霞ヶ浦を放射能汚染から救え!市民モニタリング

わたしたちは、まず市民が自分たちで調査を行おうと考え、流域の生協や農業団体と協働で流入河川での底泥の調査を行うことにしました。
多くの市民に協力を呼びかけ、広範囲での調査を実施したいと考えています。
(市民モニタリングの呼びかけ文はこちら(PDF)

そして、流域の研究機関や大学にも協力を要請し、可能な限り民官が協働でモニタリングや除染に取り組む体制(新しい公共)を構築していきたいと思います。
(霞ヶ浦の流入河川における放射性物質のモニタリング調査協力へのお願いを送付した研究機関はこちら(PDF) 呼びかけ文はこちら(PDF)

流域の市民、企業、行政、大学、研究機関などが一体となった協働体制が今ほど求められている時はないと考えます。
わたしたちは政府の提唱する新しい公共の理念を生かして、官民が一体となったモニタリングや除染体制の確立を提案していきます。

市民モニタリング参加団体
アサザ基金 常総生活協同組合 農民運動茨城県連合会 農民連食品分析センター 霞ヶ浦の再生を考える会 霞ヶ浦生態系研究所 放射能NO!ネットワーク 取手 茨城市民放射能測定プロジェクト(つくば市民放射能測定所) NPO法人霞ヶ浦アカデミー 霞ヶ浦導水を考える県民会議 霞ヶ浦生態系研究所 霞ヶ 浦漁業研究会

●底泥放射性物質モニタリング結果

モニタリングの最新情報をお伝えします。
(2014年12月18日現在)
霞ヶ浦流入河川
土浦入りへの流入河川
北浦流入河川
備前川
清明川
新川
小野川
アサザ基金の限られたリソースの中での効率的な調査を実施するために、2014年秋の調査から河川底泥中の放射性セシウム濃度が低くなってきた河川での調査は一旦中断としました。今後は、湖の中の調査や放射性セシウム濃度が高い河川での量の把握のための調査を行うためにリソースを当てていきたいと思います。

●市民モニタリング始まる!―第一回市民モニタリング(2012年3月8日)

3月8日第一回の放射性物質のモニタリングを実施しました。
霞ヶ浦の流入河川の中でも、特に汚染が進んでいるとされる備前川、新川、桜川、花室川、清明川の5河川で、11か所の底質の採取を行いました。
調査に参加したのは、8団体、15人です。
採取した底質は数日間乾燥させてから、測定器にかけて放射性物質を測定します。
今後は、今回の調査結果を踏まえて、すべての流入河川56本での調査を実施していく予定です。
今回は常総生協と茨城農民連の協力を得て分析を行いますが、調査の進展に伴い多数のサンプルを分析するための測定器が必要となります。
研究機関をはじめ分析に協力をしてもらえるところを探していきます。みなさん応援よろしくお願いします。
chousa1 chousa2 chousa3 chousa4 chousa5 chousa6

研究機関各位

3/10(土)霞ケ浦の流入河川における放射性物質のモニタリングの進め方についての話し合いを行いました。詳しくはこちら(PDF)をご覧下さい。

漁業・水産関係者の皆様へ(2012/3/12)

漁業・水産関係者の皆様へ こちら

シンポジウム・報告会など

これまで行ってきたシンポジウムなどについてご報告します。

霞ヶ浦を守ろう 市民モニタリング報告

日時:2013年12月23日(月)14:00~

【シンポジウム資料】
アサザ基金 飯島博 「霞ヶ浦・北浦を放射能汚染から守ろう!」 (PDF)
アサザ基金 安保満貴 「市民モニタリングの結果について」 (PDF)
東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 環境分析化学研究室 助教
 小豆川 勝見(しょうずがわ かつみ) 「河川による放射性物質の移動~測定の現場から~」(PDF)

霞ヶ浦を守ろう 市民モニタリング報告

日時:2013年6月22日(土)14:00~
場所:霞ヶ浦環境科学センター

霞ヶ浦を守ろう 早急な対策を求める 市民集会

日時:2012年12月8日(土)14:00~
場所:土浦亀城プラザ
ちらしはコチラ → ちらし (PDF)

