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鈴与株式会社「SUZUYOいいね!プロジェクト」

鈴与株式会社協働事業 SUZUYOいいね!プロジェクトとは?

牛久沼の水源地である谷津田の保全を図る取り組みで、2018年に始まったばかりのプロジェクトです。
この取り組みの舞台となる谷津田は常磐線沿線では最も東京都心寄りに残る自然豊かな谷津田ですが、谷津田周辺は市街化が進み、今も水源の森では年々宅地開発等が進むなど市街化地域に囲まれた陸の孤島のような谷津田です。
 大きな地図で見る

残っている谷津田も耕作者の高齢化の進行、地下水位が高く機械化された稲作では悪条件の場所が多くなり、耕作放棄地が年々増加傾向にあります。
さらに田んぼのまわりには人の手が入らなくなった森林ばかりになりつつあります。
これらの要因によって里山の生きものたちが暮らしにくい環境となりつつあります。
そこで、この取り組みでは 鈴与株式会社(企業)との協働による保全活動を柱として、周辺住民などと連携を図りながら、昔ながらの里山と人との関わりを再構築し、米作り、そして地酒造りを通して谷津田全体を保全するモデルづくりを行っています。

プロジェクトの特徴

取り組み現場の谷津田は都市化、市街化の波にさらされる里山保全の最前線とも言える地域です。この谷津田は市街化地域に囲まれた陸の孤島のような環境です。残っている自然環境を守るためには、広大なエリアの保全が必要で、それを実現するためには企業との協働だけではなく、周辺の市街地の住民の方など谷津田保全に参加していただく必要があります。そこでこの事業を核として保全再生を進め、谷津田保全に参加する人々の輪を広げることで、広大な谷津田全体の保全を実現していきます。

プロジェクトの効果

里山再生
この取り組みによって耕作放棄地となった谷津田とその周辺の森林整備などで約3000㎡程が再生しました。これから田んぼ周辺も含めて里山再生を進めていきます。
生物多様性保全
実施地は大きな谷津田の中でも一番湧き水が豊富な場所です。この条件を活かした生物多様性の保全をはかっていきます。
伝統産業との協働
再生した谷津田で平地の田んぼとは異なる谷津田の特性を活かす酒米作りを行っています。できた酒米は鈴与㈱の地元酒蔵に日本酒に醸造いただき、国内外でこの取り組みひとつの成果として活用いただいています。
地域活性化
上記のような効果を通じて、谷津田を中心に様々な活性化が図られます。

  田植え米成熟 稲刈り

活動内容

田んぼ再生のための踏耕から、田植え、草取り、稲刈りまで年数回のプログラムを開催、毎回50名程度の参加者とともに谷津田の再生、保全活動に取り組んでいます。各回のプログラムでは、チームワークを活かして無農薬無化学肥料の稲作による谷津田の保全、手入れされなくなり笹藪となった森林整備など里山再生のための活動を行っています。

かっぱ大交流会

子どもたちが新しいまちづくりについて提案発表をします!!!

日時:2015年1月31日(土)13:00~15:30
場所:牛久市中央生涯学習センター                                       参加費:無料

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茨城県の牛久市では、こどもたちが総合学習の時間に まちづくりについて考えています。  一年の学習の集大成が 「かっぱ大交流会」です。

今年は市内の全小中学校が、自分たちの地域の特性を学び 、そこから自分たちらしいまちづくりの提案をまとめました。

牛久にファンタジーを感じるには、どうしたらいいんだろ う?
かっぱが通れる道をつくるには、どうしたらいいんだろう ?
どんな町になれば、ずっと住み続けたい町になるかな?

ぜひ、その子どもたちの想いを聞きにきてください。

牛久だけでなく、三重県大紀町七保未来塾の子どもたちも発表に参加予定です。自分たちの町をよくしようと頑張る子どもたちは、全国にいます!

まちづくりに真剣な子どもたちの姿を見て、
負けてられないな!と思わされるはずです。

大学生、社会人のみなさんの参加をお待ちしております!
※学習発表会後には子どもたちとの交流会も予定しています。こちらに参加したい方は、ひと声頂けると嬉しいです 。

アサザ基金 担当者:牧野真弓

 

 

 

NEC田んぼ作りプロジェクト~活動レポート~

NEC田んぼ作りプロジェクトには、社員とその家族が参加する「イベント」と、イベント参加者が経験を重ね、より主体的に再生活動を行っていく「達人コース」の、2つの取り組みがあり年間を通して付加価値のある酒米・日本酒づくりを行っています。

・イベントは、年間を通じて6回実施しています
無農薬・無化学肥料による米作りを伝統的農法で実施し、収穫したお米で地元酒蔵にて日本酒を醸造しています。
春:田植え
夏:草取り・ホタル観賞
秋:稲刈り、脱穀
冬:酒仕込み神事、新酒蔵出し

・達人コースは、年15回程度実施しています。
イベントに向けた準備をはじめ、米づくりに必要な一連の作業、谷津田の周囲に広がる環境の再生に取り組んでいます。
春:復田・除根、田起こし、代かき
夏:草取り、竹林整備、里山の手入れ
秋:オダ用竹の伐採、稲刈り準備、脱穀
冬:水路の整備、復田作業、草刈り

NEC田んぼ作りプロジェクト 2014年

04/05 達人コース 達人田んぼ拡張
達人レポートR46はこちらから
04/26 達人コース 達人田んぼ拡張、田起こし
05/06 達人コース 横田農場にて種まき、田起こし
05/25 達人コース 達人田んぼ・マンゲツモチ田植え
05/31 イベント  日本晴・田植え
達人レポートR47はこちらから
07/06 達人コース 草取り
07/12 達人コース ホタル散策路整備
07/26 イベント  草取り&ホタル観賞
達人レポートR48はこちらから
08/08 達人コース 達人散策路延伸
09/13 達人コース オダ用竹取り
09/27 達人コース 達人田んぼ・もち米稲刈り
10/11 達人コース 達人田んぼ・もち米脱穀
達人レポートR49はこちらから
10/25 イベント  日本晴稲刈り
11/16 イベント  日本晴脱穀
達人レポートR50はこちらから
12/14 達人コース 来年度に向けての再生計画づくり
01/24 達人コース 物置小屋設置場所の整備、杭立て
02/14 イベント  里山再生・味噌づくり
達人レポートR51はこちらから
02/21 達人コース 竹林整備、カワセミのすみかづくり
03/14 達人コース 畦の補修、漏水処置など新年度に向けての準備
達人レポートR52はこちらから

NEC田んぼ作りプロジェクト 2013年

12/21 達人コース 谷津田再生活動1・草刈り
11/30 達人コース 裾刈り場整備
11/09 イベント 脱穀・かも池泥上げ、わらない体験
10/19 イベント 日本晴・稲刈り、どんぐりアート
10/13 達人コース マンゲツモチ・脱穀
09/29 達人コース 新達人田んぼ・マンゲツモチ稲刈り
09/14 達人コース オダ用竹採り
08/04 達人コース 三の草・水路整備
07/20 イベント 草取り&ホタル観賞
07/13 達人コース 二の草&ホタル観察路整備
06/22 達人コース 一の草
06/08 達人コース 日本晴・田植え
06/02 達人コース 新達人田んぼ・もち米田植え
05/05 達人コース 日本晴種蒔き・新達人田んぼ除根3
04/27 達人コース 新達人田んぼ除根2
04/07 達人コース 堆肥入れ・新達人田んぼ除根
03/16 達人コース 田んぼの水漏れ補修と植樹作業
02/23 イベント 谷津田のお話&意見交換会、復田草刈り作業
02/16 達人コース 竹林の手入れ・竹チップ化
01/17~18 NEC田んぼ作りプロジェクト&クボタeプロジェクト

NEC田んぼ作りプロジェクト 2012年

12/23 達人コース 新しい田んぼを復田・草刈り2
12/01 達人コース 新しい田んぼを復田・草刈り1

2012年11月までの活動内容は、こちら

(掲載準備中)

NEC田んぼ作りプロジェクト 活動概要はこちら

現在の田んぼの様子と活動レポート

2012/12/01 達人コース 新しい田んぼを復田・草刈り1

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背丈を越えるセイタカアワダチソウに立ち向かいました。作業が進むと、草に隠れていた水路が現れました。

2012/12/23 達人コース 新しい田んぼを復田・草刈り2

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枯れた竹が倒れていて、作業は難航しました。長い歳月で、水路が埋もれてしまい、部分的に井戸のように縦穴が残っていました。
レポート29 2013/01/22 人力によって耕作放棄地を開拓

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2013/01/17~18 NEC田んぼ作りプロジェクト&クボタeプロジェクト

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両社ともに初めての企業間協働で、耕作放棄地の草刈りと耕起、水路の掘削に取り組みました。私たちは農機の速さに驚き、クボタさんは人力での開拓に驚いていました。
レポート特別号 2013/01/22 クボタ協働による草刈りと耕起

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2013/02/16 達人コース 竹林の手入れ・竹チップ化

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手入れが行き届かない竹林では、草花や林床を利用する生き物たちが減少し、谷津田全体の生態系が悪化してしまいます。このプロジェクトでは、竹林の対策にも取り組んでいます。また、竹を焼却しないでチップ化を行うことによって、二酸化炭素の排出抑制はもちろんのこと、抑草効果や土壌の流出防止、土壌細菌の活性化、ヒーリングなど、多様な効果が期待できます。
レポート30 2013/03/01 竹をチップ化して有効利用

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2013/02/23 イベント 谷津田のお話&意見交換会、復田草刈り作業

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これからの谷津田再生について、2班に分かれ話し合いました。すぐに実現できるような内容から、10年位を見すえた夢まで、様々な提案がありました。その後、かも池周辺の草刈りをしました。この場所は、南側半分を田んぼに、北側半分に植生を残してビオトープにします。
レポート31 2013/03/25 将来の谷津田について話し合いました

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2013/03/16 達人コース 田んぼの水漏れ補修と植樹作業

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暗渠の跡や、ザリガニ穴によって水漏れが頻発していたC・Dたんぼに、地震災害の水田補修などにも使われる、ベントナイトという天然鉱物(粘土の粉末)を利用して補修作業を行いました。
レポート32 2013/04/03 冬のトキのえさ量調査、ベントナイト水漏れ補修

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2013/04/07 達人コース 堆肥入れ・新達人田んぼ除根

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達人散策路を進み、龍ヶ崎へ抜けるところに、新しい達人田んぼを人力で復田しました。また、復田から3年目を迎えるA~D田んぼの地力回復のために、牛糞堆肥を入れました。
レポート33 2013/05/20 谷津田の奥に新しく達人田んぼを復田しました

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2013/04/27 達人コース 新達人田んぼ除根2

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藤の花が咲き誇る晴天の下、新しい達人田んぼを復田しました。ここにはもち米(マンゲツモチ)を植えます。

2013/05/05 達人コース 日本晴種蒔き・新達人田んぼ除根3

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育苗にご協力いただいている横田農場にて、手作業で日本晴の種蒔きをしました。これから1ヶ月、無農薬・プール育苗法で苗を育てていただきます。
レポート34 2013/05/31 横田農場で日本晴の種蒔きを行いました

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2013/06/02 達人コース 新達人田んぼ・もち米田植え

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新しい達人田んぼに、マンゲツモチを植えました。午後からは、新しく広がったア~ウ田んぼの除根&代かき作業を行いました。

2013/06/08 達人コース 日本晴・田植え

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今年度の上太田の田植えは、達人コースとしての開催でしたが多くの参加があり、スムーズな作業となりました。

2013/06/22 達人コース 一の草

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新しい達人田んぼは、代かきがしっかりできているためか、ほとんど草は生えていませんでした。手作業で一の草を行いました。日本晴を植えた田んぼでは、竹ぼうきを活用した、除草機を制作し、田んぼを走り回りました。双葉までのコナギには効果がありそうです。
レポート35 2013/07/31 広くなった田んぼに初めての田植え

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2013/07/13 達人コース 二の草&ホタル観察路整備

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ホタル観察のために整備した竹林内の散策道が、1年を経て倒竹で通れなくなっていたので、再び観察路を作りました。ワラを積み上げた堆肥置き場では、カブトムシが羽化していました。また、竹チップの下には、丸々と育ったたくさんのカブトムシの幼虫がいました。

2013/07/20 イベント 草取り&ホタル観賞

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日本晴田んぼの草取りを行いました。夜には、谷津田を歩き、ホタルを観察しました。
レポート36 2013/08/01 二の草・ホタル観賞

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2013/08/04 達人コース 三の草・水路整備

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三の草の予定でしたが、深水管理が上手く行えているためか、草がほとんど生えていなかったので、水路の整備に専念しました。復田から3年が経ち、ゴミや泥で詰まってしまったパイプを取り除き、開渠にしました。水路を再生するとすぐに、オニヤンマが偵察に来ました。
レポート37 2013/08/31 ホタル調査報告・夏の生き物たち

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2013/09/14 達人コース オダ用竹採り

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深水管理によって、オダ用の竹置き場もジメジメした環境になってしまったので、新しく昼食広場横の杉林内に、高床式でオダ置き場を作りました。また、復田によって耕作面積が増えているので、昨年比で2倍のオダを準備するために、竹林からたくさんの竹を切り出しました。
臨時レポート 2013/09/18 台風18号の影響

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2013/09/29 達人コース 新達人田んぼ・マンゲツモチ稲刈り

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新しい達人田んぼで初めての収穫です。収穫した稲は、日本晴田んぼの横にオダを立て干しました。

2013/10/13 達人コース マンゲツモチ・脱穀

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昔ながらの道具を利用して脱穀作業を行いました。
臨時レポート 2013/10/16 台風26号の影響
レポート38 2013/11/15 新しい田んぼで稲刈りをしました

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2013/10/19 イベント 日本晴・稲刈り、どんぐりアート

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日本晴の稲刈りを行いました。基本、人海戦術による手刈りですが、地面の固いD,ウの田んぼには、バインダー(自動稲刈り結束機)を利用して機械刈りしました。泥深い田んぼもあり、田植えのようにドロドロです。

2013/11/09 イベント 脱穀・かも池泥上げ、わらない体験

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昔ながらの道具を利用した脱穀にあわせ、ハーベスター(動力式脱穀機)を利用し、脱穀をしました。また、作業前に上太田の田んぼで初観察となるニホンアカガエルが見つかる、うれしいニュースもありました。
レポート39 2013/12/26 稲刈り、ニホンアカガエル初発見

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2013/11/30 達人コース 裾刈り場整備

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田んぼ際の斜面から達人散策路の間を「裾(すそ)刈り場」と呼びます。田に注ぐ太陽の光を確保するほか、山野草の生育、田んぼと雑木林を行き来する生き物のためにも、年に1度ほど草刈りをすると良い空間です。今回、達人散策路の開拓以来はじめて草刈りをしたので、枯木も多く積んであって、大変な作業になりました。お昼には、今年育てた日本晴を試食しました!

