わた)のかわりにおふとんにつめたり、いろいろと利用していました。

八郎がたでとれたシジミやワカサギやシラウオは、つくだにに加工されて全国に出荷されるほど人気でした。八郎がたでは、人や生きもの、水などさまざまなものがつながりあってくらしていました。地域の人は、八郎がたをとても大切に、ほこりに思ってくらしていました。そして、大人は子どもに大きな竜・八郎太郎の物語を語りながら伝えていきました。

八郎がたでは「うたせぶね」という船を使って漁をしましたが、これはかすみがうらから伝わったものです。他にも、海に近いことや、広くて浅いことや、魚がたくさんとれた湖だったことなど、八郎がたとかすみがうらはよく似ています。そして今では、八郎がたはかすみがうらと同じように水のよごれやかんきょうが悪くなるなどの問題が起きています。

 

 

ひとびとが竜の物語をわすれてしまいました

八郎がたにゆたかな自然ときれいな水があったころには、竜も物語も元気に生きていました。<八郎太郎物語(リンク)>

八郎太郎は、八郎がたでたくさんの生きものといっしょに幸せにくらしていたそうです。地域の人々は、そんな八郎太郎を八郎がたと同じくらいとても大切にしていました。だから、今でも八郎がたのまわりには八郎太郎をまつる神社(じんじゃ)やほこらが多くあるのです。八郎太郎の物語は大人から子どもへと伝えられていきました。ところが、湖から自然が失われ水がよごれ、人々はだんだんと竜のことも物語のことも忘れてしまいました。

 

八郎がたは干拓されて、八郎湖になりました

多くの人々が竜や物語を忘れてしまうきっかけを作ったのは、湖の干拓(かんたく)工事でした。第二次世界大戦が終わった後、八郎がたでは干拓(かんたく)の工事がおこなわれました。干拓(かんたく)というのは、湖から水をぬいて湖の底を陸地にし、田んぼなどにすることです。八郎がたは干拓され、海と湖の間に水門ができて海からの道がなくなり、淡水(たんすい・海のしょっぱい水が入らない水のこと)の湖になりました。干拓の時に、八郎がたの半分くらいは水辺の自然がこわされてしまい、湖の面積も10分の1くらいに減ってしまいました。名前も「八郎湖」とよばれるようになりました。水はどんどんきたなくなり、最近はアオコが大発生して問題になっています。湖の中にたくさん生えていたモグも今ではほとんどなくなってしまいました。最近はブラックバスなど外国からきた魚がふえてきたために、もともと八郎がたに住んでいたワカサギなどの魚を食べられてしまい減っています。

地域の人々もだんだん八郎がたにも近づかなくなってしまいました。八郎太郎の物語をみんながわすれてしまい、みんなの心の中にいた竜もいなくなってしまいました。

 

みんなで新しい八郎太郎物語をつくろう!

「昔のような美しい八郎がたをとりもどしたい!」地域の人が立ち上がりました。でも大人の人たちが手をつくしてもなかなか湖はきれいになりません。大人たちがあきらめかけていたときに、大人たちに勇気と希望をあたえてくれたのが、子どもたちでした。子どもたちが作り始めた物語の力が大人たちを動かしたのです。子どもたちは「おかえり八郎太郎物語」という物語をつくりはじめたのです。むかし、八郎太郎がいたころの物語が「八郎太郎物語」でした。でも、八郎太郎が一度いなくなってしまったので、今度は八郎太郎が帰ってくる物語がひつようです。「これからは八郎太郎をよびもどす未来の物語『おかえり八郎太郎物語』をつくろう!」と、2004年から八郎がたのまわりでアサザプロジェクトをお手本にした取り組みが始まりました。子どもたちは考えました。八郎太郎にもどって来てもらうには、どうしたらいいのだろう。まず、八郎太郎と一緒にくらしていた生きものたちをよびもどそう。生きものとお話しする方法を学習して、生きものたちから湖をよくする方法を教えてもらおう。

そして、八郎がたの悪いところだけを見るのではなく、八郎がたのいいところを見つけ出して、そのいいところをもっとふやしていこう。そうすれば、八郎がたもきっとよくなっていくはずだ。おかえり八郎太郎物語の主役は、子どもたちです。子どもたちは、夢やそうぞう力があるからです。そして竜や生きものと友だちになれるからです。この新しい物語づくりには、これまでに1万人以上のこどもたちが参加しています。竜といっしょに生きていた昔の人からも教えてもらいました。

 

石川理紀之助(りきのすけ)の教えから学ぶ

子どもたちは生きものとお話しする方法を学習することで、生きものたちがその土地の特色をいかしてくらしていることに気づきました。そして、人間も自分たちの土地の特色をよく知り、生かしてくらすことで、自然をこわさずに生きることができるのではと考えるようになりました。

じつは子どもたちと同じことを考えていた人が、昔地元にいたのです。それは、八郎がたの近くで江戸時代から大正時代にかけて生きた、石川理紀之助(りきのすけ)という人でした。多くの人たちからそんけいされた人で、農業だけではなく自然や土地の歴史、人々のくらしなどさまざまな知識や知恵を持っている人でした。石川りきのすけは、特に秋田の貧しい村を救うために力をつくしました。村を救うためには、決まり事をたくさん作るのではなく、村人が自分の村の特色やいいところを学び、いいところをいかした特産品づくりや村づくりをしていくことが必要だと考えていました。そこで石川りきのすけは、『適産調べ(てきさんしらべ)』ということを行いました。適産調べとは、八郎がたのまわりを中心に、自分たちの村をすみずみまで調べて村のとくちょうやいいところを見つけ出し、それらのいいところをいかしてこれからの村をどうしていくのか、村の人たちと計画をたてていくものでした。

石川りきのすけは今から100年近く前に生きた人ですが、りきのすけの取り組みや考え方は、これから八郎がたをよみがえらせていく方法を考えるときにとても参考になります。りきのすけのように、地元を見直すことで、いつもはあたりまえのものだと思っていたものが宝ものに見えてくることがあります。そうです。人々が八郎がたをよみがえらせる宝ものがすぐ足元にねむっていることに気づき、その宝ものをいかしてこれから八郎がたをどうしていけばいいか計画を立てて実行していけば、きっと八郎がたをよみがえらせていくことができるのです。

 

子どもたちがはじめた、八郎がたのブランドづくり!「子ども適産調べ」

八郎がたの近くにある大久保小学校(今は、大豊小学校になりました)の4年生の子どもたちは、八郎がたに八郎太郎をよびもどすには、八郎がたの環境にいいもの(たとえば、無農薬のお米やつくだになど)を増やしていくことが必要だということに気づきました。そういうものをもっとたくさんの人に知ってもらったり、買ってもらったりしてもらうためには、その「物」を手に取ってくれた人に物が「語りかける」ようになればいいんだ!つまり「物語」です。物が人々に語りかけるようにするためには、物にま法をかけるひつようがあります。子どもたちは物にま法をかけるために、子どもたちの八郎がたへの想いや願いをこめたシンボルマークを作ることにしました。

 

シンボルマークを作る時には、みんなで何度も話し合いました。そして「多数決はしない!」ということを決めました。多数決をしたら、そこで物語が終わってしまうからです。4年生70人が、それぞれいろんな意見をもっています。その意見がぶつかることもありましたが、その時には2つの意見をどちらもふくまれている新しい考え(アイデア)がうまれました。ひとつのマークができるまでたくさん話し合いました。最後に全員が満足するマークができました。このとき、子どもたちひとりひとりが物語の主人公になっていました。