【シンポジウム資料】
アサザ基金 飯島博 「霞ヶ浦・北浦を放射能汚染から守ろう!」 (PDF)
Part1 / Part2 / Part3
アサザ基金 安保満貴 「市民モニタリングの結果について」 (PDF 3MB)
霞ヶ浦アカデミー 浜田篤信 「放射能汚染への取り組み」(PDF 700B)

霞ヶ浦を放射能から守ろう!市民モニタリング報告会

日時:2012年6月3日(日)
場所:霞ヶ浦環境科学センター
ちらしはコチラ → ちらし (PDF)

市民モニタリング第2回報告会の模様を動画でご覧になれます。(YouTubeへリンク)
シンポジウム① シンポジウム② シンポジウム③
モニタリング調査中間報告

シンポジウム いのちの水霞ヶ浦を放射能から守ろう!

日時:2012年4月1日(日)14:00~
場所:霞ヶ浦環境科学センター
ちらし
shinpo

【シンポジウム資料】
アサザ基金 飯島博 「霞ケ浦・北浦を放射能汚染から守ろう!」
Part1 / Part2
元茨城県内水面水産試験場長 浜田篤信  霞ヶ浦の放射能汚染に関する報告書「霞ヶ浦の放射能汚染」

いのちの水・霞ヶ浦を守る市民ネットワーク
呼びかけ団体:霞ヶ浦の再生を考える会(代表 助川弘之)
問合せ:NPO法人アサザ基金 〒300-1222 牛久市南3-4-21
電話:029-871-7166 FAX:029-801-6677

いのちの水・霞ヶ浦を放射能汚染から守ろう! 20万人署名活動

いのちの水・霞ヶ浦にかつて経験したことの無い危機が迫っています。
福島第一原発の爆発事故によって霞ヶ浦流域に降下した放射性物質が56本ある流入河川に集まり、徐々に霞ヶ浦に移動しているのです。流入河川では約1万ベクレル/kgもの汚染が見られる箇所が出ています。この状況を放置すると、大量の放射性物質が移動し、湖を長期間汚染する恐れがあります。環境省の調査でも昨年10月から今年2月までに、湖心の底泥の放射性セシウムは4倍に増えています。
私たちは、国や県に解決を図るための要望書を提出してきましたが、今までに積極的な対応は見られていません。
そこで、流入河川に蓄積している放射性物質の霞ヶ浦への流入を阻止し、子ども達の命と健康、自然環境を守るために、以下の取組みの速やかな実施を求める署名活動を開始しました。20万人から集めることを目標とし、茨城県知事宛に提出します。

1. 水道水や農業用水、水産物の放射能汚染を防止するための措置を早急に実施すること。
2. 流入河川に蓄積している放射性物質が霞ヶ浦に移動しないように、必要な対策を早急に実施するよう国に求めること。
3. 流入河川に蓄積した放射性物質を除去する技術の開発と実施について国や大学、研究機関に要望すること。
4. 市民と行政との恊働(縦割りを越えた新しい公共)によるモニタリングや放射能対策を実施すること。

皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。
署名は、インターネットを通したオンライン署名の他、郵送、FAX、メールでの署名も受け付けています。

オンライン署名
署名用紙(wordファイル)
署名用紙(PDFファイル)

送付先
NPO法人 アサザ基金
〒300-1222 茨城県牛久市南3-4-21
FAX:029-801-6677
E-mail:asaza@jcom.home.ne.jp

いのちの水・霞ヶ浦を守る市民ネットワーク
呼びかけ団体:霞ヶ浦の再生を考える会(代表 助川弘之)
問合せ:NPO法人アサザ基金 〒300-1222 牛久市南3-4-21
電話:029-871-7166 FAX:029-801-6677

潮来ジャランボプロジェクト

活動のキーワードは協働です

環境問題をめぐり、ともすれば対立関係になりがちな住民と行政(問題によっては企業も)間を、地域総参加という視点から協力関係で結べないか、また地域づくりは行政に依存していた住民が、持っている知恵と力と行動力を行政や企業に逆に働きかけて主体的に環境改善活動を担っていけないか、更に保護や維持にとどまらず、失われた環境の回復や向上につながる活動ができないか、この3点を潮来ジャランボプロジェクトは、水辺の再生に取り組む活動理念としました。
これは飯島氏らのアサザプロジェクトの理念に共感し、潮来に合った形で具現化したものです。
これから後アサザプロジェクトは更に漁協や森林組合など流域全体に活動の輪を広げ、100年後に朱鷺が舞う霞ヶ浦・北浦を、という壮大にして戦略的な未来を描き、このあと流域のほとんどの小学校と延べ10万人を超える人々が活動する形で運動が展開していくのです。