2013/12/21 達人コース 谷津田再生活動1・草刈り

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2014年の田んぼ作りプロジェクトは、米づくりの耕作面積を増やすだけでなく、トンボやヘイケボタル、ニホンアカガエルのすみかとなる田んぼや池を再生していきます。また、フクロウの棲みやすい森づりにも取り組んでいきます。
今回は、ホタルの棲みやすい環境づくりの1回目です。セイタカアワダチソウを手刈りして、倒竹を片付けていきます。お昼には、お楽しみ活動として、バームクーヘンを焼きました。
レポート40 2014/01/01 生息環境を多様にするための再生をスタート

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活動報告書

発行:NEC (外部リンク:下記をクリックするとNECのサイトへ飛びます)
2011年度活動報告書

2012年度活動報告書

2013年度活動報告書

生物観察記録

(掲載準備中)

ネットワークセンサー(気象データ)

気象観測センサーシステム(製品名:ウェザーバケット)
(外部リンク:下記をクリックするとNECのサイトへ飛びます)
ネットワークセンサー

NEC田んぼ作りプロジェクトwithアサザ基金

2003年から日本電気株式会社(NEC)とアサザ基金と協働で「NEC田んぼ作りプロジェクト」を行っています。

従来から取り組みが困難な課題とされてきた霞ヶ浦流域で、荒廃の進む水源地である谷津田を再生し、くい止めることに初めて取り組んだのが、アサザ基金とNECのこのプロジェクトです。
このプロジェクトは、霞ヶ浦流域の自然再生における先駆的なモデルとなっています。
耕作放棄された谷津田の事前調査から、計画作り、復田作業、米づくり、地場産業と協働による酒造りに取り組んでいます。

現在の田んぼの様子 NEW!!3月20日UP!

NEC田んぼPJ動画はこちら

nectop

プロジェクトの概要

霞ヶ浦は大きな流入河川が無く、水源地は流域に広がる1000を越える谷津田となっています。
谷津田は、森に育まれた豊富な水が利用できる反面、農業の機械化が進む中で、湿田・深田が多く、生産効率が悪いため、作業がしにくく早くから放置され、その大半が荒廃しています。

necbefore

2003年から石岡市東田中地区で谷津田再生活動を実施、アサザ基金が1996年以降長年構想していた水源地再生のブランド地酒をつくるプロジェクトが実現しました。

そして、2010年には、それまでの経験(3,712㎡)を活かしてより大規模な谷津田全体(22,965㎡)を再生する事業を牛久市上太田地区で着手しました。
当プロジェクトの上太田の谷津田は、耕作放棄され、長いところで40年の年月が経ってしまいました。再生は谷津田1本(谷筋全体)の23反、全長1000mを対象とします。

genba

この谷津田を、トキの生息環境を再生するための実物大モデルとして位置づけ再生します。再生した田んぼで月に1度のトキの餌量調査や、生物調査を実施することで、数値化された効果を元に「再生モデル」をつくり、牛久市内に多数点在する谷津田保全、ひいては霞ヶ浦流域全体の谷津田保全につなげます。

necmeeting
トキが舞う谷津田という霞ヶ浦再生への夢を共有し、農業の機械化が困難な谷津田を、無農薬・無化学肥料の米づくりを行うことによって生物の多様性を高めようと、社員ボランティアが自ら、生物調査をはじめ問題点抽出などの計画の策定、手作業による復田作業、昔ながらの米づくり、地元の酒蔵での酒造りに一貫して参加し、付加価値のある酒米・日本酒づくりを行っています。
「100年後にトキの舞う霞ヶ浦を」という目標を共有し、夢の実現に向けて挑戦し続けています。

プロジェクトの特徴

・NECの本業であるIT分野(気象情報を計測・蓄積・配信するネットワークセンサーを霞ヶ浦の自然再生に活かす、アサザ基金とNECのビジネスモデルづくりを通して始まりました。
・そして、取り組みが困難な課題とされてきた耕作放棄された谷津田に、新しい社会的価値を見いだそうと、IT企業とNPOが連携して初めて挑みました。

NECのHP内 田んぼづくりプロジェクトページ

http://jpn.nec.com/community/ja/environment/tanbo.html
(外部リンク:上記をクリックすると、NECのホームページへ飛びます)

地酒づくりが谷津田を中心に循環することで、谷津田の自然、地元農家、地域企業(酒蔵)に新しい環が生まれ、持続可能な社会システムへと成長しました。この取り組みをモデルに、他の地域にも、同様の取り組みが発展するきっかけを作りました。

necyatuda
・再生は谷津田1本(谷筋全体)の23反、全長1000mを対象とし、社員ボランティアが自ら、生物調査をはじめ問題点抽出などの計画の策定、手作業による復田作業、昔ながらの米づくり、地元の酒蔵での酒造りに一貫して参加し、付加価値のある酒米・日本酒づくりを行っています。
・社員ボランティアが、さらに経験を重ね、より主体的に再生活動を行っていく、「達人コース」が生まれました。達人コースでは、谷津田を構成する水の湧く森や竹林の整備、試験的な酒米の栽培などを行っています。

プロジェクトの効果

・この取り組みによって、谷津田でも無農薬・無化学肥料で健全な稲がとれることがわかり、里山本来の生き物が帰ってきました。
・社員自らが、耕作放棄地の状態と、復田開始後の四季を通じた生きもの調査を行いました。再生後の谷津田では様々な生きものが見られるようになり、中でもトンボの種類や数に著しく変化が現れました。

アオモンイトトンボ2_sホソミオツネントンボペア_sハグロトンボ1_sアオモンイトトンボ2_s
ノコギリクワガタペアとゴマダラチョウ_sキタテハ_sカブトムシ_sマダラガガンボ_s
ツボスミレ_sコオイムシ_sオオカマキリに食べられるアブラゼミ3_s
ニホンアカガエル_sシュレーゲルアオガエル産卵ペア2_sシュレーゲルアオガエル卵塊2_sトウキョウダルマガエル_s
ニホンアマガエル_sアズマヒキガエルペア産卵接写_sキジ(オス_sカヤネズミ_s

・トキが暮せるだけの豊かな生態系を取り戻すことを目標に、毎月生物量の調査(単位面積あたりの生物量調査)を行っています。その評価をもとに、霞ヶ浦流域単位での生物多様性ビジョンを広げていくことができるようになりました。
・この取り組みを通して、流域の酒造メーカーが日本酒の新たなブランド化へ、道筋をつくることが出来ました。
・のべ9,500人の社員・家族が、谷津田再生の体験を通して、実際に生物が戻ってくる様子を目の当たりにすることは感動的でした。

・参加者が普段食べているお米を実際につくる活動に参加することで、参加者の生物多様性への意識高まり、景観の復元につながる成果を実感することは、環境意識の向上につながりました。
・参加者の中から達人コース(主体的に谷津田再生の取り組みを推進する人材)の育成にも発展しました。
・活動のつながりが、地元の酒蔵や、知的障害者授産施設など、他の企業へ広がりました。

プロジェクトの活動内容

<計画の策定>
まず荒廃した谷津田が、どのような問題を抱えているのか調べます。実態評価、生物調査、荒廃した谷津田の問題点の抽出といったプロセスを経て、1000mにもわたる谷津田全体をどのように再生していくのか長期計画を立てました。そして、以下の作業に取り組みながら、継続的なモニタリングも実施して行きます。
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<復田作業>
復田作業は、社員ボランティアの人海戦術で取り組みます。
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<米づくり>
種籾、育苗から無農薬にこだわります。そして、手作業での田植え、人力での草取り作業を行います。草取り後に鑑賞できるヘイケボタルは、守り続けてきた谷津田再生の証でもあります。稲刈りや脱穀も手作業です。昔ながらの道具を用いた脱穀作業は、大変ですが楽しい収穫の一時です。
003

<里山の整備>
谷津田周辺の森林荒廃が進みつつあります。そこで、竹林や雑木林の整備も併せて行います。谷津田に連続した環境である森林の保全も生物多様性の視点で取り組んでいます。
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<トキのえさ量調査>
100年後にトキが舞う谷津田を目標にし、トキが生息できる環境にどのくらい近づいているか、単位面積あたりの生物量を継続して調査しています。
005

<酒仕込み、蔵出し>
地元白菊酒蔵の酒造りで、社員自らも体験しながら仕込み「愛酊de笑呼」が完成します。また、瓶詰め後のいくつかの作業は、知的障害者授産施設「あけぼの荘」に委託しています。
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それでは、具体的な活動を見てみましょう!現在の田んぼの様子

プロジェクトとアサザプロジェクトの位置づけ

地域活性化
一度は価値が失われ耕作放棄された谷津田に、地域、企業、NPOが協働することで、新しい価値を創造する最初の事業になった。

企業との協働
アサザプロジェクトが展開する霞ヶ浦流域レベルのネットワークを活かした技術展開(ネットワークセンサー)を、NECと共同開発する取り組みから、水源地である谷津田の保全システムの構築に発展した。

環境教育
普段、都会で働くNEC社員が、事前調査・計画の策定・復田・米づくり・地酒造りという価値創造的な取り組みの全プロセスを体験する。環境意識が啓発され再生現場で得た新たな発想が生まれ、新たな視点の技術開発に繋がる。

循環型社会
地域に根ざした伝統的循環型社会を代表する谷津田の再生を通して、IT企業と共に伝統を活かした循環型社会の構築を行うことが出来る。

社会を変える
大手企業とNPO、地場産業がそれぞれの持ち味を活かしながら協働し、環境保全や地場産業振興を進めることで、解決が困難とされていた環境問題への解決策を示すことが出来た。先進的な取り組みとして、社会にも大きなインパクトを与え続けている。

自然再生・生物多様性
一本の荒廃した谷津田全体を再生対象とした、生物多様性保全の実物大モデルとなる。このモデルを、流域全体の谷津田再生に広げていくことで、霞ヶ浦の生態系を保全し、トキが普通に見られる環境を目指している。

原宿表参道『森の恵・森の風プロジェクト』

2012年3月18日 風船トークvol.5 in 表参道

「息を吹き込む、碧く湿った息を、都市に眠る竜にそうっと」

「原宿表参道 まち歩き・風歩き・いきもの歩き」イベント

「原宿表参道 森の風・森の恵プロジェクト」の一環として、明治神宮の大きな森から街に流れ込む涼風や生き物の道を感じながら表参道を歩き、新たな文脈で都心に潜在する価値の発見を行います。
これまで、原宿表参道に眠っていた魅力や価値を掘り起こしていくために、明治神宮の森から広がる風の道や都市の中を移動する生きものたちの道、コンクリートジャングルに潜在する里山、欲望のデザイン、これらの魅力や価値とともに土深く眠る竜、など様々な文脈で原宿表参道という都市空間を読み解いてきました。
そして、魅力に気づいてもらうことから生まれる都市と自然が共存する新しいライフスタイルやブランドづくり等をとおして、竜を目覚めさせ、表参道の未来図を描いていくことを目指しています。

風船トークvol.3「都市のノマドたちが里山の竜をよみがえらせる」
talk2

日時:2011年2月9日(水)19:00~21:00(開場18:30)
場所:アップリンク・ファクトリー
参加費:一般2500円 学生2000円(1drink込み)

等々力 政彦(トゥバ民族音楽演奏家)
飯島 博(NPO法人アサザ基金 代表理事)

心に浮かんだ言葉を自由に語り合い、都市に眠る竜を目覚めさせるトークショー。
これまで明治神宮の森から広がる風の道や都市の中を移動する生きものの道、コンクリートジャングルに潜在する里山、欲望のデザイン、これらの魅力や価値とともに土深く眠る竜、など様々な文脈で原宿表参道という都市空間を読み解いてきました。
第3回目の開催となる今回は、風を感じ、地形を読み、生きものや自然と対話し、管理された空間を越境するノマド(遊牧民)の文脈で都市を読み解きます!
等々力政彦さん(トゥバ民族音楽演奏家)をゲストにお迎えし、南シベリアの民族音楽と共に、トークとライブで都市の竜を目覚めさせる物語を紡ぎます!

■等々力政彦さんプロフィール
トゥバ民族音楽演奏家。10年以上にわたり南シベリアで喉歌(フーメイ)などのトゥバ民族の伝統音楽を現地調査しながら、演奏活動をおこなっている。あがた森魚、朝崎郁恵、安東ウメ子、EPO、OKI、押尾コータロー、古謝美佐子、大工哲弘、Huun-Huur-Tuなど内外のミュージシャンと共演、およびアルバム参加。嵯峨治彦(モンゴル民族音楽)とのユニット「タルバガン」、OKIのFar East Bandで活動。

表参道を起点に都市空間を「生きもの」や「風の道」といった新たな文脈で読み解きながら、都市に潜在する意味や価値、そして竜たちを浮上させていくトークセッション。毎回、表参道に関わる様々な人々と共に、自由で創造的な雰囲気の中で語り合い、物語を紡いでいきたいと思います。都市に眠る竜たちをめざめさせるプロジェクトに、ぜひご参加ください。

原宿表参道 まち歩き・風歩き・いきもの歩き 2010.秋
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日時:2010年10月17日(日) 午前の部 10:00~/午後の部 15:00~
(雨天時は10月24日に延期します。)
 場所:神宮橋(原宿駅「表参道口」から明治神宮へ向かう途中にある橋)に集合し、表参道界隈を自由に歩いていただきます。
 参加費:無料
風船になぐらし(沖縄県多良間島の子ども達のメッセージが入ったサンゴのかけら)をつけ、原宿表参道のまちを風にのって歩きます。
途中で出会う生きものたちが、風の道を教えてくれるかもしれません。
明治神宮の森から広がる生きものの道、風の道に関して、お店の人やまちで暮らしている人達から聞き取りなどを行います。
そして、風の道・生きものの道を都市に広げて行く方法を考えます。

表参道・原宿の子どもたちと野外観察!


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原宿表参道・森の恵み・森の風プロジェクトの一環として、2009年から毎年夏に、表参道に位置する小学校の子供たちと野外観察を行っています。
表参道をはじめ、原宿、明治神宮など、東京の大都会を毎回約10名の子供たちと一緒に生きものの目線になり見直します。
するとそこには今まで気づかなかった、明治神宮、代々木公園からつながる生きものの道が見えてきます。

2009年7月30日
学校に集合した子ども達は生き物好きのつわものぞろい!
開始早々けや木通りで、虫取り網とかごをもってあるいていると、なんとカブトムシを発見!子どもも大人もみんな大興奮!
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8月19日
この日はけや木通りで虫取り網の中にヤモリが!前回のカブトムシに引き続き、思いがけないサプライズにみんな大興奮!
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8月25日
この日は表参道から 原宿を通り、東郷神社へと向かいます。
原宿では道路の下を流れているという渋谷川の音に補聴器を使って耳をすませます。川の流れる音は聞こえたかな?
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東郷神社では、水辺を好むコシアキトンボを発見!たくさんのセミのぬけがら集めました。
3回の野外観察の中で、まちを違う目線で見つめなおすと、自然とはかけ離れた世界のように思っていた原宿、表参道には、明治神宮から生きものの道、風の道が広がっていることがわかりました。
そして何より子供たちの感性のするどさには感動しました!スタッフが下見をした際は、まったく生き物を見つけることができなかったまちで、子供たちは次々に発見をしてくれました。

今後プロジェクトは多くの人を巻き込んで展開していく予定です。皆様こうご期待を!