このマークには、たくさんの想いがつまっています。このマークのテーマは「つながり」です。

 シンボルマークロゴ無し

竜も物語も子どもたちの心の中で生きていたのです。だから、子どもたちは物にま法をかけるマークをつくることができたのです。子どもたちの学習はその後もつづきました。5年生になってからは、八郎がたの特産(とくさん)であるつくだににマークのついたシールをはってもらえるように、お店の人にたのみに行きました。シンボルマークの意味を伝えることはなかなかむずかしかったですが、お店の人に想いが伝わり、6年生の時にシンボルマークがはられたつくだにが、道の駅やお店に並びました。子どもたち想いが伝わり、大人たちも動き出しました。2012年には東京の上野駅でも八郎がたを大切に思う人たちが作ったお米や野菜などにシンボルマークを貼って販売しました。東京でも150人をこえる人たちに買ってもらうことができ、物語の輪(わ)がひろがりました。子どもたちが作った物語が本当に人々を動かしたのです。

八郎がたのまわりにあるその他の小学校でも、それぞれの地域の特色を生かして八郎がたの再生を目指す取り組みをおこなっています。そして、新しい物語が次々と生まれています。

このように、子どもたちが主役の八郎がたに竜をよびもどす物語は、たくさんの人の心にひびき、広がっています。物語の力をもっともっと大きくして八郎がたの再生につなげていくために、みなさんもおかえり八郎太郎物語づくりにさんかしませんか。

 

 

秋田の子どもたちへ

秋田県は、高齢化(こうれいか)が日本で1番すすんでいる県です。多くの子どもたちが、大人になると秋田を出ていってしまい人口がへっています。八郎がたのまわりの学校に授業に行っても、子どもたちから「秋田には仕事がないから、将来は県外に出るしかない」という言葉をききます。

でも、これまで「おかえり八郎太郎物語」に取り組む子どもたちの活動を読んできてくれた君は気がついてくれたと思います。自分の住んでいる地域のいいところをもっとよく知って、それらのいいところをいかして多くの人々に語りかけるものを作ることができるようになれば、君にも秋田で新しい仕事をつくることができるし、秋田でなければ作れないもので、全国に発信(はっしん)していくことができるのです。そのような若い人たちがふえていけば、秋田県も八郎がたももっと元気になっていくはずです。未来の秋田をつくっていく主人公は君です。がんばってください。

 

原宿表参道『森の恵・森の風プロジェクト』

2012年3月18日 風船トークvol.5 in 表参道

「息を吹き込む、碧く湿った息を、都市に眠る竜にそうっと」

「原宿表参道 まち歩き・風歩き・いきもの歩き」イベント

「原宿表参道 森の風・森の恵プロジェクト」の一環として、明治神宮の大きな森から街に流れ込む涼風や生き物の道を感じながら表参道を歩き、新たな文脈で都心に潜在する価値の発見を行います。
これまで、原宿表参道に眠っていた魅力や価値を掘り起こしていくために、明治神宮の森から広がる風の道や都市の中を移動する生きものたちの道、コンクリートジャングルに潜在する里山、欲望のデザイン、これらの魅力や価値とともに土深く眠る竜、など様々な文脈で原宿表参道という都市空間を読み解いてきました。
そして、魅力に気づいてもらうことから生まれる都市と自然が共存する新しいライフスタイルやブランドづくり等をとおして、竜を目覚めさせ、表参道の未来図を描いていくことを目指しています。

風船トークvol.3「都市のノマドたちが里山の竜をよみがえらせる」
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日時:2011年2月9日(水)19:00~21:00(開場18:30)
場所:アップリンク・ファクトリー
参加費:一般2500円 学生2000円(1drink込み)

等々力 政彦(トゥバ民族音楽演奏家)
飯島 博(NPO法人アサザ基金 代表理事)

心に浮かんだ言葉を自由に語り合い、都市に眠る竜を目覚めさせるトークショー。
これまで明治神宮の森から広がる風の道や都市の中を移動する生きものの道、コンクリートジャングルに潜在する里山、欲望のデザイン、これらの魅力や価値とともに土深く眠る竜、など様々な文脈で原宿表参道という都市空間を読み解いてきました。
第3回目の開催となる今回は、風を感じ、地形を読み、生きものや自然と対話し、管理された空間を越境するノマド(遊牧民)の文脈で都市を読み解きます!
等々力政彦さん(トゥバ民族音楽演奏家)をゲストにお迎えし、南シベリアの民族音楽と共に、トークとライブで都市の竜を目覚めさせる物語を紡ぎます!

■等々力政彦さんプロフィール
トゥバ民族音楽演奏家。10年以上にわたり南シベリアで喉歌(フーメイ)などのトゥバ民族の伝統音楽を現地調査しながら、演奏活動をおこなっている。あがた森魚、朝崎郁恵、安東ウメ子、EPO、OKI、押尾コータロー、古謝美佐子、大工哲弘、Huun-Huur-Tuなど内外のミュージシャンと共演、およびアルバム参加。嵯峨治彦(モンゴル民族音楽)とのユニット「タルバガン」、OKIのFar East Bandで活動。

表参道を起点に都市空間を「生きもの」や「風の道」といった新たな文脈で読み解きながら、都市に潜在する意味や価値、そして竜たちを浮上させていくトークセッション。毎回、表参道に関わる様々な人々と共に、自由で創造的な雰囲気の中で語り合い、物語を紡いでいきたいと思います。都市に眠る竜たちをめざめさせるプロジェクトに、ぜひご参加ください。

原宿表参道 まち歩き・風歩き・いきもの歩き 2010.秋
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日時:2010年10月17日(日) 午前の部 10:00~/午後の部 15:00~
(雨天時は10月24日に延期します。)
 場所:神宮橋(原宿駅「表参道口」から明治神宮へ向かう途中にある橋)に集合し、表参道界隈を自由に歩いていただきます。
 参加費:無料
風船になぐらし(沖縄県多良間島の子ども達のメッセージが入ったサンゴのかけら)をつけ、原宿表参道のまちを風にのって歩きます。
途中で出会う生きものたちが、風の道を教えてくれるかもしれません。
明治神宮の森から広がる生きものの道、風の道に関して、お店の人やまちで暮らしている人達から聞き取りなどを行います。
そして、風の道・生きものの道を都市に広げて行く方法を考えます。

表参道・原宿の子どもたちと野外観察!


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原宿表参道・森の恵み・森の風プロジェクトの一環として、2009年から毎年夏に、表参道に位置する小学校の子供たちと野外観察を行っています。
表参道をはじめ、原宿、明治神宮など、東京の大都会を毎回約10名の子供たちと一緒に生きものの目線になり見直します。
するとそこには今まで気づかなかった、明治神宮、代々木公園からつながる生きものの道が見えてきます。

2009年7月30日
学校に集合した子ども達は生き物好きのつわものぞろい!
開始早々けや木通りで、虫取り網とかごをもってあるいていると、なんとカブトムシを発見!子どもも大人もみんな大興奮!
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8月19日
この日はけや木通りで虫取り網の中にヤモリが!前回のカブトムシに引き続き、思いがけないサプライズにみんな大興奮!
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8月25日
この日は表参道から 原宿を通り、東郷神社へと向かいます。
原宿では道路の下を流れているという渋谷川の音に補聴器を使って耳をすませます。川の流れる音は聞こえたかな?
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東郷神社では、水辺を好むコシアキトンボを発見!たくさんのセミのぬけがら集めました。
3回の野外観察の中で、まちを違う目線で見つめなおすと、自然とはかけ離れた世界のように思っていた原宿、表参道には、明治神宮から生きものの道、風の道が広がっていることがわかりました。
そして何より子供たちの感性のするどさには感動しました!スタッフが下見をした際は、まったく生き物を見つけることができなかったまちで、子供たちは次々に発見をしてくれました。

今後プロジェクトは多くの人を巻き込んで展開していく予定です。皆様こうご期待を!