利根川水神様前・前川へアサザ植え付けを地域総参加で

(1997年6月、9月)  活動は手探りで始まりました。
1997年(平成9年)6月、十番のアサザステーションで育てたアサザの苗を特注の水中鉢植え器具へ移植し前川へ沈めました。
垂直護岸でアサザの繁茂には適さない水深の前川に何とか水生植物を植えようという苦心の方法です。
建設業組合、潮来遊覧船組合も参加しての作業でした。
この作業と並行して、さまざまな形の参加を得て利根川にアサザを植える計画を進めていました。
場所はJR高架橋の下、水神様前とし建設省の手で埋め立て工事をして浅瀬を造りました。

9月4日利根川に潮来と日の出小の5年生全員が集まりました。
送迎バスにホテルの車も用意され建設業 従業員の波消しづくりもすすみ、子供たちの歓声の中植え付けが終了しました。
建設省・県・町、建設業、小学校、遊覧船組合、観光協会、商工会、スーパーなど総参加者は256名でした。
住民主導で行政と企業・団体、住民を結ぶ環ができたのです。

01
【1】前川に植えられたアサザ

02
【2】水神様前の利根川。潮来・日の出小の5年生の植付会

03
【3】徳島小の植付会 すぐにザリガニに苗を切られ失敗。 このことがトンボ公園案につながる

■ 夢がふくらみビオトープ(トンボ公園)づくりに発展

(1997年9月~1998年5月)  1997年9月20日、徳島小学校全校生徒により徳島園地の一角にアサザが植えられました。
春先より校庭の池で育てられた苗が育ちこの日を迎えたのです。
(延方・大生原小は、神宮橋アサザ群落が新神宮橋建設により損なわれる恐れがあることから、北浦湖岸に代替措置で植付け場所が設置され、そこでの植付会が行われています)
ところが徳島小のアサザは翌日には大部分の苗が浮いてしまいました。
数年後はっきりと原因がわかたのですが犯人はザリガニでした。
この時、植付地調査のときから飯島氏にビオトープの好適地と評価されていた徳島園地を、ビオトープにしようという計画が急浮上したのです。

■ 徳島園地がビオトープとしてよみがえる

04
徳島園地は昭和62年県と町との間で整備に関する覚書が締結されました。
河川敷に環境庁による補助事業として国と県の折半で水生植物園(アヤメ園)をつくり、観光の新名所として年間80万人程度の新しい客を呼ぼうというもので平成5年にオープンしました。
ピクニック広場も併設した24,500平米の公園で、アヤメも植えられ地元や学校からミニサッカー場などの整備も要望されました。
しかしアヤメの栽培には水はけが悪く不向きで、荒廃しかかっており、トイレ・電気設備もなく利用度の低い河川敷でした。
しかし霞ヶ浦流域では貴重な河川敷で、しかも霞ヶ浦(西浦)と北浦の合流地点の外浪逆浦(ソトナサカウラ)に面して扇の要の位置にあり、水の要所です。
飯島氏は徳島園地をビオトープづくりに最適な場所と見たのです。
スケッチ程度の案を建設省霞ヶ浦工事事務所に持っていくと、戸谷所長の英断で積極的な応援を得られました。
霞ヶ浦をとりまく状況と国行政をよく知る人は一様に仰天しますが、地元住民の熱意と、自然と生き物を知り尽くす飯島氏の計画を戸谷所長は、霞ヶ浦には今こそ必要と飯島氏とは異なる感性で判断を下したのでしょう。
これを起点にアサザプロジェクト運動は更なる展開をし、今や全国の環境NPO活動の最前線にいます。

ジャランボプロジェクトはすばやく次の行動にでました。
潮来町に持ちかけ、議員・学校・地元住民・ジャランボで協議会が作られ、案が更に具体化していきました。
建設省には「水辺の楽校」登録を要望し、開園後の6月認められています。
この楽校は優れた水辺整備の構想をもつ市町村を登録し、行政と市民・ボランティア団体が協議会をつくり水辺の学習計画を立て活動するのを支援しよう、というものです。
98年に入ると更に計画は煮詰まり、2月には地元住民と建設業者80名が参加し江間が掘られ、ハンノ木が植えられ、全小学校でアサザ・オニバスなど水生植物が育成されることになりました。
3月末には工事業者が決定し早速綿密な打ち合わせが行われ、4月8日より着工されました。