原宿表参道『森の恵・森の風プロジェクト』

原宿表参道まちエコキッズ・ネットワーク

・NPO法人アサザ基金
http://www.asaza.jp/
Tel: 029-871-7166 Fax: 029-801-6677 mail: asaza@jcom.home.ne.jp

・(株)ジャパンエリアマネジメント
http://areamanagement.jp/
Tel: 03-3835-4506 mail: info@areamanagement.jp

・商店街振興組合原宿表参道欅会

原宿表参道まちエコキッズ・ネットワークへの参加お願い


この「原宿表参道まちエコキッズ・ネットワーク」は原宿表参道を舞台に多くの方に関わっていただきながら、竜動的に展開、発展していくネットワークです。
ぜひネットワークへご参加ください。

・プロジェクトスポンサー
資金面でのサポート(プロジェクト全体、もしくはイベントごと)
 風船広告への協賛
・プロジェクト運営スタッフ
イベント運営スタッフ(MAPの作成、ポスター、チラシ作成、当日運営等)
協力者のご紹介
プロジェクトの展開にあたり、ご協力いただける方がいらっしゃいましたらご紹介ください。
・地元の方のご協力
 表参道の昔のようす(歴史やくらし)や、生きもの、森のことを教えてください。
 イベントスペースのご提供、ビオトープネットワークへの参加
・沖縄との連携協力
多良間島の黒糖を使ったメニューの開発・販売
・広報
イベントの告知、参加者の募集
プロジェクト運営スタッフの募集

原宿表参道まちエコキッズ・ネットワークにご興味を持っていただけましたら、アサザ基金までご連絡ください。
皆さまのご意見、ご提案等お待ちしております。

原宿表参道『森の恵・森の風プロジェクト』

原宿表参道 まち歩き・風歩き・いきもの歩きイベント開催

風船トーク「まち語り・風語り・いきもの語り」@アップリンク・ファクトリー

都市に竜が眠っている。
新しい物語をつくるのに、
鎖につながれた言葉はいらない。
まちになって、風になって、
生きものになって、
ふわふわと心の動くままに、感じたままに、
思い付いたままの言葉を
細い糸を頼りに
宙に浮かべながら竜動的に語り合う。
それが風船トーク。

表参道を起点に都市空間を「生きもの」や「森の風」といった新たな文脈で読み解きながら、都市に潜在する意味や価値を浮上させていくトークセッション。
今回は8月16日に渋谷UPLINK FACTORYにて初の風船トークを開催しました。
代々木の森を抱くように横たわる昔の谷地形(谷津田)に位置するUPLINK FACTORYから、都市に眠る竜たちを目覚めさせるプロジェクトが、いま動き出しました!
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登壇者:飯島博(NPO法人アサザ基金 代表理事)
西本千尋((株)ジャパンエリアマネジメント 代表取締役)
村越義人(流石組プロデューサー)
本條 晴一郎(東京大学東洋文化研究所特任研究員)
場所:UPLINK FACTORY(アップリンク・ファクトリー)(渋谷区宇田川町37-18 トツネビル)
主催:原宿表参道・まちエコキッズ・ネットワーク
共催:商店街振興組合原宿表参道欅会

ふわふわと心に思い浮かんだ言葉を浮かべながら語り合うこの空間には、ステージと客席の間に壁はありません。
参加者と登壇者が一体にになった創造的な雰囲気の中で、いままでにないトークショーに皆さんもスタッフも一緒に非常に楽しみました。

風船ウォーク「まち歩き・風歩き・いきもの歩き」

風と一緒に歩けば、いつもと違う何かが、意外な出会いが待っているかもしれない。
東京都心の大きな森、明治神宮から真夏のコンクリートジャングルに流れ出す幾筋もの涼風。
今回8月21日に行われた風船ウォークでは、その森の風を案内人に、風やトンボと一緒に「動き」そのものになって、まちを歩いてみることから始めました。

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当日は地元の原宿隠田商店街会長の佐藤銀重さんや、表参道に住む昆虫の専門家石川良輔さんによるお話をまじえ移り変わる原宿表参道の様子や、生きものがにぎわう昔の様子などを知ることができました。
そして、なんと東郷神社では都心部では姿を消したといわれていたハグロトンボ(涼しい場所を好み里山の清流に住むトンボ)を大発見!きっと明治神宮の森の恵の中で生き残っていたのですね!
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他にも参加者の方のたくさんの発見や感想をご紹介します!
・気持ちのいい風を感じました。神宮の森からの風や水の流れるいい町ですね。竜神様が守ってくださっています。生きもの達もたくさん見られました。すばらしい地域を大切にしていきたいですね。
・今日はありがとうございました。普段何気なく歩いている場所でしたが、確かに風を感じました。風と共にたくさんの虫たち!バッタや蝶を発見!トンボも!小さい頃や山などでよく見た虫たちで、まさかこんな街の中でも元気に生きているとは!感激ですっ!これからはもう少し自分にも「風の目」をつけようと思いました。
・原宿は風の街。トンボもチョウも風にのって涼しく楽しんで街を行く。歴史と自然と人と、奥が深いぞ原宿は!
・護岸の跡がいろんなところにみられました!川に会いたい。
・風が谷に沿って流れているなんて知らなかったし、あんなに沢山の生き物達がいるなんて驚きでした。ちょっと注意を払わないと、まったく気付かない様なことが身の回りには沢山あるんだね。そんなことに気付けたのも嬉しかったです。

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風船トーク、風船ウォークあわせ約80名の方に参加頂き、原宿表参道というコンクリートジャングルに眠る竜を、人々の心の中に潜む竜を、目覚めさせる物語が今動き出しました!
風船トーク、風船ウォークともに次回は10月に行う予定です!
ぜひみなさんも一緒に小さな物語紡ぎませんか?

原宿表参道『森の恵・森の風プロジェクト』

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脱温暖化・生物多様性保全に向けた価値創造的な取り組みのネットワーク展開
水墨の森から滲み出す水を、たっぷり筆にふくんで描く、水彩の街そして都市

1. もしも、明治神宮の森がなかったらどうなるだろう?想像してみよう。
東京都心のヒートアイランド現象は?みんなの暮らしは? 東京都心を明治神宮の大きな森が涼しくしてくれている?!
神宮の大きな森は、きっと真夏に涼風を街に送ってくれているにちがいない。
その涼風の通り道はどこにあるのかな?そして、どこまで涼風を広げていけるのだろうか。
森の風や生き物達と対話しながら、都市の中の自然の恵みを感じ取り、神宮の森の恵を活かした未来のまちづくりやみんなの暮らし方を考えていこう。

例)地球温暖化やヒートアイランド現象、地域の自然環境、環境技術などについての出前授業を入口に、地球環境と地域環境のつながりを理解する学習。まず、明治神宮周辺半径2㎞内の小中学校を対象。

2. 風の道、神宮の森から街に流れ込む涼風(森の風)は、どこをどう流れていくの?どうしたら、涼風が流れる道が見えるようになるのだろう?
地図で調べる、衛星画像を見る、温度計やセンサーで測るなど、いろいろあるかもしれない。みんなで森の風をもっと見えるように、もっと感じられるようにしてみよう。

例)いろいろな場所で気温を測る、風船や線香などを利用して風の流れを調べる学習やイベント。衛星画像から森の恵(新しい文脈)を読み取る学習。ネットワークセンサーを各ポイントに設置して、気温や風の変化を把握し、多くの人々に知ってもらう。

3. 生き物の通り道、生き物達は神宮の森から吹き出す涼風を見つけて暮らしているかもしれません。
森の風を見えるようにするために、生き物とお話しする方法を覚えよう。暑い日は生き物達も暑さを避けて涼しい場所を探しています。
身近な生き物達を調べて森の風を探してみよう。生き物の道・森の風マップをみんなでつくろう!生き物達が新しい暮らしやまちづくりのヒントを与えてくれます。

例)身近な生き物や環境を調べる総合学習や理科学習、観察会、アンケート調査の実施。神宮の森や周辺の生物の生息状況についての現況調査。

4. 昔の風の道や生き物の道は、神宮の森からどこまで広がっていたのでしょうか。 森の風や生き物達の道は、今と昔ではどう変化したのでしょうか? 昔は今ほど街の中は暑くなかったとよく聞きます。昔はもっと街の中で生き物に出会ったそうです。
昔の様子を知ることで、私達が行うこれからのまちづくりの目標を考えることができます。
同時に、昔の暮らしを知ることで、森の風を活かした暮らしの知恵を学ぶことができます。

例)世代間の交流をはかる総合学習やイベント。年配の方々から小中学生が聞き取りを行う。アンケート調査を行う。迅速図などの昔の地図や写真、絵などを活かす。

5. 神宮の森の恩恵を感じることで、今まで見ていた街の風景が違って見えてくるはずです。 森の風や生き物達との対話をとおして、都市に暮らす人々も神宮の森の恩恵に気付くことができます。そして森の恵み(涼風や生き物)を活かした暮らし方やまちづくりを考えることができます。
表参道欅並木が森の風や生き物達の通り道に見えてくるかもしれません。地形を見る目も違ってくるかもしれません。
地域に眠っていた価値にみんなが気付き、その価値をみんなでもっと大きく広げていく取り組みをとおして、脱温暖化や脱ヒートアイランドに向けたライフスタイルの確立やまちづくりへの意識を高めていきます。

例)表参道欅並木は、神宮の森から都市空間にのびた一筋の緑の道。森の恵みを都市全体に広げていくための導入線。
欅並木のエコロジカルな機能を高めることで、都市全体に分布する潜在的な資源を浮上させ、エコロジカルネットワークの構築へと人々の目を向けさせる。
都市にエコロジカルな文脈を展開する起点であり、大きな森と都市を結ぶ線(導線)である欅並木を、自然と対話する都市に向けた価値創造の場(ブランドづくり)として位置付ける。

例)竹下通りは神宮の森につながった谷地形→森からの涼風が流れ込みやすい場所。ここに集まる若者達にも、神宮の森の恵みを感じてもらう。若者達のやり方で活かしてもらう、表現してもらう(見えるようにしていく)。そして、森の恵み・森の風を感じたら、夏にはエアコンの温度設定を少し高めに、そして、時々は窓を開けて見よう。

6. 明治神宮の森に湧く水を活かそう!清水を暗渠に流すなんてモッタイナイ。
今は大半が暗渠になってしまった渋谷川の水源のひとつが神宮の森の中にあります。
神宮の森が都市に残された貴重な水源であることを忘れていませんか。
神宮の森の恵みである清らかで豊かな湧き水を活用して、森の風や生き物達の通り道としてのケヤキ通りの機能を高めていきます。

例)神宮の森の水を採水し、散水車で欅並木の車道に散水する。周辺の気温上昇を抑える。森の風が流れやすくなるようにする。欅並木の生育環境を改善する。生物の生息しやすい環境をつくる。さらに、旧渋谷川に沿って道路に散水する。
清正井(水源)の水を使って、欅並木の歩道に打ち水イベントを行う。参加者のTシャツに里山の生き物達の写真や絵をプリントして、プロジェクトの目的をアピールする。将来的には、導水管で神宮の森から欅並木に水を送り、坂道の傾斜を利用して歩道脇に水場や小川を設置する。車道にも導水管から水が散水できるようにする。

例)竹下通りの入り口付近に手動のポンプを設置して地下を流れる神宮の森の水(旧穏田川)を汲み上げられる場所をつくる。汲み上げた水で竹下通り近くの原宿駅や車道・歩道に打ち水を行う。ここを訪れる若者達がいつでも自由にボランティアで打ち水を行えるようにする。

7. 森の風と生き物達の道を都市全体に広げていくためには、どうしたらいいだろうか。
神宮の森の周辺にある各小学校で森の風や生き物の道を活かしたまちづくりや暮らし方を学ぶ総合学習を行っていけば、子ども達の夢の広がりと共に自然とネットワークが展開していくかもしれません。ここから新しい物語が始まるかもしれません。
明治神宮周辺の小学校と霞ヶ浦で自然再生の取り組みを行ってきた石岡小学校等との交流を行い、当モデル事業の他地域への普及をはかります。

例)周辺の各学校にビオトープをつくり、集まる生き物を観察することで、地域の生物供給ポテンシャルを把握する。生き物をとおして地域と神宮の森のつながりを探る。生き物の目をとおして、地域の課題と潜在的な資源を見つける。霞ヶ浦での湖や水源地・谷津田の自然再生や小中学生の活動現場を見学し、地元の学習や活動に活かす。

8. 温暖化防止に向けた数値目標の身体化。
無味乾燥な数値目標から始まる取り組みではなく、地域の空間の文脈化や人々の生活文脈をとおして、数値目標を身体化していく取り組みをめざします。

例)森の風や生き物の道を広げ、森の恵を活かした暮らしやまちづくりを実現させるために必要な地域資源の空間配置や取り組みの空間展開を絵図に表現してみる学習。実現に必要な地域の人々のつながりをネットワーク図に表してみる学習など。取り組みの広がり(空間やつながり)によって、一人ひとりの脱温暖化への取り組みが重なり合い大きな効果(数値)に結び付くことを実感する学習。
省電力や3Rなどの取り組みもこの文脈の中で価値に変換され、価値の共有化としてより効果的に普及できる。

9. 表参道にエコロジカルネットワークの起点としての新しいブランド価値を創出する。
明治神宮の大きな森から街に流れ込む涼風や都市に広がろうとする生き物の道があることに、みんなが気付くことができる場、それが原宿表参道です。ここは環境の時代の新しい文脈が生まれ価値が創造される場です。
ここから付加価値の連鎖を都市全体に広げていきます。
ここを訪れる多くの人達に、神宮の森の恵みを感じてもらい、その価値を共有してもらうことで、都市に新たな文脈(物語)を創り上げるための様々な社会実験を行うことができます。

例)未来の表参道欅並木は・・・・。地域の潜在的な可能性を表現する未来図づくり。
並木に沿って小川が流れ、森の風の中をトンボや蝶が飛び交い人々も行き交う、青山通りの交差点で信号を待つ人々を表参道から吹き出す涼風が迎える。
未来の表参道を想像してみる。ここから始まる価値創造的な取り組みが、付加価値の連鎖をとおして、東京の未来図へと展開していく。
原宿表参道は、人々が新しい価値と出会う街。そして、新しい価値が生まれる街。
格好いいエコやおしゃれなエコ、可愛いエコがここから始まる。

10. 表参道から始まる物語(エコロジカルな文脈が都市に広がる)
表参道欅並木は、自然と対話する都市への道・・・・水と風で描く新しい都市。
脱温暖化の取り組みが、これらの文脈(物語)の中で、新たな価値を創造する取り組みへと転換され、多くの人々が共有する地域の価値(ブランド)の創出へとつながります。

明治神宮の森から滲み出し、都市へと広がる物語。

○森の恵みが見えるようになる。
○涼しい風の道が見えるようになる。
○生き物達の道が見えるようになる。
○みんなの思い出が見えるようになる。
○みんなの想いが見えるようになる。
○みんなの可能性が見えるようになる。
○眠っていた価値が見えるようになる。
○都市の未来が見えるようになる

もちろんその過程で様々な問題も見えるようになるが、それらの問題を乗り越える新たな価値も次々と見えるようになる。

「原宿表参道Eco*Avenue MOVEMENT 21」
2008年12月16日
NPO法人アサザ基金   代表理事 飯島 博

小学校環境教育出前授業

シャープ株式会社・気象キャスターネットワーク協働事業
「小学校環境教育出前授業」

2008年10月からシャープ株式会社NPO法人気象キャスターネットワークと協働事業を行っています。
地球温暖化防止に取り組むと同時に、自然と共生するまちづくりにも視野を広げる学習プログラムを全国各地で展開しています。

3者協働出前授業 概要

●学習テーマ
・「地球温暖化と生態系保護とリサイクル」
・「地球温暖化と生態系保護と新エネルギー(太陽光発電)」
●実施対象 全国の小学生4年生~6年生

子どもたちが主役の地球環境を守るまちづくりを全国展開!