原宿表参道『森の恵・森の風プロジェクト』

原宿表参道まちエコキッズ・ネットワーク

・NPO法人アサザ基金
http://www.asaza.jp/
Tel: 029-871-7166 Fax: 029-801-6677 mail: asaza@jcom.home.ne.jp

・(株)ジャパンエリアマネジメント
http://areamanagement.jp/
Tel: 03-3835-4506 mail: info@areamanagement.jp

・商店街振興組合原宿表参道欅会

原宿表参道まちエコキッズ・ネットワークへの参加お願い


この「原宿表参道まちエコキッズ・ネットワーク」は原宿表参道を舞台に多くの方に関わっていただきながら、竜動的に展開、発展していくネットワークです。
ぜひネットワークへご参加ください。

・プロジェクトスポンサー
資金面でのサポート(プロジェクト全体、もしくはイベントごと)
 風船広告への協賛
・プロジェクト運営スタッフ
イベント運営スタッフ(MAPの作成、ポスター、チラシ作成、当日運営等)
協力者のご紹介
プロジェクトの展開にあたり、ご協力いただける方がいらっしゃいましたらご紹介ください。
・地元の方のご協力
 表参道の昔のようす(歴史やくらし)や、生きもの、森のことを教えてください。
 イベントスペースのご提供、ビオトープネットワークへの参加
・沖縄との連携協力
多良間島の黒糖を使ったメニューの開発・販売
・広報
イベントの告知、参加者の募集
プロジェクト運営スタッフの募集

原宿表参道まちエコキッズ・ネットワークにご興味を持っていただけましたら、アサザ基金までご連絡ください。
皆さまのご意見、ご提案等お待ちしております。

原宿表参道『森の恵・森の風プロジェクト』

原宿表参道 まち歩き・風歩き・いきもの歩きイベント開催

風船トーク「まち語り・風語り・いきもの語り」@アップリンク・ファクトリー

都市に竜が眠っている。
新しい物語をつくるのに、
鎖につながれた言葉はいらない。
まちになって、風になって、
生きものになって、
ふわふわと心の動くままに、感じたままに、
思い付いたままの言葉を
細い糸を頼りに
宙に浮かべながら竜動的に語り合う。
それが風船トーク。

表参道を起点に都市空間を「生きもの」や「森の風」といった新たな文脈で読み解きながら、都市に潜在する意味や価値を浮上させていくトークセッション。
今回は8月16日に渋谷UPLINK FACTORYにて初の風船トークを開催しました。
代々木の森を抱くように横たわる昔の谷地形(谷津田)に位置するUPLINK FACTORYから、都市に眠る竜たちを目覚めさせるプロジェクトが、いま動き出しました!
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登壇者:飯島博(NPO法人アサザ基金 代表理事)
西本千尋((株)ジャパンエリアマネジメント 代表取締役)
村越義人(流石組プロデューサー)
本條 晴一郎(東京大学東洋文化研究所特任研究員)
場所:UPLINK FACTORY(アップリンク・ファクトリー)(渋谷区宇田川町37-18 トツネビル)
主催:原宿表参道・まちエコキッズ・ネットワーク
共催:商店街振興組合原宿表参道欅会

ふわふわと心に思い浮かんだ言葉を浮かべながら語り合うこの空間には、ステージと客席の間に壁はありません。
参加者と登壇者が一体にになった創造的な雰囲気の中で、いままでにないトークショーに皆さんもスタッフも一緒に非常に楽しみました。

風船ウォーク「まち歩き・風歩き・いきもの歩き」

風と一緒に歩けば、いつもと違う何かが、意外な出会いが待っているかもしれない。
東京都心の大きな森、明治神宮から真夏のコンクリートジャングルに流れ出す幾筋もの涼風。
今回8月21日に行われた風船ウォークでは、その森の風を案内人に、風やトンボと一緒に「動き」そのものになって、まちを歩いてみることから始めました。

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当日は地元の原宿隠田商店街会長の佐藤銀重さんや、表参道に住む昆虫の専門家石川良輔さんによるお話をまじえ移り変わる原宿表参道の様子や、生きものがにぎわう昔の様子などを知ることができました。
そして、なんと東郷神社では都心部では姿を消したといわれていたハグロトンボ(涼しい場所を好み里山の清流に住むトンボ)を大発見!きっと明治神宮の森の恵の中で生き残っていたのですね!
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他にも参加者の方のたくさんの発見や感想をご紹介します!
・気持ちのいい風を感じました。神宮の森からの風や水の流れるいい町ですね。竜神様が守ってくださっています。生きもの達もたくさん見られました。すばらしい地域を大切にしていきたいですね。
・今日はありがとうございました。普段何気なく歩いている場所でしたが、確かに風を感じました。風と共にたくさんの虫たち!バッタや蝶を発見!トンボも!小さい頃や山などでよく見た虫たちで、まさかこんな街の中でも元気に生きているとは!感激ですっ!これからはもう少し自分にも「風の目」をつけようと思いました。
・原宿は風の街。トンボもチョウも風にのって涼しく楽しんで街を行く。歴史と自然と人と、奥が深いぞ原宿は!
・護岸の跡がいろんなところにみられました!川に会いたい。
・風が谷に沿って流れているなんて知らなかったし、あんなに沢山の生き物達がいるなんて驚きでした。ちょっと注意を払わないと、まったく気付かない様なことが身の回りには沢山あるんだね。そんなことに気付けたのも嬉しかったです。

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風船トーク、風船ウォークあわせ約80名の方に参加頂き、原宿表参道というコンクリートジャングルに眠る竜を、人々の心の中に潜む竜を、目覚めさせる物語が今動き出しました!
風船トーク、風船ウォークともに次回は10月に行う予定です!
ぜひみなさんも一緒に小さな物語紡ぎませんか?

原宿表参道『森の恵・森の風プロジェクト』

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脱温暖化・生物多様性保全に向けた価値創造的な取り組みのネットワーク展開
水墨の森から滲み出す水を、たっぷり筆にふくんで描く、水彩の街そして都市

1. もしも、明治神宮の森がなかったらどうなるだろう?想像してみよう。
東京都心のヒートアイランド現象は?みんなの暮らしは? 東京都心を明治神宮の大きな森が涼しくしてくれている?!
神宮の大きな森は、きっと真夏に涼風を街に送ってくれているにちがいない。
その涼風の通り道はどこにあるのかな?そして、どこまで涼風を広げていけるのだろうか。
森の風や生き物達と対話しながら、都市の中の自然の恵みを感じ取り、神宮の森の恵を活かした未来のまちづくりやみんなの暮らし方を考えていこう。

例)地球温暖化やヒートアイランド現象、地域の自然環境、環境技術などについての出前授業を入口に、地球環境と地域環境のつながりを理解する学習。まず、明治神宮周辺半径2㎞内の小中学校を対象。

2. 風の道、神宮の森から街に流れ込む涼風(森の風)は、どこをどう流れていくの?どうしたら、涼風が流れる道が見えるようになるのだろう?
地図で調べる、衛星画像を見る、温度計やセンサーで測るなど、いろいろあるかもしれない。みんなで森の風をもっと見えるように、もっと感じられるようにしてみよう。