11
開園後の徳島小の水辺の観察会をNHKが取材。生徒に囲まれた東ちづるさん

06
新しく掘られた江間の概観です

07
鹿島臨海鉄道寄贈の枕木を使って地元住民、議員による橋づくり

08

工事は順調に進み、4月11日江間掘りで余った土砂でカワセミの営巣地を作り始めると、未完成の19日には待ちきれないように巣作りの穴を掘り始め、急きょヨシズで野鳥観察所を作りました。

09
通水テスト、看板づくり、小学校との打ち合わせも終了、万事万端整って5月10日の開園式を迎えました。

10
大江間の水辺に立てられたトンボ形の看板に描かれた 飯島博氏による河童

■ 利根川水神様前・前川へアサザ植え付けを地域総参加で

■ 98年1月より5月10日の開園までに要した費用と人手の一覧

要した費用 作業参加者 無償提供されたもの
野鳥観察所よしず、ペンキなど 71,895
事務用品、計画書印刷代など 34,785
胴長・エンピ、鎌など備品 52,275
苗育成用バケツなど植栽資材 108,704
食事・茶菓子、保険、通信、写真代 74,137
作業参加者  454名
打ち合わせなど 70名
ユンボ、ブルトーザー、トッラク、トラクターなどの重機
おにぎり、弁当、シジミ汁、茶菓子、飲み物など食料品
公園作りのノウハウ、調査など
スダジイなど樹木多数
合計     341,796 合計  524名

トンボ公園の役割
飯島氏は設計段階で、トンボ公園という名のビオトープに5つの機能を取り入れました。
1水質浄化(潮来方式と呼ぶ)
湖水をポンプアップし、水路や水深の浅い・深い水域を通して効果よく浄化し湖水に戻す。
食物連鎖網と多様な水環境の連鎖系による自浄作用の仕組みを生かした水質浄化を図る。
2生物多様性の保全
アサザ、ガガブタ、オニバス、ミクリ、田字草など絶滅の恐れのある植物を栽培し、湖に戻す供給基地とする。
また植物栽培によって多様な生物の生息環境を保全する。
3水産資源の保護
湖と池・江間の温度差で移動と産卵を促す。
浅い水面はプランクトンが大量発生し、仔稚魚のエサとなる。
魚は汚濁の原因物質をエサにし水質を浄化する。
観光資源(景観づくり)
珍しい花々(②の植物のほかにミズアオイ、コウホネ、カキツバタなど)やトンボ、小魚とり、心なごむ水辺の風景など、ゆったりと時間が流れる場。
エコツーリズムの最適な場。
環境学習の場
魚の産卵などの観察、トンボ捕り、水質調査、水草の植え付け、ドロンコ池での遊びなどを通して水質浄化のメカニズム、環境と生き物との関係など総合的な学習が身につく場

潮来方式と呼ぶ水質浄化は特別な方法ではありません。
川や湖が持っていた 浄化能力(自然治癒力)を取り戻すため、手助けする方法です。
水面に所せましと葉を広げるアサザは、水質汚染の大きな原因である窒素・リン を栄養として取込みます。
その一方でアサザは蛾など虫たちのよき餌であり水鳥 たちの食料でもあるのです。
つまり、アサザなど水生植物によって大量に吸い上げられた水中の窒素・リンは 虫や鳥たちによって陸地に運ばれ水質の浄化につながるのです。
トンボもヤゴの 時代は水中で過ごし、陸上に移動し鳥などの餌となり食物連鎖の働きとなります。
変化に富んだ多様な水辺の環境と、そこに適応した多用な生き物をはぐくむこ うした機能を、本来川や湖は持っていました。
すなわち生物が生まれ育つのに好適 といわれる浅く複雑な水辺環境です。
霞ヶ浦がコンクリート護岸で覆われる前までは潮来でも見られた景観です。
この水辺を再生することが潮来に水郷の景観と、豊かな自然を取り戻すことになるのです。
私たちが目指すもの、それが「水辺の再生」です。