地球環境問題は非常に重要な課題です。
温暖化や生物多様性の消失など地球環境問題は、全世界で非常に重要な課題です。
2008年7月の洞爺湖サミットが開催され、『2050年までに温暖化ガスを少なくとも50%削減すること』を世界全体の目標としました。また、環境問題はさまざまな要因が複雑に絡み合って起きています。
よって、それぞれ個別の問題としてとらえて対策を実行するのでは解決は期待できません。

子どもたちが主役の地球環境を守るまちづくりを全国展開!

私たちは、地球温暖化防止、循環型社会構築には地域に根ざした取り組みが不可欠だと考えています。
そこで、この事業ではまちづくりを通して環境問題に取り組んでいきます。その推進役は、子どもたちです。
未来を担う子どもたちの豊かな発想・感性を活かした学習からまちづくりを展開してきます。
そして、この地域ぐるみの活動が全国各地で展開していくことで、地球温暖化防止を実効のあるものにしていきます。
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下根中学校でCO2削減をテーマに取り組む学習を進めています

牛久市の下根中学校で、すでにこの協働授業を実施する計画が進んでいます。

下根中学校は、CO2削減をテーマに学習に取り組んでいます。牛久市で進められている『牛久市バイオマスタウン構想』と子どもたちの学習を連携させて、授業を行います。(牛久バイオマスタウン構想についての詳細はコチラ)生徒たちは、授業を通して牛久市バイオマスタウン構想の推進役として何ができるのか提案していきます。

下根中学校の学習プログラムは以下の通りです。

学習プログラム「循環未来図づくり ~牛久発見プロジェクト~」
1 「地球の中の牛久」発見! (気づき)
2 「牛久のお宝」発見!   (気づき2)
3 「牛久の可能性」発見!  (深める)
4 「牛久の未来」発見!   (提案する・問題解決)

※詳しくは、コチラ (PDFファイル)を参照

子どもたちは、牛久には眠っている遊休農地や廃油などお宝(資源)があることに気づきます。その後、昔の里山文化の資源の循環や知恵を地域の方から聞き取りをして、昔の里山循環図をつくります。また、現代の技術やシステムを調べ、実際にその技術を牛久に導入した場合の検証を行います。最終的に、牛久の特性にあった牛久ならではの循環型社会モデル構築を目指します。

また、この授業ではひまわり栽培を行い、資源の循環を体験します!

子どもたちと一緒に6月にひまわりの種を蒔き、育て、10月には出来た種を収穫します。ひまわりの種を絞って、油をとります。その油を使用して調理実習を行い、そこで出た廃油をバイオディーゼル燃料にします。

これは牛久市バイオマスタウン構想の中で、ナタネを利用して考えられている循環と同じものです。
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ひまわり栽培を通じて、バイオスタウン構想で計画している事業を実際に体験し学習します。

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授業の様子

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NEC田んぼ作りプロジェクト~上太田の活動記録~

2012年11月までの活動記録(バックナンバー)

2011/01/29
イベント 草刈り
レポート01 2011/02/09 草刈り作業と谷津田の生きもの
レポート02 2011/02/10 復田作業の様子
レポート03 2011/02/16 畦づくりの様子

レポート04 2011/02/25 田んぼにやって来た野鳥
 
2011/02/26
達人コース 除根・田起こし作業
レポート05 2011/03/11 除根・田起こし作業

レポート06 2011/03/29 アズマヒキガエル産卵

2011/04/16
達人コース 除根・田起こし作業2
レポート07 2011/04/27 田んぼへ入水開始

2011/05/07
達人コース 除根・代かき
2011/05/14
イベント 田植え・安全祈願神事
レポート08 2011/05/19 田植えの様子とビオトープづくり
レポート09 2011/05/20 谷津田散策

2011/05/28
達人コース 田の草取り・達人散策路開拓1
レポート10 2011/06/06 田の草取り・道づくり
レポート11 2011/06/22 田んぼの様子と生きもの

2011/06/25
達人コース 達人散策路の開拓2
2011/07/16
達人コース 達人散策路の開拓3
レポート12 2011/07/05 道づくり

2011/08/07
達人コース 田の草取りと、トキのえさ量調査を開始
レポート13 2011/08/17 トキのえさ量調査、出穂
レポート14 2011/08/26 夏の生き物の様子

2011/09/17
達人コース オダ用の竹採り
レポート15 2011/09/29 台風15号の影響とトンボの見分け方

2011/10/10
達人コース オダ立て、達人散策路の開拓
レポート16 2011/10/20 稲の様子と達人散策路開通

2011/10/22
イベント 稲刈り
レポート17 2011/10/25 稲刈りの様子

2011/11/12
イベント 脱穀
レポート18 2011/12/02 脱穀の様子
レポート19 2012/01/06 冬の田んぼの様子

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2012/02/25
達人コース 達人田んぼの復田・草刈り
レポート20 2012/03/02 手作業での復田
レポート21 2012/04/16 春の谷津田の様子

2012/05/06
達人コース 種まき・達人田んぼ耕起
レポート22 2012/05/11 横田農場で種まき・達人田んぼづくり

2012/05/19
達人コース 代かき、竹林整備、達人田んぼ五百万石田植え
2012/06/09
イベント 日本晴田植え
レポート23 2012/06/13 代かき・田植えの様子

2012/06/23
達人コース 一の草・ホタル散策路づくり
レポート24 2012/07/05 一の草と竹林整備の様子

2012/07/08
達人コース ホタル散策路づくり2
2012/07/22
イベント 草取り・ホタル観賞
レポート25 2012/07/31 草取りの様子と達人田んぼ

2012/08/11
達人コース 三の草・達人田んぼ畦なおし
レポート26 2012/08/30 出穂の様子

2012/09/15
達人コース 達人田んぼ・五百万石稲刈り
レポート27 2012/09/25 達人田んぼの稲刈りの様子

2012/10/06
達人コース 達人田んぼ・五百万石脱穀
2012/10/27
イベント 稲刈り
2012/11/10
イベント 脱穀
レポート28 2012/11/28 手作業による稲刈りと脱穀の様子

UBS RICE Project in 潮来市清水(2009~2012)

①UBS RICE Project in 潮来市清水とは

UBSと、潮来市清水地区の地域の人々、学校が協働で行う霞ヶ浦資源地・谷津田の再生、保全プロジェクトです。プロジェクトのビジョンは「100年後にはトキが舞う谷津田、100年後にトキが舞う霞ヶ浦」です。

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②UBS RICE Project in 潮来市清水の特徴・意義

清水地区の谷津田は、約20年前までコウノトリが飛来する環境でした。下流の谷津田を含めると霞ヶ浦最大の面積を誇っています。また、水郷潮来の水源地でもある重要な谷津田です。この場所を2008年より再生しています。

生きものが戻った谷津田は、地域の児童に対する環境教育の場になります。さらに谷津田で収穫した酒米は、地域の伝統的な酒蔵に提供され純米原酒が出来上がります。

プロジェクトのパートナーであるUBSはスイスに本社を置く外資系の会社です。働く社員の皆さんは本業以外での社会貢献に対する意識がとても高く、プロジェクトに積極的に参加して下さっています。本プロジェクトにおいては、単に金銭的な支援やボランティア活動に留まらず、地域の方々との交流を通して日本の伝統文化や考え方に触れる機会にもなっています。

③UBS RICE Project in 潮来市清水の効果

・再生後は多くの生きものが戻り、生物多様性が向上しています。

・観光地として有名な水郷潮来の風景は源流であるこの場所で作られるといっても過言ではありません。谷津田を再生することは、潮来市全体の活性化につながります。

・水郷潮来とこの谷津田のつながりを知らない地元の人も増えています。地域住民が地元の自然を再認識する取組みにもなっています。

・近年、日本酒の市場は縮小傾向にあり、地域の酒造りも苦境に立たされています。本プロジェクトは地場産業の活性化にもつながっています。

・酒瓶の最終包装は、地元の社会福祉協議会の作業所(潮来市心身障害者福祉センター)に依頼しています。心身障害者の社会復帰に向けた業務確保にも貢献しています。

④UBS RICE Project in 潮来市清水の活動内容

潮来市清水地区で休耕化した谷津田をUBSの社員の皆さんと地域の方々で再生し、酒米「日本晴」を育てています。田植えや稲刈りを皆で行い、戻ってきたホタルの観察会も行っています。無農薬、無化学肥料で栽培し、収穫した米は地元の酒蔵で醸造されオリジナルのお酒が出来上がります。イベントはトンボ公園のじゃらんぼプロジェクトとも協働して行い、地元農家さんも参加されるので大変にぎわいます。

  1. 環境教育蘇った谷津田では地域の子供たちを対象に環境教育を行っています。谷津の下流にある牛堀小学校にはビオトープが設置され、上流にあるこの谷津田と生き物の道でつながっています。
  2. 自然再生・生物多様性谷津田再生後は生きものの種数が大幅に増加し、イタチも確認されています。谷津田を再生したことによりカエル類や昆虫類等の生きものが増え、それらを捕食するイタチ等の哺乳類にとって良好な生息環境となっていると考えられます。
  3. 社会を変える谷津田周囲は開発が進んでいますが、地域振興には直接結びついない現状があります。従来行われてきたような自然破壊を伴う開発による振興ではなく、今ある自然を活かして地域を振興するという発想の転換を行っています。
  4. 循環型社会この谷津田は水郷潮来の水源地です。この土地の豊かな自然を知って育った子供たちが成長し、潮来市の振興に貢献してくれることでしょう。このように霞ヶ浦流域の水循環を通して社会の循環も作っています。
  5. 地域活性化農業の新たな担い手が少なくなる中、都市に住む企業の若者がたくさんプログラムに参加しています。水源地、生物多様性の保全という新たな付加価値を与えた農業を普及すれば地域が活性化します。
  6. 企業との恊働谷津田の再生は、グローバルな金融機関であるUBSと協働で行っています。社員一人一人の地域貢献に対する意識が非常に高い企業です。このプロジェクトは社員の皆さんが活躍する場になっています。また、海外出身の方が日本文化を理解する場になっています。

2008 Charity Ball ~Green Carpet~ UBSの森

UBS証券 「2008 Charity Ball ~Green Carpet~ UBSの森」とは?

谷津田としての機能が失われてしまった未利用地を里山として再生し、霞ヶ浦の水源地保全と共に、企業と協働で再生することで都市と農村の新たな価値とつながりを生み出しています。また、採取されるミツバチの蜂蜜の味から、森の再生の変化を感じるプロジェクトです。

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プロジェクトの概要

日本で2番目の大きさの湖「霞ヶ浦」は、流域面積あたりの森林面積が2割を切っていて近々の課題となっています。水源地となる森林を再生し、豊かな里山を取り戻すことにより都市と農村がつながり、地域活性化を図ると共に、生物多様性などを学ぶ地域の子ども達の環境教育の場を提供することを目的にスタートしました。

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 里山の再生は、霞ヶ浦流域の水源地の保全・再生を図る上で、重要な役割をもっています。水源地である谷津田の周りには林があり、林はその水源を涵養する機能を持っています。「UBSの森」も霞ヶ浦の水源の森です。里山はフクロウ、オオタカやタヌキなどの身近な生きものが生息するなど生きものたちの宝庫でもあり、地域の文化を継承してきた場所でもあります。森と地域の絆ができることによって里山は様々な生きものたちと出会える場所になります。
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また、このプロジェクトは、UBS社員からの寄付から生まれていて、地域社会に貢献したいというUBS社員の皆様の想いの結晶が根底にあります。

プロジェクトの特徴

対象地域は、谷津田としての機能が失われてしまい、樹木が全生えていない荒れ地でした。そのような場所(未利用地)に、植樹と林床植物の再生、土壌の改良を行うことにより、多様性のある森本来の役割を取り戻すことができます。
植樹だけでは、本来の雑木林は再生しません。このプロジェクトでは、林床にも本来の植生を再生することを目指しています。林床の植生は、採蜜植物にもなります。

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霞ヶ浦流域の水源地の保全・再生を図るうえで里山の再生は、重要な役割をもっています。水源地である谷津田の周りには林があり、林はその水源を涵養する機能を持っています。それだけではなく、昔の人々は里山からの恵みを循環させるシステムを実体験から作り上げ、生きものと共存してきました。さらに里山は地域の文化を継承してきた場所でもあります。また里山はフクロウ、オオタカやタヌキなどの身近な生きものが生息するなど生きものたちの宝庫でもあります。

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生き物が住めなくなっている里山に、手入れが入ることで元々あった多様な林床植物が戻ることによって、里山環境が再生されます。森の草花からミツバチが集めた蜂蜜のテイストの変化を感じることによって、数値化することの出来ないその効果を体感できます。

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プロジェクトの効果

本プロジェクト地は牛久市バイオマスタウン事業を代表する菜の花の栽培地や、キヤノンマーケティングジャパンとアサザ基金の協働による菜の花・ひまわりの栽培地、地元農家によるソバの栽培地とも接しています。本再生事業を行うことで、地球温暖化の防止、自然との共生モデルが首都圏内に誕生することとなり、茨城県で、日本でこの取り組みがモデルとなっていきます。

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ミツバチが一生かかって集める蜂蜜の量はスプーン1杯程です。そして、その採蜜の行動範囲である半径約2キロメートルから集まる蜂蜜には、その時期、その地域の生態系の情報など、従来の調査や数値による評価手法では計り知ることができない壮大な情報が凝縮されています。ハチミツを口にした人は、味わいや香りを感じることで、そこに咲く花、暮らす生きもの、ミツバチが彼らの文脈で読み取った地域の多層的な情報を五感で感じ取り、そこに潜在する里山のテイストをイメージすることができます。

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里山は人と自然の交流によって生まれる場です。人と自然、人と人をhoneyに結びつけることで、「UBSの森からひろがる里山テイスト」で、都市と農村をつながります。
本プロジェクトを通して、下記の効果を得ながら、現代版里山づくりのモデル構築に取り組みます。原宿など都市で行われている養蜂とも結びつけることで、都市の蜂蜜テイストも活かし、里山の再生を通して、生態系や生物多様性、循環型社会、地球温暖化防止など社会モデルの構築を目指します。

プロジェクトの活動内容

2009年4月
UBS社員と家族のボランティアが地域の人々とともに、植林を行う。シンボルツリーになるシダレザクラを含む73本の木を植える。
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2010年4月
再びUBS社員と家族のボランティアが地域の人々と共に植林を行う。バイオディーゼル精製現場を見学し、UBSの森でお花見。
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2010年9月
UBS社員と家族のボランティアが、在来種であるニホンミツバチのための巣箱を組み立て、UBSの森に設置。草刈り等の作業も行う。ハチミツプロジェクトのスタート!