例)いろいろな場所で気温を測る、風船や線香などを利用して風の流れを調べる学習やイベント。衛星画像から森の恵(新しい文脈)を読み取る学習。ネットワークセンサーを各ポイントに設置して、気温や風の変化を把握し、多くの人々に知ってもらう。

3. 生き物の通り道、生き物達は神宮の森から吹き出す涼風を見つけて暮らしているかもしれません。
森の風を見えるようにするために、生き物とお話しする方法を覚えよう。暑い日は生き物達も暑さを避けて涼しい場所を探しています。
身近な生き物達を調べて森の風を探してみよう。生き物の道・森の風マップをみんなでつくろう!生き物達が新しい暮らしやまちづくりのヒントを与えてくれます。

例)身近な生き物や環境を調べる総合学習や理科学習、観察会、アンケート調査の実施。神宮の森や周辺の生物の生息状況についての現況調査。

4. 昔の風の道や生き物の道は、神宮の森からどこまで広がっていたのでしょうか。 森の風や生き物達の道は、今と昔ではどう変化したのでしょうか? 昔は今ほど街の中は暑くなかったとよく聞きます。昔はもっと街の中で生き物に出会ったそうです。
昔の様子を知ることで、私達が行うこれからのまちづくりの目標を考えることができます。
同時に、昔の暮らしを知ることで、森の風を活かした暮らしの知恵を学ぶことができます。

例)世代間の交流をはかる総合学習やイベント。年配の方々から小中学生が聞き取りを行う。アンケート調査を行う。迅速図などの昔の地図や写真、絵などを活かす。

5. 神宮の森の恩恵を感じることで、今まで見ていた街の風景が違って見えてくるはずです。 森の風や生き物達との対話をとおして、都市に暮らす人々も神宮の森の恩恵に気付くことができます。そして森の恵み(涼風や生き物)を活かした暮らし方やまちづくりを考えることができます。
表参道欅並木が森の風や生き物達の通り道に見えてくるかもしれません。地形を見る目も違ってくるかもしれません。
地域に眠っていた価値にみんなが気付き、その価値をみんなでもっと大きく広げていく取り組みをとおして、脱温暖化や脱ヒートアイランドに向けたライフスタイルの確立やまちづくりへの意識を高めていきます。

例)表参道欅並木は、神宮の森から都市空間にのびた一筋の緑の道。森の恵みを都市全体に広げていくための導入線。
欅並木のエコロジカルな機能を高めることで、都市全体に分布する潜在的な資源を浮上させ、エコロジカルネットワークの構築へと人々の目を向けさせる。
都市にエコロジカルな文脈を展開する起点であり、大きな森と都市を結ぶ線(導線)である欅並木を、自然と対話する都市に向けた価値創造の場(ブランドづくり)として位置付ける。

例)竹下通りは神宮の森につながった谷地形→森からの涼風が流れ込みやすい場所。ここに集まる若者達にも、神宮の森の恵みを感じてもらう。若者達のやり方で活かしてもらう、表現してもらう(見えるようにしていく)。そして、森の恵み・森の風を感じたら、夏にはエアコンの温度設定を少し高めに、そして、時々は窓を開けて見よう。

6. 明治神宮の森に湧く水を活かそう!清水を暗渠に流すなんてモッタイナイ。
今は大半が暗渠になってしまった渋谷川の水源のひとつが神宮の森の中にあります。
神宮の森が都市に残された貴重な水源であることを忘れていませんか。
神宮の森の恵みである清らかで豊かな湧き水を活用して、森の風や生き物達の通り道としてのケヤキ通りの機能を高めていきます。

例)神宮の森の水を採水し、散水車で欅並木の車道に散水する。周辺の気温上昇を抑える。森の風が流れやすくなるようにする。欅並木の生育環境を改善する。生物の生息しやすい環境をつくる。さらに、旧渋谷川に沿って道路に散水する。
清正井(水源)の水を使って、欅並木の歩道に打ち水イベントを行う。参加者のTシャツに里山の生き物達の写真や絵をプリントして、プロジェクトの目的をアピールする。将来的には、導水管で神宮の森から欅並木に水を送り、坂道の傾斜を利用して歩道脇に水場や小川を設置する。車道にも導水管から水が散水できるようにする。

例)竹下通りの入り口付近に手動のポンプを設置して地下を流れる神宮の森の水(旧穏田川)を汲み上げられる場所をつくる。汲み上げた水で竹下通り近くの原宿駅や車道・歩道に打ち水を行う。ここを訪れる若者達がいつでも自由にボランティアで打ち水を行えるようにする。

7. 森の風と生き物達の道を都市全体に広げていくためには、どうしたらいいだろうか。
神宮の森の周辺にある各小学校で森の風や生き物の道を活かしたまちづくりや暮らし方を学ぶ総合学習を行っていけば、子ども達の夢の広がりと共に自然とネットワークが展開していくかもしれません。ここから新しい物語が始まるかもしれません。
明治神宮周辺の小学校と霞ヶ浦で自然再生の取り組みを行ってきた石岡小学校等との交流を行い、当モデル事業の他地域への普及をはかります。

例)周辺の各学校にビオトープをつくり、集まる生き物を観察することで、地域の生物供給ポテンシャルを把握する。生き物をとおして地域と神宮の森のつながりを探る。生き物の目をとおして、地域の課題と潜在的な資源を見つける。霞ヶ浦での湖や水源地・谷津田の自然再生や小中学生の活動現場を見学し、地元の学習や活動に活かす。

8. 温暖化防止に向けた数値目標の身体化。
無味乾燥な数値目標から始まる取り組みではなく、地域の空間の文脈化や人々の生活文脈をとおして、数値目標を身体化していく取り組みをめざします。

例)森の風や生き物の道を広げ、森の恵を活かした暮らしやまちづくりを実現させるために必要な地域資源の空間配置や取り組みの空間展開を絵図に表現してみる学習。実現に必要な地域の人々のつながりをネットワーク図に表してみる学習など。取り組みの広がり(空間やつながり)によって、一人ひとりの脱温暖化への取り組みが重なり合い大きな効果(数値)に結び付くことを実感する学習。
省電力や3Rなどの取り組みもこの文脈の中で価値に変換され、価値の共有化としてより効果的に普及できる。

9. 表参道にエコロジカルネットワークの起点としての新しいブランド価値を創出する。
明治神宮の大きな森から街に流れ込む涼風や都市に広がろうとする生き物の道があることに、みんなが気付くことができる場、それが原宿表参道です。ここは環境の時代の新しい文脈が生まれ価値が創造される場です。
ここから付加価値の連鎖を都市全体に広げていきます。
ここを訪れる多くの人達に、神宮の森の恵みを感じてもらい、その価値を共有してもらうことで、都市に新たな文脈(物語)を創り上げるための様々な社会実験を行うことができます。

例)未来の表参道欅並木は・・・・。地域の潜在的な可能性を表現する未来図づくり。
並木に沿って小川が流れ、森の風の中をトンボや蝶が飛び交い人々も行き交う、青山通りの交差点で信号を待つ人々を表参道から吹き出す涼風が迎える。
未来の表参道を想像してみる。ここから始まる価値創造的な取り組みが、付加価値の連鎖をとおして、東京の未来図へと展開していく。
原宿表参道は、人々が新しい価値と出会う街。そして、新しい価値が生まれる街。
格好いいエコやおしゃれなエコ、可愛いエコがここから始まる。

10. 表参道から始まる物語(エコロジカルな文脈が都市に広がる)
表参道欅並木は、自然と対話する都市への道・・・・水と風で描く新しい都市。
脱温暖化の取り組みが、これらの文脈(物語)の中で、新たな価値を創造する取り組みへと転換され、多くの人々が共有する地域の価値(ブランド)の創出へとつながります。