■ 公園管理の楽しみ

建設省・潮来町・協議会(ジャランボ)三者はトンボ公園の機能を高めていくため管理協定を結びました。
ポンプの維持や大規模な補修は建設省、江間の大規模な補修などは潮来町、各池・水路・分水施設(水口)の日常的管理、樹木や園路の管理、アサザなど水生植物の育成、水田などはジャランボの役割で、市民団体が協定に加わることも画期的なことと評価されました。
開園後数回の手直し工事もジャランボの要請を受けて建設省が行い、今も市民が中心となって公園を育て行政がそれをバックアップする形が続いています。
さまざまな人々が トンボ公園を舞台に さまざまに楽しんでいます。
151617181920

■ 管理は1年中をとおして行われます

5月の開園準備からカキツバタ、コウホネ、アサザ、オニバス、ミズアオイと続く花の季節は多忙です。
黙って公園の草刈をしてくれる方、花を見て喜んでくれる方、子供の歓声、小鳥のさえずり、鯉、フナののっこみなどは管理する上で喜びです。
自然の恵みを感じるからです。
反対にゴミを捨てる人、鯉釣り用に江間のタニシを根こそぎ盗む人、外来魚(ブラックバス)を池に放す釣り人、音楽など大きな音を平気で立てて鳥たちをおどかす人など、心無い人の行為はさびしいものです。
33
ウキヤガラという抽水植物を抜くボランティアの筑波大、玉川大学生
22
日本古来のカキツバタ
23
公園で早めに咲きだすコウホネ
24
水辺の再生運動を象徴するアサザ
25
田の字のデンジソウ
26
ネムノキ
27
葉が1mを超えるオニバス
28
夕方カワセミ田の稲につく水滴。昔はサルコと呼ばれ、サルコがでたから作業終了という合図になったそうです。
29
一面の紫でトンボ公園の人気花ミズアオイ。上手に咲かすのも難しい花
30
雪の公園
31
除草と撹乱を起こし土中の種子の芽出しを促進させるためトラクターで耕起

32
麻生富田のアサザ群落 

■ 市民に愛され、各地から注目されています

公園は散歩や子供たちの遊び場として市民に利用されています。またビオトープとして学習の場に利用したり、見学に訪れる方も大勢います。
WWF(世界自然保護基金)やJICA(国際協力機構)関係で東南アジア、 アフリカなど海外から、国内では沖縄から宮城まで、職業も研究者・学生、国・県・市会議員、弁護士、行政職員、小学校、幼稚園、老人大学、市民団体などさまざまです。
事務局で記録している日誌を数えると、7年間で100件、2500人を超える人が来園されています。
アサザ基金の100年構想の最終目標は「朱鷺(トキ)の舞う霞ヶ浦」ですが、朱鷺保護活動している佐渡からも来ていただきました。
12
イギリス出身の作家で環境保護活動家のC・Wニコルさんを囲んで
13
衆議院議員小宮山洋子さん
14
右平成13年の河川功労者に選ばれ、山澤福会長が表彰式に出席

石岡での展開(~2008)

上流から下流まで~地域での展開例~

石岡市周辺を例にご紹介します。

①谷津田の保全


higashitanaka
荒れ果てている霞ヶ浦の水源地である谷津田。
奇跡的に残された豊かな自然、清い水を守るために、無農薬有機栽培で酒米を作ります。
作る過程は企業の社員教育と連携して、醸造は地元の酒造会社で。
その水は山王川に流れ込み、霞ヶ浦へ・・・。

②オニバスビオトープ

onibasu
放棄された休耕田に山王川の水をくみ上げてビオトープ化しました。
生活排水の浄化、絶滅危惧植物オニバスの育成、一年を通した湛水田を実現。
ここで増えた種子は山王川を下って高浜入りへ流れ込み、かつてのオニバス群落の再生を目指します。

③河川環境改善(石岡市と協働)

sannougawa
直立護岸でまっすぐな深い川は、流れが速く、生きもの達には大変すみづらい環境です。
廃棄処分の石屑を有効利用して流れを蛇行させたところ、植物も根付くことができました。
石の間に生きものが潜んでいるのか、サギやカワセミが良く狙っています。