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2011年4月
アサザ基金事務所に、ニホンミツバチの分蜂群が現れ、UBSの森の巣箱へお引っ越し。数週間で定着し、順調な巣作り、集蜜が行われる。
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2011年10月
UBS社員と家族のボランティアが、2010年に設置したニホンミツバチの巣箱から、採蜜を行う。ミツバチの蜜源となる野草の苗を植える。
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2012年4月
ヤマツツジや果樹を植樹、シノダケ刈りを行う。
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2012年9月
UBSの森で昆虫採集、再生を確かめる。ススキや草の成長を促すために土壌改良を行う。ミツバチの巣からミツロウを取り出し、キャンドルづくりを行った。
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2013年4月
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2013年8月
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プロジェクトとアサザプロジェクトの位置づけ

地域活性化
広範囲の採蜜(環境)情報を教えてくれる蜂蜜のテイストから、生態系や地域特色を感じ取り、未来の地域環境のあり方を想い描くことができる。人々の感覚を呼び覚ますことによって、地域に潜在するつながりや文脈を浮上させることが出来る。

環境教育
ミツバチが採蜜範囲(行動圏)から収集する環境情報として、みつのテイストを捉え、感性を通して里山全体のつながりについて学ぶ。

社会を変える
ハチミツのテイストという数値化が困難な人の感性によって、人と自然を結び付けることで、豊かに楽しくhoneyに地域の未来を考え、創り上げる。個々の人たちの感性を重視した先駆的なモデルとして全国に発信します。

企業との協働
世界で仕事をするUBS社員と、ハチミツの商品開発を一緒に行い、日本の里山の価値や文化をブランド化する。企業が行った森づくりの成果を、ハチミツのテイストを通し、日本の伝統文化と共に世界へ発信することが出来る。

循環型社会
ミツバチの蜂蜜のテイストを感じることによって、潜在的な地域資源のつながりを感じ、感性豊かな地域特性の発見を促す。

自然再生・生物多様性
半径2㎞のニホンミツバチの生活文脈を通して、きめ細かく地域の環境の変化を把握していく。採蜜された蜂蜜のテイストを通して、自然再生された里山環境の変化を感じ取っていく。

かっぱん田

    損保ジャパン日本興亜環境財団・CSOラーニング生「かっぱん田」とは?

「木を植えるより木を植える人を育てたい」。
損保ジャパン日本興亜環境財団の理念の元、首都圏の大学生と地元中学生が主役で行う牛久沼の水源地再生と地域ブランドづくりを一体として行う取り組み『かっぱん田』が2010年に始まりました。
この取り組みでは、未来を担う人づくりをしていくことを目指しています。

プロジェクトの舞台は、牛久沼の水源地である『遠山の谷津田』と呼ばれる谷の先端にあります。

『遠山の谷津田』は、周囲の森林からのわき水が湧きだし、サワガニやホタルなど貴重な生物も住む自然豊かな場所ですが、高齢化などに伴い耕作放棄地が増えています。

『遠山の谷津田』に近い牛久市立牛久南中学校の生徒たちは、総合的な学習の一環でこの谷津田を何年も調査しています。
地域の課題(耕作放棄地の拡大・農業の高齢化など)に気づいた生徒たちは、「トキの舞う谷津田」という目標を掲げ、谷津田再生を提案してきました。

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トキという目標は、遠山の谷津田全体が再生され、環境を大切にした農業がおこなわれ、牛久沼とのつながりが再生した未来を表しています。
そこには、再び自然と人、自然と自然、人と人のつながりを取り戻すことも含まれます。
この中学生の提案を受け、損保ジャパン日本興亜環境財団の支援のもと、首都圏の大学生(損保ジャパン日本興亜CSOラーニング生)が復田を企画・実施。
大学生がどろどろになりながら自分の手で作業も行い、2010年春、荒地が田んぼに蘇りました!
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【大人の背より高い草や木がびっしり生えていました】
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【生きものいっぱいの田んぼに蘇りました!】
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牛久沼で有名なかっぱがいつか来てくれるようにという願いと損保ジャパンのキャラクターのパンダをかけて「かっぱん田」と名付けられました。

谷津田再生によって「つながりの輪風せんべい」が誕生!

かっぱん田には、カエルやトンボなどの生きものの姿や人の笑顔が戻り、人、自然、生きものなどさまざまなつながりが戻ってきています。
毎年田んぼでは、首都圏の大学生や損保ジャパンの社員さんが手作業で、無農薬・無化学肥料で生きものと相談しながらお米作りをしているからです。
できたお米(もち米)は、地域の佃煮屋さん(小美玉市・大形屋商店)で、密漁をしない霞ヶ浦のえびを使い福祉作業所つばさの方が手作業で丁寧につくった「えびせんべい」になります。

えびせんべいのブランド化は地元の中学生が行っています!
この「えびせんべい」は、地元・牛久南中の生徒が総合学習の一環でブランド化し、地域の福祉施設などで販売しています。
せんべいの名前は『つながりの輪風せんべい』。
中学生がラベルデザインや価格・マーケティングなどを行いました。

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『つながりの輪風せんべい』という名前には、これまでつながっていなかった人や物、自然が再びつながることでこのせんべいが出来上がったという過程と、このせんべいを使ってもっと多くのつながりを取り戻したいという想いがこもっています。
ラベルのデザインでは、霞ヶ浦を舞台に様々な人やものがつながり、新たな価値が生まれ広がっていく様子を表しています。
できたせんべいは学校近くの福祉施設で販売し、すぐに完売するほど好評でした。
これらのほかにも、生徒たちは自分たちの考えをもっと多くの人に伝え、理解してもらうために販路拡大(=谷津田再生地の拡大)に着目し、今後は自分たちでせんべいを置いてもらう店を増やしていく予定です。

失われたつながりを取り戻したり、新たなつながりを創造していく、この「せんべいづくり」(モノづくり)の体験を通して、中学生たちは様々な人や物事、多種多様な考え方に触れ、豊かな発想力を持つこれからの地域社会の作り手として育っていきます。
実際のモノづくりを通して地域の人の反応や、水源地が再生していき生物多様性が豊かになっていく経験を通して、生徒たちは自分たちにも社会を変えていくことができるという手応えを感じるとることができます。

2012年度からは毎年学習を引き継ぎ、その年の1年生を中心に活動を続けています。せんべいの販路は、さらに拡大していく予定です。
また、1年間の学習が終了した後も有志が集まり、アサザクラブというクラブを結成し、谷津田再生に向けて自主的な活動を行っています。
アサザクラブの生徒企画による地域住民へ向けての「谷津田ツアー」の実施や市役所へ提案書の提出など新しい社会への働きかけが始まっています。
谷津田再生に関する要望書

今後も毎年、首都圏の大学生、中学生がアイデアを出し合いながら、かっぱん田とその先に続く谷津田を舞台に新たな自然再生プロジェクトや牛久のまちづくりを進めていきます。

かっぱん田の特徴

・首都圏の大学生が主役となって、企画・運営。

環境に関心のある首都圏の大学生が主役となって、1年の田んぼ作業や収穫祭、今後の展開などを企画・運営しています。
目の前で起きている環境問題や地域の問題やその解決策を実際の現場で学ぶことで、これから社会に出る大学生の人材育成につながります。

・地元中学生の総合学習と連携!

牛久南中生徒が、総合学習の時間にかっぱん田をフィールドとして、生物調査や水質調査などを行っています。
大学生も中学生に授業を行ったり、中学生のアイデア実現を手伝ったりするなど、大学生と中学生、双方の人材育成につながっています。

・さまざまな立場の人たちの協働事業!

首都圏の大学生・企業・地域の中学生・地域の商店・福祉施設・NPOなど、さまざまな立場の人が、それぞれの持つ力を発揮しあいながらプロジェクトが行われています。

かっぱん田の効果

・牛久沼の水源地保全

かっぱん田でわき出したわき水は、やがて牛久沼へ流れていきます。
無農薬無化学肥料でお米作りを行うことで、きれいな水を下流の田んぼや、川、牛久沼へ送ることができます。

・生物多様性保全

無農薬でお米作りを行い、生きものに影響があると言われる中干しは行わず、冬も水をはり(冬期湛水)1年を通してたくさんの生きものが住めるような農法をみんなで考え、実践しています。

・未来を担う人材育成
・商品のブランド化による地域活性化
・福祉作業所の方の仕事づくり

かっぱん田の活動内容

・1年間の田んぼ作業
損保ジャパン日本興亜の社員と損保ジャパン日本興亜CSOラーニング生の首都圏の大学生が、手作業でお米づくりを行っています。
通年を通した田んぼの作業(田起こし、田植え、草取り、稲刈り、脱穀、収穫祭(収穫したもち米を使った餅つき))を、首都圏の大学生が主体となり企画して行います。

プロジェクトとアサザの位置づけ

【地域活性化】

空洞化が進む地元商店街との協働によって、無農薬無化学肥料でつくる自然再生のお米や地域の中学生によるブランド化、福祉などの新しい文脈の付加価値がある商品が広がっていくことで、商店街を地域に新たな価値を創造するネットワーク(つながり)の中に位置づけなおすことができます。商店街をひとつの場として、新たなつながりや地域の多様な人々との価値や夢の共有化を進めることで地域活性化へつなげます。

【環境教育】

地域の中学生が足元の環境を学び、地域資源を生かした「人と自然が共生するまちづくり」を提案し、環境問題に関心のある東京の大学生と共に実際の社会へ働きかけていくこの取り組みは、未来を変える人づくりにつながります。

【社会を変える】

中学生・大学生が企画・提案し、企業、地元商店、福祉、地域住民など多様な主体を結び付け、地域活性化と自然再生が一体となった商品やまちづくり社会に実現していく発想をもった人を育てる・社会を変えていく力を育むことが社会を変えていく原動力につながります。

【企業との協働】

損保ジャパン日本興亜環境財団のビジョン「木を植えるより木を植える人を育てたい」と、アサザ基金の「従来の枠を溶かし新しい文脈で社会システムをつくっていくことができる発想を育むことで人の生き方を変えていく」というそれぞれのコンセプトが一致し協働しています。

【循環型社会】

地域にこれまでの縦割りの枠を超えた福祉、教育、漁業、農業、地元商店など分野を超えたつながりを生み出し、地域内に新しい文脈をつくっていく発想を育む循環型社会構築を目指します。

【自然再生・生物多様性】

生物多様性につながる水源地への働きかけを生み出す社会の動き(人・もの・金)をつくっていくという、教育プログラムによる生物多様性保全・自然再生がビジネスモデルとして組み込まれたモノづくりが次々に生まれる社会を目指します。

わくわく子どもの池プロジェクト

NECキャピタルソリューション株式会社協働事業 
「わくわくこどもの池プロジェクト」

概要


大都市である東京都内でも注意深くまちの中を見ているとチョウやトンボ、カエルなど様々な生きものの姿を見ることができます。
これらの生きものが見られるということは、それぞれの生きものが暮らしていくために必要な環境要素が東京という都市の中にあるということです。
たとえばチョウなら食草となる植物、トンボなら産卵するための環境や植物とヤゴの間を過ごす水辺です。
一見すると都市の中に生きものが暮らしていくために必要な環境や要素はあまりなさそうですが、実は東京という都市には生きものがなんとか暮らしていける環境が残されています。
また、意外と多くの生きものが都市周辺の農村地域から供給され、移動してきます。
しかし、それらの生きものが移動した先の都市には、生きものが定着できる場が多くはありません。

生きものが暮らしていくために必要な環境がある場所は、東京では学校や公園、寺社などに残っています。
これらの場所は都市の生きものの移動分散の拠点となっていると考えられます。
それらがカエルやトンボやチョウなどの生きものが移動できる範囲内に点在していることで、生きものはそれらを利用しながら暮らしていくことができていると考えられます。
このように都市の生きものたちはそれら拠点とそれをつなぐ生きものたちの通り道、「生きものの道」を使って暮らしています。
生きものの道は、上記の生息地のほかにも街路樹や民家の花壇などによっても形成されています。
しかしこれらの環境は生きものの生息や移動に配慮したものではありません。
そのため生きものの視点で少し改良を加えることでより多くの生きものが都市の中にやってきて生息することができるようになるポテンシャルがあります。
現在の都市は人のための道、建物、空間配置によって作られてきた結果、生きものとっては大変暮らしにくい空間となっていますが、多くの生きものと人間が共に暮らしてきた里山文化を活かすことで、自然と共存する都市づくりへの転換が可能です。

そこで生きものとの出会い、共生できるまちづくりを強く望んでいる都会の子どもたちと生きものと共生できるまちづくりを進めていく取り組みがこのプロジェクトです。
小学校等でこどもたちと生きものを知り、地域を知り、生きものの道を調べるなど未来の都市づくりを考える環境学習とセットで、学校に生きものを誘致するためのビオトープ池をつくっていく活動です。
いつも通う学校で生きもののすみか、供給拠点となる学校ビオトープと呼ばれる池を作り、学校の周りから自力でやってこられる生きものを誘致します。
その成果を活かして、今度は自分たちのまちがどうしたら生きものと共生していくことができるか考え、地域に提案し、まちづくりの実現に取り組んでいきます。
次世代を担う子どもたちと一緒にまちづくりに取り組むと同時に、人材育成も行っている取り組みで、NECグループの中でリースやファイナンスを行うNECキャピタルソリューション株式会社が社員ボランティアと活動資金を、アサザ基金が学習プログラムやビオトープ作りのノウハウを持ち寄り協働で取り組んでいます。また墨田区や北九州市と協働で継続的に小学校での学習を進めています。

特徴


子どもたちと生きものの目になって都市空間を読み直し、生きものと共生できるまちづくりの実現に向けた可能性を見出し、都市の空間を生きものの目で読み直し、新たなまちづくりを実現していくこれまでにない取り組みです。
次世代を担う子供たちと都市の中に残る生きものの供給拠点を増やし、その間の生きものの道をつないでいくことで、生きものと共生できるまちづくりを実現していきます。
都市と農村を結ぶ生きものの道づくりまで視野を広げた学習を行います。子どもたちの意欲が強ければ強いほど、取り組み成果が上がる可能性の高い取り組みであることも特徴的です。

効果


これまで(2013年3月時点)都内を中心に30の小学校等がこの取り組みに参加してきました。
墨田区のように継続的に参加しているエリアでは、区内に学校ビオトープのネットワークができてきています。
ある学校ではトウキョウダルマガエルが見られるなど、ビオトープネットワークの効果もでてきているようです。
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このようにこの取り組みによって、こどもたちが都市空間を生きものの目で読み直す力を身につけることができるようになり、さらに、自然と共存する都市を構想できる人材育成を実現することができました。
特に東京都内では、里山地形が残されていることを活かして26校でこの構想にもとづくビオトープ池を造成してきたので、里山地形を通して生きものたちが広がっていくことができる起点、学校ビオトープネットワークが広がってきました。