明治神宮の森から滲み出し、都市へと広がる物語。

○森の恵みが見えるようになる。
○涼しい風の道が見えるようになる。
○生き物達の道が見えるようになる。
○みんなの思い出が見えるようになる。
○みんなの想いが見えるようになる。
○みんなの可能性が見えるようになる。
○眠っていた価値が見えるようになる。
○都市の未来が見えるようになる

もちろんその過程で様々な問題も見えるようになるが、それらの問題を乗り越える新たな価値も次々と見えるようになる。

「原宿表参道Eco*Avenue MOVEMENT 21」
2008年12月16日
NPO法人アサザ基金   代表理事 飯島 博

小学校環境教育出前授業

シャープ株式会社・気象キャスターネットワーク協働事業
「小学校環境教育出前授業」

2008年10月からシャープ株式会社NPO法人気象キャスターネットワークと協働事業を行っています。
地球温暖化防止に取り組むと同時に、自然と共生するまちづくりにも視野を広げる学習プログラムを全国各地で展開しています。

3者協働出前授業 概要

●学習テーマ
・「地球温暖化と生態系保護とリサイクル」
・「地球温暖化と生態系保護と新エネルギー(太陽光発電)」
●実施対象 全国の小学生4年生~6年生

子どもたちが主役の地球環境を守るまちづくりを全国展開!

地球環境問題は非常に重要な課題です。
温暖化や生物多様性の消失など地球環境問題は、全世界で非常に重要な課題です。
2008年7月の洞爺湖サミットが開催され、『2050年までに温暖化ガスを少なくとも50%削減すること』を世界全体の目標としました。また、環境問題はさまざまな要因が複雑に絡み合って起きています。
よって、それぞれ個別の問題としてとらえて対策を実行するのでは解決は期待できません。

子どもたちが主役の地球環境を守るまちづくりを全国展開!

私たちは、地球温暖化防止、循環型社会構築には地域に根ざした取り組みが不可欠だと考えています。
そこで、この事業ではまちづくりを通して環境問題に取り組んでいきます。その推進役は、子どもたちです。
未来を担う子どもたちの豊かな発想・感性を活かした学習からまちづくりを展開してきます。
そして、この地域ぐるみの活動が全国各地で展開していくことで、地球温暖化防止を実効のあるものにしていきます。
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下根中学校でCO2削減をテーマに取り組む学習を進めています

牛久市の下根中学校で、すでにこの協働授業を実施する計画が進んでいます。

下根中学校は、CO2削減をテーマに学習に取り組んでいます。牛久市で進められている『牛久市バイオマスタウン構想』と子どもたちの学習を連携させて、授業を行います。(牛久バイオマスタウン構想についての詳細はコチラ)生徒たちは、授業を通して牛久市バイオマスタウン構想の推進役として何ができるのか提案していきます。

下根中学校の学習プログラムは以下の通りです。

学習プログラム「循環未来図づくり ~牛久発見プロジェクト~」
1 「地球の中の牛久」発見! (気づき)
2 「牛久のお宝」発見!   (気づき2)
3 「牛久の可能性」発見!  (深める)
4 「牛久の未来」発見!   (提案する・問題解決)

※詳しくは、コチラ (PDFファイル)を参照

子どもたちは、牛久には眠っている遊休農地や廃油などお宝(資源)があることに気づきます。その後、昔の里山文化の資源の循環や知恵を地域の方から聞き取りをして、昔の里山循環図をつくります。また、現代の技術やシステムを調べ、実際にその技術を牛久に導入した場合の検証を行います。最終的に、牛久の特性にあった牛久ならではの循環型社会モデル構築を目指します。

また、この授業ではひまわり栽培を行い、資源の循環を体験します!

子どもたちと一緒に6月にひまわりの種を蒔き、育て、10月には出来た種を収穫します。ひまわりの種を絞って、油をとります。その油を使用して調理実習を行い、そこで出た廃油をバイオディーゼル燃料にします。

これは牛久市バイオマスタウン構想の中で、ナタネを利用して考えられている循環と同じものです。
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ひまわり栽培を通じて、バイオスタウン構想で計画している事業を実際に体験し学習します。

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授業の様子

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潮来ジャランボプロジェクト

活動のキーワードは協働です

環境問題をめぐり、ともすれば対立関係になりがちな住民と行政(問題によっては企業も)間を、地域総参加という視点から協力関係で結べないか、また地域づくりは行政に依存していた住民が、持っている知恵と力と行動力を行政や企業に逆に働きかけて主体的に環境改善活動を担っていけないか、更に保護や維持にとどまらず、失われた環境の回復や向上につながる活動ができないか、この3点を潮来ジャランボプロジェクトは、水辺の再生に取り組む活動理念としました。
これは飯島氏らのアサザプロジェクトの理念に共感し、潮来に合った形で具現化したものです。
これから後アサザプロジェクトは更に漁協や森林組合など流域全体に活動の輪を広げ、100年後に朱鷺が舞う霞ヶ浦・北浦を、という壮大にして戦略的な未来を描き、このあと流域のほとんどの小学校と延べ10万人を超える人々が活動する形で運動が展開していくのです。

利根川水神様前・前川へアサザ植え付けを地域総参加で

(1997年6月、9月)  活動は手探りで始まりました。
1997年(平成9年)6月、十番のアサザステーションで育てたアサザの苗を特注の水中鉢植え器具へ移植し前川へ沈めました。
垂直護岸でアサザの繁茂には適さない水深の前川に何とか水生植物を植えようという苦心の方法です。
建設業組合、潮来遊覧船組合も参加しての作業でした。
この作業と並行して、さまざまな形の参加を得て利根川にアサザを植える計画を進めていました。
場所はJR高架橋の下、水神様前とし建設省の手で埋め立て工事をして浅瀬を造りました。

9月4日利根川に潮来と日の出小の5年生全員が集まりました。
送迎バスにホテルの車も用意され建設業 従業員の波消しづくりもすすみ、子供たちの歓声の中植え付けが終了しました。
建設省・県・町、建設業、小学校、遊覧船組合、観光協会、商工会、スーパーなど総参加者は256名でした。
住民主導で行政と企業・団体、住民を結ぶ環ができたのです。

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【1】前川に植えられたアサザ

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【2】水神様前の利根川。潮来・日の出小の5年生の植付会

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【3】徳島小の植付会 すぐにザリガニに苗を切られ失敗。 このことがトンボ公園案につながる

■ 夢がふくらみビオトープ(トンボ公園)づくりに発展

(1997年9月~1998年5月)  1997年9月20日、徳島小学校全校生徒により徳島園地の一角にアサザが植えられました。
春先より校庭の池で育てられた苗が育ちこの日を迎えたのです。
(延方・大生原小は、神宮橋アサザ群落が新神宮橋建設により損なわれる恐れがあることから、北浦湖岸に代替措置で植付け場所が設置され、そこでの植付会が行われています)
ところが徳島小のアサザは翌日には大部分の苗が浮いてしまいました。
数年後はっきりと原因がわかたのですが犯人はザリガニでした。
この時、植付地調査のときから飯島氏にビオトープの好適地と評価されていた徳島園地を、ビオトープにしようという計画が急浮上したのです。