④学校ビオトープ

gakkouBT
動物はメダカとタニシ、植物はアサザと霞ヶ浦の水草だけを入れます。
そのうち、学校周辺の環境を教えてくれる生きものたちが、たくさん訪れるようになります。
アサザやメダカの遺伝子系統保存の役割もあります。
霞ヶ浦北浦流域の110校が参加。

⑤山王川河口ビオトープ(国土交通省と協働)

kakouBT
土砂が溜まり機能しなくなったヨシ原浄化施設を、ビオトープに改造しました。
機能維持と管理を市と市民が、大規模な補修は国土交通省があたる、という管理協定を結んで協働しています。

⑥駅ビオトープ

takahamaBT
学校ビオトープのネットワークによって、小さいけれども豊かな水辺がつながりました。
さらに水田や湖を介して、駅にもトンボがやってきます。
現在、JR高浜駅(上りホーム、改札出口)、JR石岡駅(上りホーム)、鹿島鉄道石岡駅ホームに小学生が作ったビオトープがあります。
廃線となった鹿島鉄道ではお花見シーズンにアサザ号を運行していました。

⑦植生帯復元地区(国土交通省と協働)

isikawa
豊かな植生帯を取り戻すべく、コンクリート護岸を湖からの浚渫土で覆い、浅瀬を創出。
浚渫土に含まれる埋土種子の発芽による、本来の植生回復を見守ります。
岸を荒波から守る粗朶消波施設を造成し、その内側には市民の手でヨシ・アサザなどを植え付けています。

⑧のっこみランド

nokkomi
湖岸沿いに広がる水田は、霞ヶ浦の原風景でもありましたが、いまでは放棄が進み、湖と田んぼの水の道はすっかり分断されています。
春ののっこみ(魚の産卵行動)にあわせ、湖からつながったビオトープを産卵に適した形に設計することで、霞ヶ浦で命を育む魚達を応援します。

石岡市周辺での展開地図
ishioka

稲荷山公園・八反田 『歌枕の森構想』

潮来 稲荷山公園・八反田 『歌枕の森構想』

2006年から、潮来市では稲荷山公園を美しい『歌枕の森』にするプロジェクトが始まっています。
1 2

プロジェクトの舞台は、潮来市にある稲荷山公園と八反田です。
稲荷山公園は、潮来の水郷地帯を一望することができる観光名所で、国定公園にも指定されています。
また、国・県・市指定の文化財を数多く所有する長勝寺の裏山でもあります。稲荷山の森とお寺が一体となった風景を公園内で楽しむことが出来ます。
かつては、さまざまな文人歌人が訪れ、その自然が織りなす景色の美しさからたくさんの歌が詠まれた場所(歌枕の地)でもありました。
八反田は、稲荷山を水源の一部とする谷津田です。
稲荷山とは連続した立地にあり、カエルやトンボなど森と田んぼを住みかにする生きものたちが行き来する『生きものの道』でもありました。
また、森(稲荷山)に降った雨は谷(八反田)で湧き出し、水はやがて霞ヶ浦へ流れていきます。稲荷山・八反田は霞ヶ浦の重要な水源地でもあるのです。

しかし今、稲荷山の森は間伐や下草刈りなどの管理が行き届かず、荒れています。
公園内は薄暗く、住んでいる生きものも少なくなっています。
稲荷山公園に訪れる人も減り、子どもたちも安心して遊びに来ることが出来ない場所になってしまいました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
薄暗い稲荷山の森

また、稲荷山と八反田の間には大きな道路が出来て、森と谷津田の『生きものの道』が分断されてしまいました。
八反田では耕作放棄されている田んぼが目立ち、問題になっています。

そこで、潮来の子どもたちと地元の方々が立ち上がりました。
潮来小学校の子どもたちは、稲荷山の生物調査を始め、再生プランをまとめて、地域の人たちに提案しました。
「かつての美しい景色が望め、思わず一句詠みたくなるような、人で賑わう稲荷山に再生したい!」という『歌枕の森』を目指すプランです。
その提案に賛同した多くの地元の方と一緒に、稲荷山公園再生のために間伐や下草刈りなどの作業が始まりました。

4
子どもたちが作成した呼びたい生きものマップ

これまでの動き

水源地が再生するまでの経緯と今までの動きをご紹介します。

1 子どもたちは、学習を通してたくさんの生きものが困っていることを知り、稲荷山での生物調査を始めました
5

2 調査結果をもとに、稲荷山再生の提案をまとめました
6

3 学校のみんなや地域の方に向けて、稲荷山の再生を提案しました。7 8

4 この提案に賛同した地域の大人の方も協力してくれました!