活動内容


参加希望校の募集をNECキャピタルソリューション株式会社が窓口となり行います。
学校との打ち合わせからアサザ基金も参加し、ビオトープ池の造成と造成後に時間をおいてやってきた生きものを観察する授業まで、計10コマ程度の出前授業を実施していきます。
自然が豊かな地域から都市に移動してくる生物が定着できるようなるようにしていきます。
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この取り組みはこどもたちが主役なので、私たちはこどもたちの学習が最大限うまく進むように陰からサポートするのが主な活動内容です。(基本カリキュラム提示)
こども達の生きものに対する興味・関心を徐々に広げていき、最終的にはこども達の夢の実現の場(未来の都市づくりの第一歩)としてビオトープ池をこどもたち自らが作り、大人はサポートに徹する点がこの事業の特徴です。
座学以外にも校外に生きものの道を探しに行くことや既に池がある場合にはその池の生きもの調べを行い、生きものたちから既存の池の改良できる点を教えてもらいます。
そしてこどもたち自らがビオトープ池の設計を考え、実際に設置工事も行います。
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NECキャピタルソリューション株式会社では、未来を担う子どもたちに「自然と自分とのつながり」や「生きものを守ることの大切さ」を伝えるため、2007年からビオトープづくりを通じた環境教育プログラムを提供する社会貢献活動「わくわく子どもの池プロジェクト」に協働で取り組んできています。

位置づけ


・地域活性化:  人の生活のために特化した都市空間を生きものと共生できるまちづくりという文脈で空間を読み直すことで、都市に潜在している資源・価値を浮上させます。それを活かして自然と人間が共存する場として都市を里山化するという環境未来都市をイメージすることで、都市に人・モノ・カネの新しい動きを作り出します。
・環境教育: 都市と農村で二分化する固定された発想から、それらを生きものの道(移動・供給)で被われた同一平面として捉え、生きものの道を増やすことができる場として捉えなおすことで、都市空間をより創造的に読み直すことができるようになります。こども達は日々見慣れた都市空間の読み直しをする力(発想の転換)を身につけることで、地元に潜在する様々な価値や可能性を浮上させ、自然と共存する都市をイメージできるようにします。
・社会を変える: 子どもたちが地域の特色を知ることで、生きものの視点で都市を見直すという発想の転換により、地域の大人(PTA、自治会、企業、行政など)を巻き込みながらこの事業を進めることができ、自らの手でまちづくりを実現していくという新たな社会づくりのモデルとなります。
・企業との協働: NECキャピタルソリューション株式会社の企業理念、「Capital Solution」を通してより豊かな社会の実現に貢献する、をこの協働事業で実現するために、都市に潜在する資源(キャピタル)を活かして生きものと共存できるまちづくりの実現に取り組みます。このまちづくりの実現によって豊かな社会の実現に取り組みます。
・循環型社会: 都市に残る地形などを活かす発想を今後のまちづくりに取り入れていくことで、都市の里山化を実現していくことができます。そして里山の資源循環を活かした都市型の循環型社会のヒントを得る場となります。
・自然再生・生物多様性: 都市の里山化という発想で都市空間を見直すことで、学校や公園、街路樹などの社会資本や谷津田地形などが持つ、生きものの生息地や生きものの道としての機能を発揮させ、都市空間に自然と共生するまちづくりを実現していきます。

「湖がよろこぶ野菜たち」

霞ヶ浦の外来魚対策事業
( 生物多様性の回復と水質浄化、漁業の振興のための外来魚魚粉化・利活用、農作物ブランド化事業 )
農林水産業、加工業、流通業、小売業、消費者、NPOによる協働事業

湖がよろこぶ野菜たちとは?


霞ヶ浦で増加する外来魚の問題は解決が難しいとても大きな問題です。
この問題を解決していくためには問題を資源化するという新しい発想が必要です。
またひとつの事業で多面的な効果が期待できる取り組みによって広域的かつ継続的に対策が行われていくことが必要です。
そしてその取り組みを拡大、継続していくためには年度単位で事業が終了する行政主導による取り組みではなく、
事業を発展させるビジネスモデルを用いた取り組みを行っていく必要があります。
そのビジネスモデルをつくりあげていく取り組みが本事業です。

このビジネスモデルをつくためには、流域で生活を営む漁業・加工・農業・流通・小売・消費者・NPOなどさまざまな主体がかかわる霞ヶ浦再生に向けた新たなつながりを生み出すことが必要です。
そのつながりを作っていくのは霞ヶ浦再生を実現する仕組みから生まれる「野菜」です。この野菜が作られ、流通消費されていく、この流れから生まれる価値を商品に付加してブランド化を図り、事業を拡大、継続させていくビジネスモデルです。
霞ヶ浦再生を実現する仕組みとは、具体的には以下の図のような流れになっています。スライド1

1.市場価値のない外来魚は漁業によって捕獲されずその量は増える一方です。
そこで外来魚に市場価値を付与することで、漁業者に外来魚増加に対する抑制効果のあるまとまった量を水揚げしてもらいます。(漁業収入となる)
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2.その外来魚を肥飼料(魚粉)へと加工してもらい、それを流域の農畜産業で化学肥料等の代わりに活用いただきます。
湖の魚たちは成長過程で窒素やリンといった湖の富栄養化物質を体内に蓄積しています。
水から取り出すことが難しい富栄養化物質を漁獲を通じて取り出し、活用することができます。
これは霞ヶ浦の水質改善になります。
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3.できあがる農作物に上記1.2の費用を組み込み、このシステムの周知を図った上で、「湖がよろこぶ野菜たち」という霞ヶ浦再生ブランドとして地元スーパーで流通、消費者が購入、消費することで、持続可能な霞ヶ浦の再生と活性化をビジネスモデルとして実現しています。
このビジネスモデルの規模が大きくなるほど生まれる効果も増していくので、この問題の解決にビジネスモデルで取り組むことは効果的であると思われます。
この野菜が売れれば売れるほど外来魚を減らすことができるシステムです。
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特徴


この事業は従来、行政が行ってきたような外来魚の駆除にも処分や費用をかけて実施する自己完結型の取り組みではなく、市場価値のない外来魚を肥飼料へと変えること(問題の資源化)で価値を生み出すことから始まる一石何丁もの効果が生まれる取り組みです。
またこの取り組みはそれぞれ役割を担う人々の生産意欲を引き出すことができ、事業が拡大継続していくポテンシャルを持っています。
また社会の中で各主体が潜在的に持っている社会的機能を発揮することで、部分最適化ではなく、全体最適化が民間によって進む社会システムづくりにもなっています。

効果


・霞ヶ浦の生物多様性保全効果:漁師による大量捕獲による生態系レベルでの外来魚駆除効果を実現。これまでに約409tの外来魚の駆除を実現。
・霞ヶ浦の水質改善効果:外来魚の水揚げを通じた富栄養化物質の回収
これまでに窒素約10.2t、リン2.8tを湖から回収。行政による水質浄化事業(底泥浚渫)は窒素100kg回収するためにかかる費用は2161万円に対して、本事業は28万円、同様にリンは2億1千万円程に対して、137万円とケタ違いの費用対効果となっています。
・漁業振興:市場価値のない外来魚に価値を付与して水揚げを実施。これまでに約2000万円の漁業収入が生まれた。
・霞ヶ浦の水質保全効果:外来魚からできあがる肥料を流域で化学肥料の代わりに活用することで、新たに流域外から栄養が供給されることを防ぐことができます。
・環境保全型農業の推進・農業の活性化:有機農産物の規格に乗せることができない大多数の農家にも、この魚粉を使用することで、霞ヶ浦の自然再生・水質改善に参加できるシステムを提供し、環境保全型農業への意識が高まります。この事業は、以上のような一石何鳥の効果を生みだすことができる取り組みです。

活動内容


この取り組みの企画運営・連絡調整等をアサザ基金が担っています。
従来つながりのなかった多様な分野をつなげるビジネスモデルを構築し、それぞれの参加主体には本業を通じてこのビジネスモデルシステムへの参画をいただいています。
具体的には、霞ヶ浦漁業協同組合やきたうら広域漁協の漁師さんに外来魚の捕獲を依頼し、捕獲された外来魚を魚粉へと加工していただきます。(中央飼料株式会社
外来魚の水揚げ現場での運搬車への荷入れ作業などの現場作業を行います。
できた肥料はJAやさと、武井蓮根農園などの農業生産者の方に活用いただき、出来上がる産品のブランド化とその流通については株式会社カスミさん(スーパー)に協力をいただいています。
また新規にご参加いただけるパートナーの募集、開拓にも取り組んでいます。

位置づけ


地域活性化: 外来魚問題というマイナスをプラスに変換すること(問題を資源化する発想)で、霞ヶ浦の外来魚問題に流域の多様な主体が協働で取り組むビジネスモデルを構築できます。この発想の転換によって地域に新たなブランドを構築することを実現しました。
環境教育: 従来の「外来魚駆除を行っています」といった自己完結型・問題解決型の取り組みの限界を知り、真の問題解決には、多様な主体の協働による価値創造型事業による取り組みが必要であることを学習できます。また問題を資源に転換する発想を理解する場として活かすことができます。
社会を変える: 行政主導の取り組みの限界を明らかにし、民間主導による価値創造型の取り組みに転換するモデルとなる。環境問題と地域活性化を同時に実現できることを示すことで、霞ヶ浦の外来魚問題や水質改善に対してビジネスモデルの特性である事業の発展性や拡大への意欲、持続性を活かした実物大社会モデルの構築を、社会全体を視野に入れた上で行うことができます。
企業との協働: NPOが社会のホルモンとして機能を果たし、企業と多様な主体を結びつけ、企業の本業を生かした社会の問題解決に結びつけることができます。
循環型社会: この取り組みにより湖から活用できるアウトプット(漁獲や窒素・リン)を増大させ、経済効果を生み出し、行政による公共事業以上の効果を生み出すことで、社会的費用の削減といった効果を生み出します。さらに新たな社会システムの構築を通して湖をめぐる物質循環システムも構築できるようになりました。
自然再生・生物多様性: 外来種・移入種問題という従来の取り組みや行政施策の限界を踏まえたうえで、民間の発想を生かすことで、霞ヶ浦の外来魚や水質汚濁といった解決が難しい問題にも取り組むことができる実物大社会モデルとなりました。

谷津田再生プロジェクト

三井物産株式会社・株式会社田中酒造店協働事業 谷津田再生プロジェクトとは?

牛久沼の水源地である谷津田の保全を図る取り組みです。
この取り組みの舞台となる谷津田は常磐線沿線では最も東京都心寄りに残る自然豊かな谷津田ですが、谷津田周辺は市街化が進み、今も水源の森では年々宅地開発等が進むなど市街化地域に囲まれた陸の孤島のような谷津田です。
 大きな地図で見る

残っている谷津田も耕作者の高齢化の進行、地下水位が高く機械化された稲作では悪条件の場所が多くなり、耕作放棄地が年々増加傾向にあります。
さらに田んぼのまわりには人の手が入らなくなった森林ばかりになりつつあります。
これらの要因によって里山の生きものたちが暮らしにくい環境となりつつあります。
そこで、この取り組みでは 三井物産株式会社(企業)との協働による保全活動を柱として、周辺住民や就農希望者などと連携を図りながら、昔ながらの里山と人との関わりを再構築し、米作り、そして地酒造りを通して谷津田全体を保全するモデルづくりを行っています。

谷津田再生プロジェクトの特徴


取り組み現場の谷津田は都市化、市街化の波にさらされる里山保全の最前線とも言える地域です。
この谷津田は市街化地域に囲まれた陸の孤島のような環境です。
残っている自然環境を守るためには、広大なエリアの保全が必要で、それを実現するためには企業との協働だけではなく、周辺の市街地の住民の方、新規就農希望者など谷津田保全に参加していただく必要があります。
そこでこの事業を核として保全再生を進め、谷津田保全に参加する人々の輪を広げることで、広大な谷津田全体の保全を実現していきます。

谷津田再生プロジェクトの効果


里山再生
 この取り組みによって耕作放棄地となった谷津田とその周辺の森林整備など6000㎡程が再生しました。
 伝統的谷津田景観に見られたため池を復元したことで、生物多様性の保全も進んでいます。
生物多様性保全
 年々谷津田の生きもの相、質が向上し、生物多様性保全の場をして機能しています。
地域との協働
 協働先である企業から参加する方だけではなく、地域で興味のある方にも一緒にプログラムへ参加いただくことで、谷津田を保全する取り組みの輪が拡大されています。
伝統産業との協働
再生した谷津田で平地の田んぼとは異なる谷津田の特性を活かす酒米作りを行っています。
できた酒米を320年以上の歴史ある取手の田中酒造店さんに日本酒に醸造いただき、国内外でこの取り組みひとつの成果として活用いただいています。
地域活性化
 上記のような効果を通じて、谷津田を中心に様々な活性化が図られます。

s再生前 s再生後sザリガニ駆除 s開拓中sチュウサギ sオオイトトンボ

 

活動内容


田植えから、草取り、稲刈り、日本酒仕込み、日本酒蔵出しまで年6回プログラムを開催、毎回50名程度の参加者とともに谷津田の再生、保全活動に取り組んでいます。
プログラムでは、無農薬無化学肥料の稲作による谷津田の保全、手入れされなくなり笹藪となった森林整備、畑の開墾、竹藪整備、外来種対策など里山再生のための活動を行っています。

s田植え s除草 s稲刈り s仕込みs蔵出し

・地域活性化: 周辺が市街化された孤立した谷津田で、昔からこの地を守ってきた集落の方と周辺市街地に来た方が協働で保全活動に取り組むことで、新たなコミュニティづくりと都市と農村のコラボレーションによる地域活性化を進めていきます。
・環境教育:都市化の波にさらされる谷津田を、保全していくこの取り組みを自然と共存するまちづくりの視点でとらえ、こども達が様々な提案を行う学習の場として活かしていきます。
・社会を変える: 都市化の波にさらされている各地に点在する孤立していく里山を保全していくためには、新たな自然と人とのつながりを構築することが必要です。この谷津田の保全はそのつながりを構築するための新たな手法を実施する場とし、ここで得られた成果を他の場所で活かしていくことで里山の保全を図ります。
・企業との協働: 三井物産株式会社では、三井物産環境基金を通じて全国各地でNPOの活動協力や支援を行っています。この谷津田再生の取り組みは社員が地域に入り込んで活動する場として活かされるだけではなく、日本の伝統産業である日本酒づくりにも参加し、日本の伝統的な里山やものづくりを体験することで、新たな価値を創造する人材育成の場にもなります。
・循環型社会: ここは、都市住民との接点となる里山であり、都市の人々が里山で水や物質の循環を体験・学ぶことができる場となります。伝統的里山での循環をヒントに都市文化への発想の転換を促し、都市においても里山文化を活かした日本型の循環型社会づくりを始めることができるようになります。
・自然再生・生物多様性:  都市化する地域において、この谷津田を都市計画やまちづくりといった行政施策の中で自然環境を保全する場としての位置付けを確立していきます。これによりさらなる市街化が進む危険性をなくし、生物多様性保全を確固たるものとしていきます。

ハス田再生プロジェクト

NECフィールディング株式会社協働事業 「谷津田再生 レンコンづくりプロジェクト」とは?