■ 徳島園地がビオトープとしてよみがえる

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徳島園地は昭和62年県と町との間で整備に関する覚書が締結されました。
河川敷に環境庁による補助事業として国と県の折半で水生植物園(アヤメ園)をつくり、観光の新名所として年間80万人程度の新しい客を呼ぼうというもので平成5年にオープンしました。
ピクニック広場も併設した24,500平米の公園で、アヤメも植えられ地元や学校からミニサッカー場などの整備も要望されました。
しかしアヤメの栽培には水はけが悪く不向きで、荒廃しかかっており、トイレ・電気設備もなく利用度の低い河川敷でした。
しかし霞ヶ浦流域では貴重な河川敷で、しかも霞ヶ浦(西浦)と北浦の合流地点の外浪逆浦(ソトナサカウラ)に面して扇の要の位置にあり、水の要所です。
飯島氏は徳島園地をビオトープづくりに最適な場所と見たのです。
スケッチ程度の案を建設省霞ヶ浦工事事務所に持っていくと、戸谷所長の英断で積極的な応援を得られました。
霞ヶ浦をとりまく状況と国行政をよく知る人は一様に仰天しますが、地元住民の熱意と、自然と生き物を知り尽くす飯島氏の計画を戸谷所長は、霞ヶ浦には今こそ必要と飯島氏とは異なる感性で判断を下したのでしょう。
これを起点にアサザプロジェクト運動は更なる展開をし、今や全国の環境NPO活動の最前線にいます。

ジャランボプロジェクトはすばやく次の行動にでました。
潮来町に持ちかけ、議員・学校・地元住民・ジャランボで協議会が作られ、案が更に具体化していきました。
建設省には「水辺の楽校」登録を要望し、開園後の6月認められています。
この楽校は優れた水辺整備の構想をもつ市町村を登録し、行政と市民・ボランティア団体が協議会をつくり水辺の学習計画を立て活動するのを支援しよう、というものです。
98年に入ると更に計画は煮詰まり、2月には地元住民と建設業者80名が参加し江間が掘られ、ハンノ木が植えられ、全小学校でアサザ・オニバスなど水生植物が育成されることになりました。
3月末には工事業者が決定し早速綿密な打ち合わせが行われ、4月8日より着工されました。

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開園後の徳島小の水辺の観察会をNHKが取材。生徒に囲まれた東ちづるさん

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新しく掘られた江間の概観です

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鹿島臨海鉄道寄贈の枕木を使って地元住民、議員による橋づくり

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工事は順調に進み、4月11日江間掘りで余った土砂でカワセミの営巣地を作り始めると、未完成の19日には待ちきれないように巣作りの穴を掘り始め、急きょヨシズで野鳥観察所を作りました。

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通水テスト、看板づくり、小学校との打ち合わせも終了、万事万端整って5月10日の開園式を迎えました。

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大江間の水辺に立てられたトンボ形の看板に描かれた 飯島博氏による河童

■ 利根川水神様前・前川へアサザ植え付けを地域総参加で

■ 98年1月より5月10日の開園までに要した費用と人手の一覧

要した費用 作業参加者 無償提供されたもの
野鳥観察所よしず、ペンキなど 71,895
事務用品、計画書印刷代など 34,785
胴長・エンピ、鎌など備品 52,275
苗育成用バケツなど植栽資材 108,704
食事・茶菓子、保険、通信、写真代 74,137
作業参加者  454名
打ち合わせなど 70名
ユンボ、ブルトーザー、トッラク、トラクターなどの重機
おにぎり、弁当、シジミ汁、茶菓子、飲み物など食料品
公園作りのノウハウ、調査など
スダジイなど樹木多数
合計     341,796 合計  524名

トンボ公園の役割
飯島氏は設計段階で、トンボ公園という名のビオトープに5つの機能を取り入れました。
1水質浄化(潮来方式と呼ぶ)
湖水をポンプアップし、水路や水深の浅い・深い水域を通して効果よく浄化し湖水に戻す。
食物連鎖網と多様な水環境の連鎖系による自浄作用の仕組みを生かした水質浄化を図る。
2生物多様性の保全
アサザ、ガガブタ、オニバス、ミクリ、田字草など絶滅の恐れのある植物を栽培し、湖に戻す供給基地とする。
また植物栽培によって多様な生物の生息環境を保全する。
3水産資源の保護
湖と池・江間の温度差で移動と産卵を促す。
浅い水面はプランクトンが大量発生し、仔稚魚のエサとなる。
魚は汚濁の原因物質をエサにし水質を浄化する。
観光資源(景観づくり)
珍しい花々(②の植物のほかにミズアオイ、コウホネ、カキツバタなど)やトンボ、小魚とり、心なごむ水辺の風景など、ゆったりと時間が流れる場。
エコツーリズムの最適な場。
環境学習の場
魚の産卵などの観察、トンボ捕り、水質調査、水草の植え付け、ドロンコ池での遊びなどを通して水質浄化のメカニズム、環境と生き物との関係など総合的な学習が身につく場

潮来方式と呼ぶ水質浄化は特別な方法ではありません。
川や湖が持っていた 浄化能力(自然治癒力)を取り戻すため、手助けする方法です。
水面に所せましと葉を広げるアサザは、水質汚染の大きな原因である窒素・リン を栄養として取込みます。
その一方でアサザは蛾など虫たちのよき餌であり水鳥 たちの食料でもあるのです。
つまり、アサザなど水生植物によって大量に吸い上げられた水中の窒素・リンは 虫や鳥たちによって陸地に運ばれ水質の浄化につながるのです。
トンボもヤゴの 時代は水中で過ごし、陸上に移動し鳥などの餌となり食物連鎖の働きとなります。
変化に富んだ多様な水辺の環境と、そこに適応した多用な生き物をはぐくむこ うした機能を、本来川や湖は持っていました。
すなわち生物が生まれ育つのに好適 といわれる浅く複雑な水辺環境です。
霞ヶ浦がコンクリート護岸で覆われる前までは潮来でも見られた景観です。
この水辺を再生することが潮来に水郷の景観と、豊かな自然を取り戻すことになるのです。
私たちが目指すもの、それが「水辺の再生」です。

■ 公園管理の楽しみ

建設省・潮来町・協議会(ジャランボ)三者はトンボ公園の機能を高めていくため管理協定を結びました。
ポンプの維持や大規模な補修は建設省、江間の大規模な補修などは潮来町、各池・水路・分水施設(水口)の日常的管理、樹木や園路の管理、アサザなど水生植物の育成、水田などはジャランボの役割で、市民団体が協定に加わることも画期的なことと評価されました。
開園後数回の手直し工事もジャランボの要請を受けて建設省が行い、今も市民が中心となって公園を育て行政がそれをバックアップする形が続いています。
さまざまな人々が トンボ公園を舞台に さまざまに楽しんでいます。
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■ 管理は1年中をとおして行われます

5月の開園準備からカキツバタ、コウホネ、アサザ、オニバス、ミズアオイと続く花の季節は多忙です。
黙って公園の草刈をしてくれる方、花を見て喜んでくれる方、子供の歓声、小鳥のさえずり、鯉、フナののっこみなどは管理する上で喜びです。
自然の恵みを感じるからです。
反対にゴミを捨てる人、鯉釣り用に江間のタニシを根こそぎ盗む人、外来魚(ブラックバス)を池に放す釣り人、音楽など大きな音を平気で立てて鳥たちをおどかす人など、心無い人の行為はさびしいものです。
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ウキヤガラという抽水植物を抜くボランティアの筑波大、玉川大学生
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日本古来のカキツバタ
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公園で早めに咲きだすコウホネ
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水辺の再生運動を象徴するアサザ
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田の字のデンジソウ
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ネムノキ
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葉が1mを超えるオニバス
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夕方カワセミ田の稲につく水滴。昔はサルコと呼ばれ、サルコがでたから作業終了という合図になったそうです。
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一面の紫でトンボ公園の人気花ミズアオイ。上手に咲かすのも難しい花
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雪の公園
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除草と撹乱を起こし土中の種子の芽出しを促進させるためトラクターで耕起

