谷津田がよみがえると?

谷津田がよみがえると?

谷津田の荒廃が問題になっています
霞ヶ浦・北浦流域に1000ヶ所近くあると言われている谷津田。
現代、耕作放棄された谷津田が増えています。
田んぼは耕作放棄されるとあっという間に荒地に変わります。
その上、荒れた谷津田は産業廃棄物の不法投棄・住宅地宅地への埋め立ての対象となります。
昔豊かな実りを与えてくれた田んぼは今、荒れ果てています。
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荒れ果てた谷津田

荒れた谷津田では、湖までの「水の道」が断たれてしまいました。
水路の管理がされなくなったため、水が流れなくなる事態が起きています。
また、化学肥料や農薬が使われるようになり、稲作の効率が上がったものの、水源地を汚染するようになりました。
谷津田が荒れることで、ここに住んでいる多くの生きものがすみかを失い、どんどん数が減っています。
「生きものの道」もなくなりつつあるのです。

このように、水源地の機能・水質保全・治水に対する悪影響が懸念されています。
汚濁が問題になっている霞ヶ浦を再生させるためには、湖の環境を守ることと同時に水源地の環境を守ることが必要なのです。
谷津田が本来持つ、水源としての役割、水質保全の機能はどうしたら取り戻せるでしょうか?

新たな価値を創造して、谷津田の地域の結びつきを取り戻そう!
わたしたちは、谷津田で一度失われた価値をみんなでもう一度取り戻す取り組みを行っています。
私たち流域の多くの人々がこのことを理解し、新たな価値を創造することで谷津田と地域との結びつきを取り戻すことが必要です。
そのためには、自然と地域の生活や文化、産業などとのつながりを再生することが不可欠です。
流域全体の皆で力を合わせて行動することによって谷津田は徐々に再生し、水源としての機能も取り戻していけるはずです。

・再生した水田では、農薬、化学肥料は使わず米づくりをしています。
  →美しい水を湖に届けることができ、生きものの住みかを守ることができます。
・農作業は、それぞれ協働して下さっている企業の社員さん、地域のみなさんと一緒に協力しながら行っています。
・田植え、草とり、稲刈りなどの農作業はなるべく手作業で行い、伝統的な方法で農業を行っています。
  →伝統的な方法で稲作を行うことによって、これまで田んぼのサイクルに合わせて 暮らしてきた生きものたちが住みやすい田んぼになります。
・生き物の生活サイクルに合わせて水田を管理することで、生きもののにぎわいと米の収穫を両立させています。
・100年後、トキとふつうに一緒に暮らそう!
 →これは、100年後にトキが舞う谷津田・霞ヶ浦を目指し、実現させるための取り組みです!

絶滅してしまった日本のトキ。


トキはかつて谷津田でドジョウなどのエサを取り、斜面林に巣を作って暮らしていました。
水源地から湖まで、水の道・生きものの道がつながることで、トキが暮せるだけの豊かな生態系を取り戻すことが出来ます。

もちろん、トキが霞ヶ浦・北浦流域の谷津田を使うようになるまで何十年もかかるかもしれません。
しかし、この足元からの取り組みがモデルとなって流域に広がって行くことで、夢は現実になるはずです。

 
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