① 概要
この事業で取り組む作物であるレンコンは、霞ヶ浦と関りの深い代表的な作物です。霞ヶ浦周辺は日本一のレンコン生産地であるため、レンコン栽培による湖への水質汚濁の負荷が大きいという課題を持っています。そこでこの取り組みでは霞ヶ浦を代表する作物であるレンコンに着目し、湖への流入負荷を削減し、霞ヶ浦再生につながるレンコンづくり、そのブランド化を通して、霞ヶ浦の再生と活性化を図る取り組みです。
霞ヶ浦で古くから栄えてきた歴史あるまち、土浦にある水源地谷津田をレンコンづくりで再生・保全します。土浦は霞ヶ浦の中でももっともレンコン栽培が盛んで、その栽培によって地域の農業が成り立っている一方で、霞ヶ浦への水質汚濁負荷が大きいとされています。そこで耕作放棄された谷津田をハス田(レンコンの水田)として再生、無農薬・無化学肥料は当然のこと、流出負荷もできる限り削減していく農法で水源地を保全していきます。さらにハス田は年間を通じて水が切れる時期がなく、(農法や収穫時期にもよりますが)冬も水を張っておく必要があるため、水の中で冬を越す生きものたちが暮らす場所として適しています。さらに水田に比べて湖との連続性が維持されているため、ハス田には湖から多くの魚類が産卵にやってきます。ハス田には、湖内では失われた浅い水域があるので、湖の生物多様性の保全・回復を図っていく場としても高いポテンシャルを有する場所であるといえます。
霞ヶ浦の水源となる谷津田では、農業の効率化が重視されて機械化が進むに従って、農地としての生産性が低い土地として耕作されなくなり、荒れ放題となって耕作放棄地が増えたことによって、水源地が持つ水の供給機能だけではなく、生物多様性の低下(メダカやホタルなどはほとんど見られなくなってきてしまっています)、里山の原風景の喪失といった問題も発生しています。耕作放棄地にはごみの不法投棄や残土の投棄など社会問題も起こってきている。そこで荒れてしまった水源地谷津田を再生させ、保全する取り組みのひとつとして霞ヶ浦を代表する水田作物であるレンコン作りにNECフィールディング株式会社のみなさんと2012年9月から取り組んでいます。

② 特徴
霞ヶ浦を特徴づける作物、レンコンづくりを通して、湖の環境保全への関心を高めていくことができる特徴を持つ取り組みです。また社員ボランティアが月1回集まって、耕作放棄された水田の再生作業から、その後のレンコン作りまで社員ボランティアが主体となって進めていく、社員参加による事業運営度が高い事業です。またつくば支店などから社員ボランティアが参加するなど企業活動のエリアと今回の取り組みの活動場所が重なるという点で初めての取り組みです。

③ 効果(見込みも含む)
・耕作放棄地の解消・・・まずは1300㎡の再生を目指します。今後の谷津田再生に生かすため、ボランティなどの人手による効率的な再生手法を作っていきます。
・生物多様性保全・・・ハス田は年間を通じて湛水状態なので、水辺の生きもののすみかとしての機能を持っています。その機能を発揮できるようなレンコンづくりを行うことで、多くの生きもののすみかとして機能するようになることが期待されます。生物多様性保全を図るこのモデルが広まることで、ハス田が持つ湖の周囲に多く分布する浅い湿地としての機能が活かされ、生きものの一大生息地となります。またこの場所は霞ヶ浦と川を通って生きものが行き来できる場であるので、それを活かし、湖と行き来する魚も呼び込み、産卵場となるなどの効果も期待されます。
・地域活性化・・・環境負荷の高いレンコン栽培で環境保全を図ることで、霞ヶ浦の主要作物であるレンコンに付加価値をもたせる新しいブランド化を進めます。これまでのレンコンづくりとは発想が異なる取り組みを行うことで、レンコンづくりに新たな流れを起こし、湖の環境保全、活性化を図ります。

s0.前 s1.生物調査s2.草刈り s3.再生s4.再生 s5.再生植え付け 成長中
収穫 生物

④ 活動内容
月1回、社員ボランティアによる現地の生物調査とフィールドの再生と保全作業を行っています。2012年秋から草刈り、土中に無数に伸びた根を抜き取るなどの再生作業に取り組んでいます。2013年春に、再生できた部分でレンコンの植え付けを行い、無農薬でレンコンづくりに取り組みました。瞬く間に多くの生きものが見られるようになりました。そして2014年春に最初の収穫を迎えることが出来ました。今後は面積の拡大と生物層の充実、質の向上を目指して現場をよく観察しながら活動を続けていきます。

⑤ 位置づけ
・地域活性化:霞ヶ浦の再生につながるという文脈づくりを通して生まれる価値を地域ブランドであるレンコンに付加することで、新しい発想に基づくコンテキストブランドの創出につながります。コンテキストブランドの創出により、多くの人々との価値の共有が可能になります。
・社会を変える:地域経済を支える主力作物レンコンに新たな価値(霞ヶ浦の再生)を付加することで、人々の価値観を変えていくことにつながります。
・環境教育: 地域を代表する資源を湖の自然とのつながりをとおして再評価することで、物語(付加価値の連鎖)を持つブランドを作ることができるという事例を学習する場となります。地域の環境保全と活性化を同時に進めることができるということを学ぶ場になります。
・企業との協働: レンコンづくりを通して、企業活動では構築できなかった地域とのつながりを作ることができ
ます。この新たなつながりから新たな展開が生まれる可能性があります。
・循環型社会: 地域の中でサービス展開する企業、そして社員が循環型社会の構造が残る谷津田でこのような取り組みを行うことで、流域内で空間展開している企業活動と里山の循環がミックスされた新しい循環型の取り組みが生まれる場になるポテンシャルがあります。
・自然再生・生物多様性: ハス田は生産の場としての機能のみが注目されていますが、年間を通じて湛水状態にあること、湖に連続した浅い湿地として捉えることができることなど、湖の生物多様性の保全を図るための高いポテンシャルを有していると考えられます。そこでその機能を今回の取り組みで証明し、流域に広がるハス田に広がることで流域の自然再生を図ります。

しょうゆで自然とつながろうプロジェクト

昭和電工マテリアルズ株式会社・柴沼醤油醸造株式会社 協働事業 「しょうゆで自然とつながろうプロジェクト」

現在更新作業中です。
① 概要
② 特徴
③ 効果(一部見込み)
④ 活動内容
⑤ 位置づけ

2012~2016年の取り組み
① 概要
霞ヶ浦の地域特性を活かした伝統産業である醤油づくりを通じて霞ヶ浦流域の自然再生を実現し、出来上がる醤油のブランド化を進めることで霞ヶ浦と地場産業とのつながりを取り戻すことで地域活性化を進める取り組みです。最先端のものづくりを行う昭和電工マテリアルズ株式会社と伝統的なものづくりを行う柴沼醤油醸造株式会社と環境NPOのコラボレーションによる新しいブランド醤油づくりの取り組みです。また伝統産業との協働によってアサザプロジェクトをより地域に根差したものにしていきます。
この取り組みは、2012年に昭和電工マテリアルズ株式会社のみなさんと荒れてしまった畑(耕作放棄地)を再生し、霞ヶ浦の外来魚を肥料(魚粉)として活用し、無農薬無化学肥料で大豆づくりに取り組みました。霞ヶ浦の外来魚からできた肥料を活用することで、霞ヶ浦の生物多様性の回復と漁獲を通じて水質の改善・漁業の活性化につながる取り組みにも寄与しています。(関連:霞ヶ浦の外来魚対策事業)収穫できた大豆は江戸時代から続く土浦の醤油蔵(柴沼醤油醸造株式会社)で醤油に醸造していただきます。醤油造りは土浦を代表する伝統産業(醤油蔵のある土浦は醤油造りにおいて江戸時代から続く関東の醤油三大醸造地のひとつです。筑波山周辺に広がる平地で大豆が栽培され、出来た醤油は舟運で霞ヶ浦、そして利根川を通り江戸に運ばれ、食卓を彩ったそうです。)であり、醤油造り、および出来上がる醤油の活用を通じて土浦を、そして霞ヶ浦を復活させるブランドとして展開していきます。そのために地元小学生とのブランドづくりの学習活動も展開していく予定です。

s高瀬舟 s醸造蔵

② 特徴
醤油造りは霞ヶ浦、土浦の地域特性を象徴するものづくりです。自然と共存する新しい社会を構築するアサザプロジェクトと古くからの伝統産業とのコラボレーションによるこの取り組みでは、きれいな水を湛え、活気にあふれる霞ヶ浦の復活を目指し、霞ヶ浦ブランドの醤油作りに取り組んでいます。そのために企業さんとの協働事業の枠組みの中に小中学校での学習までが明確に位置づけられている特徴的な取り組みです。
この取り組みの協働相手である昭和電工マテリアルズ株式会社は、霞ヶ浦から工業用水を取水している企業でもあります。こういった取り組み等によって霞ヶ浦の水質を改善することは、協働先にとっても良いことであり、協働によってお互いにメリットがあるのも特徴のひとつです。

s畑再生前 s畑再生中 s種まき s草取り s収穫 sできた大豆 s醤油仕込み 製品化
ビン

③ 効果(一部見込み)
・耕作放棄地対策: 6000㎡の耕作放棄地となった畑の再生ができました。カラスのたまり場となっていた環境が改善され、周辺に畑を持つ農家にも喜ばれています。
・霞ヶ浦の生物多様性保全と水質改善、漁業振興効果:湖の外来魚を捕獲することで出来上がる肥料を活用することで、霞ヶ浦の生物多様性保全と水質改善に寄与します。
・畑の生物多様性保全:環境指標生物として扱われることの多い歩行虫のトラップによる調査結果でも、再生前後で個体数が2倍に拡大するなど生物多様性の向上が見られます。
・里山の原風景の再生:畑やため池(ビオトープ))、草原や林を連続した環境として整備することで、里山の生きものが暮らせる原風景が再生できます。
・環境教育:参加者の環境学習効果はもちろん、できあがる醤油を活用する地域学習、環境学習を醤油醸造場周辺の小学校で行うことで、地域で脈々と行われてきた伝統的なものづくりや企業との協働や生きものについて学ぶ場として活用されます。
・福祉への寄与:できあがる醤油の箱詰めなどに参加いただくことで、社会参画の場となっていきます。
・地域活性化:上記のような効果を通じて、畑を中心に様々な活性化が図られます。sビオトープ造成2 sビオトープ sginyanma

 

④ 活動内容
耕作放棄され10数年がたった畑を社員ボランティアとともに再生するところから取り組み始め、プロの農家でも難しいとされる大豆の無農薬栽培に取り組みました。無農薬で栽培するために畑にビオトープ池を整備し、害虫の捕食者を誘致することやウサギやカラスなどの食害等を減らすために畑周辺部や隣接地の整備にも取り組んでいます。以下、活動履歴です。
2012年3月 耕作放棄地の再生、ビオトープ池の整備(畑の表面を覆うツル植物の除去、雑木伐採など)
6月 大豆の種まき、周辺部の笹藪の整備
7月 畑の草取り、霞ヶ浦での自然再生活動
11月 大豆の収穫、新たなビオトープ池の整備、周辺部の笹藪の整備
2013年3月 醤油の仕込み
2014年3月 醤油の蔵出し、仕上げ作業

s周辺林整備前 s周辺林整備中 s周辺林整備後

⑤ 位置づけ
・地域活性化: 伝統産業である醤油造りに霞ヶ浦再生という新たな価値を吹き込み、ブランド価値を高めることで、失われつつある地域の誇りを取り戻し、活性化につなげていきます。伝統産業は霞ヶ浦や地域、歴史を象徴するもので、それが持つブランド力やネットワークも活かすことで、新たに自然や霞ヶ浦、地域や人とのつながりを生み出していくことができます。
・環境教育: 地域の特性を象徴する伝統ある「ものづくり」を学ぶことによって、こどもたちが地域の伝統を活かした自然との共存と活性化を目指したまちづくりの発想を学ぶことができるようになります。
・社会を変える: 真の社会変革は古いものを捨て去るのではなく、古くからあるものに新たな価値を見出すものです。地域に深く根を張った伝統産業が霞ヶ浦再生という目標を地域の人々と共有することで、新たな結びつきと物語(コンテキスト)を得ることができます。
・企業との協働: 企業活動において霞ヶ浦とのつながりがある昭和電工マテリアルズ株式会社は伝統産業である醤油づくりに参加することで、地域特性を活かした地域貢献事業を行いたいと考えています。アサザプロジェクトは伝統産業が持つブランド力やネットワークを活かしてさらなる取り組みの拡大を図ることができます。
・循環型社会: 最先端技術が持つ効率と機能を活かすだけの循環型社会の構築は地域の文化を失わせるものとなります。伝統産業が持つ地域特性や資源、知恵や技術、人材を最大限に活かし、高付加価値のものづくりを行うという理念や考え方を、地域に根差した循環型社会の構築に活かしていきます。
・ 自然再生・生物多様性: 伝統産業は長きにわたりその土地で行われてきたので、その土地の自然や生物多様性とつながりがあります。伝統産業に霞ヶ浦再生につながるコンテキストブランドが創出されることで、地域の自然とのつながりが価値として浮上し、地域文化に根差した自然再生を進めることができます。

人も河童も喜ぶWin Win型循環社会の構築事業

キヤノンマーケティング株式会社協働事業 人も河童も喜ぶWINWIN型循環社会構築事業~未来につなぐふるさとプロジェクト~

① 概要

この取り組みは、人も自然もWINWINの関係になる新たな農業モデルづくりです。これまで生物の生息地としてあまり重要視されてこなかった畑地における生物多様性の保全・向上を図ることによって、有機農作物の生産だけではなく、生物多様性保全も同時に実現することで農作物の付加価値の向上を図る取り組みです。

霞ヶ浦流域の内、約20%は畑地で、畑での営農活動による肥料分や農薬の流出は霞ヶ浦に対する負荷要因の一つとなっています。霞ヶ浦とその流域を再生していくためにはこれまでの収穫量重視の農業モデルではなく、自然環境保全や循環型、高付加価値型の新たな畑作の農業モデルが必要であり、そのモデルづくりが本事業です。

具体的には耕作されなくなり荒れてしまった畑(耕作放棄地)を再生し、霞ヶ浦の外来魚を肥料(魚粉)として活用し、生物多様性保全と有機農業をミックスした新たな農業モデルづくりに取り組んでいます。また収穫できた作物を活用し、環境という文脈でつながる人の輪を活かした新たなものづくりに取り組むことで、人も自然もWINWINの関係になることで霞ヶ浦の再生、活性化を図っています。あげせんべいづくりで出る廃食用油は牛久市の循環型社会づくりの取り組みであるバイオマスタウン事業の中で廃油の燃料化・利活用事業に活用いただいています。そして、人も自然もWINWINになるこの場を、近くの小中学校では自然や生物多様性と人とのかかわり、そして循環型社会について学ぶ場として活用しています。

s再生前 s再生中 s再生後

この取り組みはキヤノンマーケティングジャパン株式会社およびそのグループのみなさんと日本各地で行われている「未来につなぐふるさとプロジェクト」の活動の一つとして協働いただいています。

② 特徴

この取り組みに参加、関わる人や自然がこれまでよりもよい状態、WIN-WINの関係になれることがこの取り組み最大の特徴です。湖で外来魚を捕獲する漁師、ここで取れた作物を加工する商店、パッケージングを行う福祉作業所など毎年様々なWINWINの関係が生まれています。