9
下草刈り
10
間伐作業

5 ロータリークラブの寄付で希望した樹が植えられました
11

6 子どもたちの夢が実現に向かって着実に動いています。
継続的に再生していくために、毎年ワークショップが開かれています。
12
落ち葉かき

13

どんぐりの苗作り

作業前

作業後

八反田も再生され、ビオトープとして生まれ変わりました!
冬~春にかけてアカガエルなどのカエルたちが卵を産み、トンボや水中昆虫がたくさん暮らす豊かな場所になっています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
再生前

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
再生後

今後も、地域の人と子どもたちが協力し合って潮来のまちづくりを行っていきます。              16
再生前

17
再生後

谷津田がよみがえると?

谷津田がよみがえると?

谷津田の荒廃が問題になっています
霞ヶ浦・北浦流域に1000ヶ所近くあると言われている谷津田。
現代、耕作放棄された谷津田が増えています。
田んぼは耕作放棄されるとあっという間に荒地に変わります。
その上、荒れた谷津田は産業廃棄物の不法投棄・住宅地宅地への埋め立ての対象となります。
昔豊かな実りを与えてくれた田んぼは今、荒れ果てています。
3-1
荒れ果てた谷津田

荒れた谷津田では、湖までの「水の道」が断たれてしまいました。
水路の管理がされなくなったため、水が流れなくなる事態が起きています。
また、化学肥料や農薬が使われるようになり、稲作の効率が上がったものの、水源地を汚染するようになりました。
谷津田が荒れることで、ここに住んでいる多くの生きものがすみかを失い、どんどん数が減っています。
「生きものの道」もなくなりつつあるのです。

このように、水源地の機能・水質保全・治水に対する悪影響が懸念されています。
汚濁が問題になっている霞ヶ浦を再生させるためには、湖の環境を守ることと同時に水源地の環境を守ることが必要なのです。
谷津田が本来持つ、水源としての役割、水質保全の機能はどうしたら取り戻せるでしょうか?

新たな価値を創造して、谷津田の地域の結びつきを取り戻そう!
わたしたちは、谷津田で一度失われた価値をみんなでもう一度取り戻す取り組みを行っています。
私たち流域の多くの人々がこのことを理解し、新たな価値を創造することで谷津田と地域との結びつきを取り戻すことが必要です。
そのためには、自然と地域の生活や文化、産業などとのつながりを再生することが不可欠です。
流域全体の皆で力を合わせて行動することによって谷津田は徐々に再生し、水源としての機能も取り戻していけるはずです。

・再生した水田では、農薬、化学肥料は使わず米づくりをしています。
  →美しい水を湖に届けることができ、生きものの住みかを守ることができます。
・農作業は、それぞれ協働して下さっている企業の社員さん、地域のみなさんと一緒に協力しながら行っています。
・田植え、草とり、稲刈りなどの農作業はなるべく手作業で行い、伝統的な方法で農業を行っています。
  →伝統的な方法で稲作を行うことによって、これまで田んぼのサイクルに合わせて 暮らしてきた生きものたちが住みやすい田んぼになります。
・生き物の生活サイクルに合わせて水田を管理することで、生きもののにぎわいと米の収穫を両立させています。
・100年後、トキとふつうに一緒に暮らそう!
 →これは、100年後にトキが舞う谷津田・霞ヶ浦を目指し、実現させるための取り組みです!

絶滅してしまった日本のトキ。


トキはかつて谷津田でドジョウなどのエサを取り、斜面林に巣を作って暮らしていました。
水源地から湖まで、水の道・生きものの道がつながることで、トキが暮せるだけの豊かな生態系を取り戻すことが出来ます。

もちろん、トキが霞ヶ浦・北浦流域の谷津田を使うようになるまで何十年もかかるかもしれません。
しかし、この足元からの取り組みがモデルとなって流域に広がって行くことで、夢は現実になるはずです。

谷津田とは?