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麻生富田のアサザ群落 

■ 市民に愛され、各地から注目されています

公園は散歩や子供たちの遊び場として市民に利用されています。またビオトープとして学習の場に利用したり、見学に訪れる方も大勢います。
WWF(世界自然保護基金)やJICA(国際協力機構)関係で東南アジア、 アフリカなど海外から、国内では沖縄から宮城まで、職業も研究者・学生、国・県・市会議員、弁護士、行政職員、小学校、幼稚園、老人大学、市民団体などさまざまです。
事務局で記録している日誌を数えると、7年間で100件、2500人を超える人が来園されています。
アサザ基金の100年構想の最終目標は「朱鷺(トキ)の舞う霞ヶ浦」ですが、朱鷺保護活動している佐渡からも来ていただきました。
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イギリス出身の作家で環境保護活動家のC・Wニコルさんを囲んで
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衆議院議員小宮山洋子さん
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右平成13年の河川功労者に選ばれ、山澤福会長が表彰式に出席

人と河童が出会うまちづくり

学校ビオトープからはじまるまちづくりとは?

2004年から、茨城県牛久市の全小中学校の子どもたちが『人と自然が共生する牛久』をめざし、地域の特徴を学び、まちづくり提案をし、その学習の成果を実際の社会に実現していく、子ども主役のまちづくり・人づくり事業が始まりました。

茨城県牛久市は、東京から50km圏内にあります。

牛久市には谷間の田んぼ(谷津田)が多くあり、牛久沼と霞ヶ浦への水源地となっています。図3

谷津の入り口には必ず古い集落があり、人々は水源地である谷津田を基盤に地域づくりを行ってきました。そこは同時に、多様な生き物たちの生息の基盤となり続けてきました。図2

牛久のまちは人と人、人と自然、自然と自然のネットワークで覆われていたのです。
牛久沼や霞ヶ浦は「河童」伝説で有名です。牛久は牛久沼と霞ヶ浦の水系が接し合い、それぞれに棲むカッパが出会える町でした。
しかし近年、牛久市は東京へ通勤圏内のため近年ベットタウン化が進み、自然環境の減少やゲリラ豪雨時の洪水など都市型問題も起こり始めています。
一般に、学校の環境学習は地球規模の学習が中心で、地域の問題に目が向けられることはあまりありませんでした。牛久を覆っていた水と緑のネットワークも方々で分断され、カッパにも出会うことがなくなってしまっています。

そのような牛久の地域特性や課題を活かした総合学習として、アサザ基金と牛久市教育委員会協働の「学校ビオトープから始まるまちづくり事業」が始まりました。

図5  図6
この事業は、牛久市全小中学校で総合的な学習の時間などに行っています。
この事業の特徴は、子どもが中心となり学校を拠点とした地域コミュニティ(学区)単位でまちづくりを行っていくことです。(小学校区と地域コミュニティ単位はほぼ一致しています)
地域の子どもたちは、自分の足元(学区)の自然環境や地域の特徴を学び、深め、地域や行政などさまざまな立場の人を巻き込みながら、牛久市の特徴を活かしたまちづくりを提案します。
総合学習の中で、生きものなどさまざまな他者の視点から地域を見直すことで地域の可能性を再発見し、人と人、人と地域のネットワークを結び直し、それはカッパ(ここでは生物多様性のシンボル)を呼び戻すことにもつながります。
子どもたちの学習意欲を原動力にネットワークが結びついていくその過程で、福祉・治安・防災といった本来の機能が再生し、自立した地域コミュニティを基盤に築かれていきます。

この学習は、アサザ基金がコーディネーター役を務める『学校ビオトープから始まるまちづくり実行委員会』が主体となり、学校の学習に地域の自治会や住民・企業などを巻き込みながら行います。
子どもたちの総合学習を地域全体でサポートしていくことで、地域ぐるみで子どもたちを育てることにつながります。
まちづくり事業のネットワーク図
牛久のまちづくりの原動力(ネットワークの結び手)は、たくましく、想像力にあふれた子どもたちです。
子どもたちの学習から生まれた、夢や可能性を地域の人々が共有し合うことで、未来の担い手となる子どもたちを主役に、人と自然が共存する牛久のまちづくりを行っていきます。

牛久市では小学校の総合学習によって、何十年も耕作放棄された場所を田んぼに再生したり、子どもたちの提案が市の公園づくりや計画に反映されたりするなど、実際のまちづくりが次々と実現しています。
先生方から「これが本当の学習だ」と表現される実際の社会に働きかけていく学習が、牛久市では毎年行われています。
これからも、牛久の子どもたちが自分たちの町に夢を抱き、それを実現するための学習、提案づくりを行っていきます。

人と河童が出会うまちづくりホームページへ

 

学校ビオトープからはじまるまちづくりの特徴・意義

・単なる環境学習ではなく、まちづくり学習です
牛久市で行われているのは、ただ環境問題についての知識を学ぶいわゆる環境学習ではありません。自分の足元の地域を学び、深め、提案、行動し、社会へ働きかけ、実際のまちづくりに活かしていく、まちづくり学習です。
・縦割りを超えた実行委員会を組み、地域ぐるみで子どもたちの学習を支えています

学校ビオトープからはじまるまちづくりの効果

・地域の未来を担う人づくりを行っています
・子どもたちの学習が実際のまちづくりに活かされることで、子どもの夢実現と魅力あるまちづくりをしています(小学生による公共事業)
・人材育成の効果が研究されています。
小玉先生 論文
米川先生 論文

学校ビオトープからはじまるまちづくりの活動内容

・通年を通した学習を行っています。

 

学校ビオトープからはじまるまちづくりの位置づけ

 

【地域活性化】

子どもたちが学習を通して地域に眠っている宝物(地域資源)を探しだし、その宝物を実際の地域のまちづくりに生かしていく子どもたちの豊かな感性や想像力によって、大人たちが縦割り化した社会の壁を溶かし、多様な主体をつなげ、地域で新たな取り組みが次々と生まれていくような社会を築いていきます。

【環境教育】

環境問題を地球環境問題やごみ問題などの知識一般として得る教育ではなく、自分の地域の特色を学び、その特色を最大限に活かしたまちづくりを具体的に提案しその実現を目指していくことで、現場で感じる力や実際の社会での実践力を身につけます。

【社会を変える】

総合学習を通して子どもたちが地域の特徴や良さを見つけ、その良さを生かしたまちづくり提案をし、その提案が実際のまちづくりに活かされる牛久市のまちづくり学習は、今後世界の地方都市でも参考となるモデルになっていくと考えます。学習の体験から子ども一人一人が力を身に付けていくことが社会を変えていくことにつながります。

【企業との協働】

牛久市内で多様な主体と協働で環境保全を行っている企業の活動を学び、その活動と連携した学習を行うことで、企業との協働の意味を子どもたちが理解し、互いの違いを生かしながら協力し合い難しい問題や課題に取り組んでいく「協働」事業を起こしていくことができる人材の育成をしていきます。

【循環型社会】

循環型社会を築いていくためには自然からつながりや循環の仕組みを学び、自然から得た知恵を生かした地域づくりや生き方を実現していくことが必要です。地域に最も密着した生活を送っている子どもたちの目を通して、地域に眠るつながりを生かしながら、地域の人々の生活文脈と重なり合う細やかな循環型社会を築いていきます。

【自然再生・生物多様性】

自然再生を実現するためには、単にビオトープなどの生き物のすみかになる場所をつくるだけではなく、再生しようとしている自然に影響を与えている人間社会のあり方を変えていくこと(まちづくり)が大切です。牛久市では地域コミュニティや生きものの行動範囲と一致する各小学校区単位でまちづくり学習を行うことにより、牛久市内全体で人と自然が共存するまちづくりを実現していきます。

「湖がよろこぶ野菜たち」

霞ヶ浦の外来魚対策事業
( 生物多様性の回復と水質浄化、漁業の振興のための外来魚魚粉化・利活用、農作物ブランド化事業 )
農林水産業、加工業、流通業、小売業、消費者、NPOによる協働事業

湖がよろこぶ野菜たちとは?