畑を農地として再生することを目的とするのではなく、畑を含む里山そのものを再生することが目的です。有機農作物づくりは必ずしも生物多様性保全に効果があるわけではありません。この取り組みでは無農薬栽培と生物多様性保全を同時に実現するために、畑の中にビオトープを設置することや隣接する耕作放棄地を草原として管理、さらに雑木林の整備までの一見畑作とは無関係の取り組みまで行っています。これらの取り組みによって、カエルやトンボ、カマキリなどの捕食者を呼び込み、害虫の発生を抑えることができるため、無農薬栽培が可能になります。また昔の里山は、畑の周辺に防風林や平地林、ため池があり、それらが作り出す多様な環境(モザイク構造)を生きものたちが利用することで豊かな生物多様性があったものと考えられています。この伝統的里山の文化を活かした畑作を目指します。

s草地再生前 s草地再生中 s草地再生後 sビオトープ sビオトープで羽化するアキアカネ sビオトープで産卵中のクロスジギンヤンマ

③ 効果

・耕作放棄地対策: この取り組みによって地域との関係構築が進み、畑とその周辺の耕作放棄地の解消や整備が進みました。

・霞ヶ浦の生物多様性保全と水質改善、漁業振興効果:湖の外来魚を捕獲することで出来上がる肥料を活用することで、霞ヶ浦の生物多様性保全と水質改善に寄与します。

・畑周辺の生物多様性保全:人の手による除草だけでは雑草を完全には取りきれませんが、畑に草が残ることで水分が保持され、土が乾燥しがちな畑ではなかなか見られないカエルやヘビ、カヤネズミも見られるようになりました。生物多様性が向上することで、年々作物の被害は少なくなり、安定した収穫量を見込めるようになりました。

・里山の原風景の再生:畑やため池(ビオトープ))、草原や林を連続した環境として整備することで、里山の生きものが暮らせる原風景が再生できます。

・環境教育:参加する人だけではなく、近隣の小中学校で循環型社会や企業との協働や生きものについて学ぶ場として活用されています。

・福祉との協働:農作物の加工後の袋詰めなどの作業を福祉作業所の方々に協力いただくことで、社会参画の場となっています。

・地球温暖化対策:ひまわりや菜種を栽培し、その油を利用したあとに残る廃油を牛久市のバイオマスタウン事業の中で廃油の燃料化・利活用事業に活用いただき、地球温暖化防止やエネルギーの地産地消にも寄与しています。

・地域活性化:上記のような効果を通じて、畑を中心に様々な活性化が図られます。

④ 活動内容

社員と家族のボランティアにより再生した畑で油がとれるヒマワリやナタネを中心に、ソバや小麦などの作物の栽培に取り組んでいます。毎年霞ヶ浦流域や茨城の地域特性を活かす、新しいものづくりに取り組んでいます。畑作以外でも生物多様性の向上やその調査のためにビオトープを設置することや近接した耕作放棄地の整備、ススキ野原づくりやニホンミツバチの誘致にも取り組んでいます。年4回の社員ボランティアの参加をベースに活動を進めています。

s種まき s菜の花 sソバ sソバ打ち

⑤ 位置づけ

地域活性化: 霞ヶ浦の環境問題は様々な要素が絡み合って存在しています。このような問題を資源化することで、逆に湖を巡る様々な要素を結び付けていきます。同時にこの事業に関わるすべての方がWIN-WINの関係となるように本事業を進めることで社会問題、環境問題を解決しながら地域の活力や主体性を引き出していきます。

環境教育: 環境問題の根本からの解決を図るためには、問題をめぐる利害の対立を乗り越える新たな結びつきを生み出す発想、WIN-WINとなれる関係づくりが必要です。本事業の現場や人やモノ、自然のつながりの学習を通して環境問題を解決していくための柔軟な発想や創造的な手法を身につけた人材育成ができます。

社会を変える: 問題を資源化する逆転の発想により耕作放棄地をWIN-WIN型の取り組みによって再生していくモデルを示すことで、新たな社会システムのモデルを作ることができます。一つの事業から多数の効果を生み出す市民事業のモデルとなります。

企業との協働: キヤノンマーケティングジャパン株式会社が各地で取り組む「未来につなぐふるさとプロジェクト」の活動の一つですが、この霞ヶ浦での取り組みは、地域にWIN-WINの関係、成果を生み出し、従来の社会貢献活動の枠を超えた取り組みを現実のものとしていきます。

循環型社会: 霞ヶ浦の環境問題を問題群や問題系として捉え、資源化するという発想でつながりを浮上させ、耕作放棄地となってしまった畑を再生し、地域社会の中でもう一度位置づけを行い、多様な人々が出会い協働する場、多様なものを生産できる場、生物多様性保全の場といった価値を創造することで、循環型社会を実現していくために必要な地域のつながりや結びつきを生み出すWIN-WIN型の取り組みを行っています。

自然再生・生物多様性: 生物多様性保全の場として位置付けされてこなかった畑地において、人にも自然にもWIN-WIN型のこの取り組みを広げていくことで、流域の2割を占める畑地が、生物多様性保全の場として機能することができ、流域全体の自然再生を進めることができます。

 

 

 

 

ホギメディカル・牛久市協働谷津田再生プロジェクト

ホギメディカル・牛久市協働事業「谷津田再生プロジェクト」とは?

集合写真

2009年から、株式会社ホギメディカル牛久市・アサザ基金が協働で行う谷津田の再生事業です。
耕作放棄地となっていた谷津田を再生し、できた酒米は地元の伝統的な酒蔵で日本酒に醸造されます。
プロジェクト現場である谷津田は牛久市奥原のホギメディカル茨城工場に隣接し、霞ヶ浦・小野川の水源になっています。

ホギメディカル・牛久市共同事業「谷津田再生プロジェクト」の特徴、意義

このプロジェクトの最大の特徴は企業、行政、NPOの3者協働によって事業が行われている点です。
NPOの広域ネットワークの中で行政の施策を効率的かつ効果的に実施する事ができます。
また、企業は地域の他の分野との協働を実現させる事によって、地域での企業価値を高める事が出来ます。

プロジェクトの対象地は奥原工業団地内にあり、谷津田は工場に隣接しています。
ホギメディカルの茨城工場では地元出身の雇用者が多い為、地元の方が作業に多く関わることも特徴の一つです。
地元の人が身近にある貴重な自然を感じる場所になっています。再生された谷津田の面積は約1haと大規模です。

谷津田再生プロジェクトの効果

・無農薬でできた米は霞ヶ浦流域にある酒造会社で醸造されお酒にしています。
日本酒の市場規模は縮小傾向にありますが、お酒に自然再生や多様な主体による協働での実現という付加価値を付けることで新たなブランドの創出に寄与しています。

・この谷津田は牛久市による緊急雇用対策の場になっています。現在までのべ20人以上の人が働いています。

・牛久市は新たな都市計画において市内の谷津田保全を重要視しています。本プロジェクトでは谷津田再生後は多くの生き物のにぎわいが戻り、美しい里山の風景が復活しています。

・谷津田での体験は、社員さんの環境についての知識・関心をも高めています。地元の自然環境の良さを再認識する場になっています。

プロジェクトの活動内容

ホギメディカルの社員と家族によるボランティアが中心となり、お米(もち米、コシヒカリ、酒米)を無農薬、無化学肥料で栽培しています。

作業後は隣接した工場でバーベキューをします。冬には取手市にある株式会社田中酒造店さんで酒造り体験をします。普段の仕事では出会うことがない違う部署の社員さんとの交流の場にもなっており、家族で参加する方も多いので、社員だけでなく家族や子どもたち同士の交流も生まれています。

田植え  草取り

稲刈り2 BBQ 観察 仕込み2

プロジェクトの各項目に対する位置づけ

.地域活性化 

都心に近い牛久の地の利を生かし、これから牛久市の自然・観光資源の一つとして、都市と農村交流・エコツーリズムのモデルとなることが期待されています。行政、企業、NPOが協働で行う地域活性化モデルとなります。

 .環境教育 

牛久市教育委員会と協働で2004年から市内全小中学校と実施している「学校ビオトープから始まるまちづくり事業」とも連携し、今まで牛久市内の小中学校の子どもたちが見学、生物調査に訪れるなど教育実践の場になっています。

 .社会を変える 

NPOが媒介となって企業や地場産業を結びつけた新たなネットワークに行政が参加する事で、行政が今までできなかった環境保全や地域活性化という困難な課題を解決する事が出来ます。

 .企業との協働

環境保全や地域活性化の為、牛久市が耕作放棄地を地主から借り上げ企業に貸し付けるというモデルとなっています。流域の工場団地に進出した他の企業にも当てはめ、広域的な保全を目指します。

 .循環型社会

牛久市が進めるバイオマスタウン構想とは、地域資源を活用し、循環型のまちづくりを行う構想です。今後、バイオマスタウン構想と谷津田の再生を連携していきます。

 .自然再生、生物多様性

 再生された谷津田は、牛久市奥原の株式会社ホギメディカル筑波工場に隣接した場所にあります。工業団地内における自然再生、生物多様性保全のモデルケースになっています。

ニホンカワトンボ アキアカネ シュレーゲル④ サワガニ②

トキの住む鹿嶋市を目指して

①   トキの住む鹿嶋市を目指して 子どもと大人の協働のまちづくりin山之上withUBS RICEprojectとは

北浦の重要な水源地となっている鹿嶋市山之上地区の谷津田。周囲には鹿島神宮の摂社である坂戸神社を始め由緒ある神社が数多く分布し、今も荘厳な景観が残っています。この谷津田と鹿島神宮の森は昔、つながっていました。それは700年代に編纂された常陸国風土記にも記載されています。しかし現在は市街化によって森は分断され、谷津田も荒廃が進んでいます。

そこで子ども達、地域の人々、都市の学校や企業が協力して谷津田を再生させようという取り組みが2007年に始まりました。再生した谷津田ではもち米、酒米を栽培しています。酒米は地域の酒蔵で日本酒に醸造されます。もち米はお餅となって地元のお祭りなどで販売されます。

谷津田の再生は生き物を呼ぶだけでなく、北浦に清らかな水を届けることにもつながります。鹿島神宮の大木にトキやコウノトリが巣をかけ、谷津田にエサをとりに出かける。そんな鹿嶋市を100年かけて実現させようという構想です。また、このプロジェクトは世界的な金融機関であるUBSと協働で行っています。

谷津田・鹿嶋市

一体 常陸国風土記

②   トキの住む鹿嶋市を目指して 子どもと大人の協働のまちづくりin山之上withUBS RICEprojectの特徴・意義

このプロジェクトは子どもの提案から始まり、その後の運営は地域にできた新たな組織が行っています。山之上谷津田再生協議会というその組織は、公民館、自治会、小学校PTAなど既存のコミュニティに他の場所から転居してきた人も加わり、発足しました。この協議会は、自然再生推進法に基づく協議会と異なり、地域住民が自主的に組織を運営することで継続的・発展的に事業が行われています。また、既存のコミュニティと連携する事で、流域レベルの広域ネットワークの中で新たな取組みを地域に根付かせます。

提案  DSCF0084

プロジェクトは、機械の使用が困難である圃場整備されていない枝谷津の再生からスタートしました。このような場所は、一般に自然度が高く、元々希少種や絶滅危惧種などが残っています。その為再生の効果も現われやすいです場所ですが、この谷津田の大半を占める圃場整備された水田では既に生物多様性が失われています。今後、枝谷津と連続している圃場整備された水田も併せて保全する事が決定しています。プロジェクトを行っている谷津田は霞ヶ浦・北浦流域でも有数の規模を誇る場所ですので、圃場整備された水田における生物多様性保全が実現されれば、広大な面積の保全が可能になり、トキを呼び戻す夢が近づきます。

③ トキの住む鹿嶋市を目指して 子どもと大人の協働のまちづくりin山之上withUBS RICEprojectの効果

・再生した谷津田は枝谷津上流部にあり、豊かな湧水量のある自然度が高い場所です。再生の効果は大きく、生物多様性が大幅に向上しています。

再生前 ➡ 再生後

・都市の企業や学生と、農村の交流が生まれ地域が活性化しています。

・谷津田で収穫した酒米は、地域の伝統的な酒蔵である愛友酒造株式会社で醸造され、純米原酒が出来上がります。お酒の一部は、水源地再生の酒広がれあさざの夢として一般販売されます。日本酒の市場が縮小傾向にある中、本プロジェクトは地場産業の活性化にもつながっています。

・地域の子どもの提案から始まったこの取組みはその後も地域の環境教育の場となっています。

④トキの住む鹿嶋市を目指して 子どもと大人の協働のまちづくりin山之上withUBS RICEprojectの活動内容

谷津田を中心とする周囲の畑や森林の再生、維持活動を行っています。日ごろの管理は月に2回、山之上谷津田再生協議会が行っています。作業後、自然に囲まれた中での昼ごはんも楽しみのひとつ。会員同士の近況を語り合う場としても役立っています。

プロジェクトのパートナーであるUBSはスイスに本社を置く外資系の会社で、社員一人一人の地域貢献に対する意欲が高く、積極的にプロジェクトに参加して下さっています。田植えや草取り、稲刈りなどの際にはイベントを開き、地域の方も参加するので、様々な交流が生まれています。参加者には海外の出身者も多く、日本文化を理解する場になっています。

UBS教え 山之上 UBS観察 OLYMPUS DIGITAL CAMERA

その他にも様々な人が谷津田に訪れています。東京で活動する「ナナハン実行委員会」もその一つ。普段東京で暮らす若者が田んぼでの作業を通して地元の方と交流しています。また、2012年からは原宿にある田中千代ファッションカレッジとの交流も始まりました。山之上と原宿。一見関係のない組み合わせに思えますが、実は原宿もかつては谷津田が広がっていた場所。山之上は原宿の原風景なのです。普段ファッションを学ぶ学生が山之上で農作業をしたり、山之上の人が原宿に行って餅つきをするなど交流は広がっています。

田中千代 千代もちつき

地域活性化

一度価値を失い荒廃した谷津田が、都市との交流を通して生物多様性や水源地保全という新たな社会的価値を持ちました。それにより新たな取組みが次々と生まれ、地域が活性化しています。活動拠点は公民館で、鹿嶋市が進める各地区の公民館を中心としたまちづくりのモデルになっています。

環境教育

この取組みは豊郷小学校の環境教育がきっかけで始動しました。子ども達が地域の問題に気付き、大人と話合いをして再生が実現しました。知識を与えるだけの教育と異なり、問題の気付きから解決まで行う一連の環境教育を実践しました。

社会を変える

霞ヶ浦・北浦流域という広範囲を視野に入れたプロジェクトを地域に根差した取組みにする為には、伝統的な地域コミュニティと協働で取組む事が有効です。

企業との協働

谷津田の再生は、グローバルな金融機関であるUBSと協働で行っています。社員一人一人の地域貢献に対する意識が非常に高い企業です。このプロジェクトは社員の皆さんが活躍する場になっています。また、海外出身の方が日本文化を理解する場になっています。

循環型社会

この取組みは、循環型社会によって維持されてきた伝統的な里山景観の再生を通して、関る人がこれからの循環型社会の発想を得る場になっています。

自然再生、生物多様性

再生した枝谷津の上流部分は元々生物多様性の豊かな場所でした。再生の効果は大きくホットスポットになっています。今後、この枝谷津に連続している圃場整備された水田の保全を開始し、より広大な面積の生物多様性保全を目指します。そして北浦を始め水系全体への生物供給源とします。