霞ヶ浦で増加する外来魚の問題は解決が難しいとても大きな問題です。
この問題を解決していくためには問題を資源化するという新しい発想が必要です。
またひとつの事業で多面的な効果が期待できる取り組みによって広域的かつ継続的に対策が行われていくことが必要です。
そしてその取り組みを拡大、継続していくためには年度単位で事業が終了する行政主導による取り組みではなく、
事業を発展させるビジネスモデルを用いた取り組みを行っていく必要があります。
そのビジネスモデルをつくりあげていく取り組みが本事業です。

このビジネスモデルをつくためには、流域で生活を営む漁業・加工・農業・流通・小売・消費者・NPOなどさまざまな主体がかかわる霞ヶ浦再生に向けた新たなつながりを生み出すことが必要です。
そのつながりを作っていくのは霞ヶ浦再生を実現する仕組みから生まれる「野菜」です。この野菜が作られ、流通消費されていく、この流れから生まれる価値を商品に付加してブランド化を図り、事業を拡大、継続させていくビジネスモデルです。
霞ヶ浦再生を実現する仕組みとは、具体的には以下の図のような流れになっています。スライド1

1.市場価値のない外来魚は漁業によって捕獲されずその量は増える一方です。
そこで外来魚に市場価値を付与することで、漁業者に外来魚増加に対する抑制効果のあるまとまった量を水揚げしてもらいます。(漁業収入となる)
s水揚げ1 s水揚げ2

2.その外来魚を肥飼料(魚粉)へと加工してもらい、それを流域の農畜産業で化学肥料等の代わりに活用いただきます。
湖の魚たちは成長過程で窒素やリンといった湖の富栄養化物質を体内に蓄積しています。
水から取り出すことが難しい富栄養化物質を漁獲を通じて取り出し、活用することができます。
これは霞ヶ浦の水質改善になります。
s魚粉写真 sハス田魚粉施肥

3.できあがる農作物に上記1.2の費用を組み込み、このシステムの周知を図った上で、「湖がよろこぶ野菜たち」という霞ヶ浦再生ブランドとして地元スーパーで流通、消費者が購入、消費することで、持続可能な霞ヶ浦の再生と活性化をビジネスモデルとして実現しています。
このビジネスモデルの規模が大きくなるほど生まれる効果も増していくので、この問題の解決にビジネスモデルで取り組むことは効果的であると思われます。
この野菜が売れれば売れるほど外来魚を減らすことができるシステムです。
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特徴


この事業は従来、行政が行ってきたような外来魚の駆除にも処分や費用をかけて実施する自己完結型の取り組みではなく、市場価値のない外来魚を肥飼料へと変えること(問題の資源化)で価値を生み出すことから始まる一石何丁もの効果が生まれる取り組みです。
またこの取り組みはそれぞれ役割を担う人々の生産意欲を引き出すことができ、事業が拡大継続していくポテンシャルを持っています。
また社会の中で各主体が潜在的に持っている社会的機能を発揮することで、部分最適化ではなく、全体最適化が民間によって進む社会システムづくりにもなっています。

効果


・霞ヶ浦の生物多様性保全効果:漁師による大量捕獲による生態系レベルでの外来魚駆除効果を実現。これまでに約409tの外来魚の駆除を実現。
・霞ヶ浦の水質改善効果:外来魚の水揚げを通じた富栄養化物質の回収
これまでに窒素約10.2t、リン2.8tを湖から回収。行政による水質浄化事業(底泥浚渫)は窒素100kg回収するためにかかる費用は2161万円に対して、本事業は28万円、同様にリンは2億1千万円程に対して、137万円とケタ違いの費用対効果となっています。
・漁業振興:市場価値のない外来魚に価値を付与して水揚げを実施。これまでに約2000万円の漁業収入が生まれた。
・霞ヶ浦の水質保全効果:外来魚からできあがる肥料を流域で化学肥料の代わりに活用することで、新たに流域外から栄養が供給されることを防ぐことができます。
・環境保全型農業の推進・農業の活性化:有機農産物の規格に乗せることができない大多数の農家にも、この魚粉を使用することで、霞ヶ浦の自然再生・水質改善に参加できるシステムを提供し、環境保全型農業への意識が高まります。この事業は、以上のような一石何鳥の効果を生みだすことができる取り組みです。

活動内容


この取り組みの企画運営・連絡調整等をアサザ基金が担っています。
従来つながりのなかった多様な分野をつなげるビジネスモデルを構築し、それぞれの参加主体には本業を通じてこのビジネスモデルシステムへの参画をいただいています。
具体的には、霞ヶ浦漁業協同組合やきたうら広域漁協の漁師さんに外来魚の捕獲を依頼し、捕獲された外来魚を魚粉へと加工していただきます。(中央飼料株式会社
外来魚の水揚げ現場での運搬車への荷入れ作業などの現場作業を行います。
できた肥料はJAやさと、武井蓮根農園などの農業生産者の方に活用いただき、出来上がる産品のブランド化とその流通については株式会社カスミさん(スーパー)に協力をいただいています。
また新規にご参加いただけるパートナーの募集、開拓にも取り組んでいます。

位置づけ


地域活性化: 外来魚問題というマイナスをプラスに変換すること(問題を資源化する発想)で、霞ヶ浦の外来魚問題に流域の多様な主体が協働で取り組むビジネスモデルを構築できます。この発想の転換によって地域に新たなブランドを構築することを実現しました。
環境教育: 従来の「外来魚駆除を行っています」といった自己完結型・問題解決型の取り組みの限界を知り、真の問題解決には、多様な主体の協働による価値創造型事業による取り組みが必要であることを学習できます。また問題を資源に転換する発想を理解する場として活かすことができます。
社会を変える: 行政主導の取り組みの限界を明らかにし、民間主導による価値創造型の取り組みに転換するモデルとなる。環境問題と地域活性化を同時に実現できることを示すことで、霞ヶ浦の外来魚問題や水質改善に対してビジネスモデルの特性である事業の発展性や拡大への意欲、持続性を活かした実物大社会モデルの構築を、社会全体を視野に入れた上で行うことができます。
企業との協働: NPOが社会のホルモンとして機能を果たし、企業と多様な主体を結びつけ、企業の本業を生かした社会の問題解決に結びつけることができます。
循環型社会: この取り組みにより湖から活用できるアウトプット(漁獲や窒素・リン)を増大させ、経済効果を生み出し、行政による公共事業以上の効果を生み出すことで、社会的費用の削減といった効果を生み出します。さらに新たな社会システムの構築を通して湖をめぐる物質循環システムも構築できるようになりました。
自然再生・生物多様性: 外来種・移入種問題という従来の取り組みや行政施策の限界を踏まえたうえで、民間の発想を生かすことで、霞ヶ浦の外来魚や水質汚濁といった解決が難しい問題にも取り組むことができる実物大社会モデルとなりました。