谷津田とは?

yatsuda
谷津田(やつだ)は、谷地にある田んぼのことです。
霞ヶ浦・北浦流域には、大きな川や山地がないので、谷津田は重要な水源地です。
流域に1000ヵ所以上あると言われています。
大型の流入河川のない霞ヶ浦・北浦では、この谷津田のひとつひとつが大切な水源となっています。
2-2

谷津田は様々な環境でなりたっています。
谷には水田。
谷を囲む斜面には雑木林。
台地の上には畑や草原、雑木林、杉林などがあります。

また、谷津田の入口には必ず集落があります。
ひとつの谷津田が集落に住んでいる人々を支えていました。
田んぼではお米、畑では作物が実り、食べ物を得ることが出来ます。
また、田んぼでは藁が、林や森では落ち葉、下草、間伐材などが生まれ、それらを堆肥にする、生活品を作るなど、さまざまな利用をしながら生活していました。
これらの資源を大切に繰り返し使うことで、農地や生活を維持してきました。

谷津田は集落の人々にとって、共に暮してきたパートナーなのです。

水の道、生きものの道

2-1
谷津田は「水の道」です。
谷津に雨が降ると、台地上の森や斜面の雑木林に蓄えられます。
そして、その雨は少しずつゆっくりと、谷ににじみ出し、湧き水となって湧きだします。
天の恵みであるこの水をみんなで大切に使うために、湧きだす場所にはため池が作られています。
ため池の下には谷津田があります。
豊富な湧き水を利用して田んぼでお米作りをしています。
米作りが最初に始まったのは谷津田だと言われているのは、そのためです。
田んぼや人々の暮らしで大切に使った水はその後、川へ流れ込み、やがて湖へと流れます。

また、谷津田は「生きものの道」でもあります。
集落の人々は、谷津田から得られる落ち葉や、間伐材などの資源をくりかえし大切に使いました。
その資源を得るために、人々は定期的に山や田んぼに入り、作業をしてきました。
その結果、谷津田にはよりきめ細やかな環境のちがい(多様性)が生まれました。
この環境のちがいを利用して、トンボやゲンゴロウなどの昆虫や、カエルなどの両生類、魚、鳥、植物などさまざまな生きものが暮らしています。
人々の自然に対するほどよい関わりが、生物の多様性を育んでいるのです。

NEC田んぼ作りプロジェクト~上太田の活動記録~

2012年11月までの活動記録(バックナンバー)

2011/01/29
イベント 草刈り
レポート01 2011/02/09 草刈り作業と谷津田の生きもの
レポート02 2011/02/10 復田作業の様子
レポート03 2011/02/16 畦づくりの様子

レポート04 2011/02/25 田んぼにやって来た野鳥
 
2011/02/26
達人コース 除根・田起こし作業
レポート05 2011/03/11 除根・田起こし作業

レポート06 2011/03/29 アズマヒキガエル産卵

2011/04/16
達人コース 除根・田起こし作業2
レポート07 2011/04/27 田んぼへ入水開始

2011/05/07
達人コース 除根・代かき
2011/05/14
イベント 田植え・安全祈願神事
レポート08 2011/05/19 田植えの様子とビオトープづくり
レポート09 2011/05/20 谷津田散策

2011/05/28
達人コース 田の草取り・達人散策路開拓1
レポート10 2011/06/06 田の草取り・道づくり
レポート11 2011/06/22 田んぼの様子と生きもの

2011/06/25
達人コース 達人散策路の開拓2
2011/07/16
達人コース 達人散策路の開拓3
レポート12 2011/07/05 道づくり

2011/08/07
達人コース 田の草取りと、トキのえさ量調査を開始
レポート13 2011/08/17 トキのえさ量調査、出穂
レポート14 2011/08/26 夏の生き物の様子

2011/09/17
達人コース オダ用の竹採り
レポート15 2011/09/29 台風15号の影響とトンボの見分け方

2011/10/10
達人コース オダ立て、達人散策路の開拓
レポート16 2011/10/20 稲の様子と達人散策路開通

2011/10/22
イベント 稲刈り
レポート17 2011/10/25 稲刈りの様子

2011/11/12
イベント 脱穀
レポート18 2011/12/02 脱穀の様子
レポート19 2012/01/06 冬の田んぼの様子

*************************

2012/02/25
達人コース 達人田んぼの復田・草刈り
レポート20 2012/03/02 手作業での復田
レポート21 2012/04/16 春の谷津田の様子

2012/05/06
達人コース 種まき・達人田んぼ耕起
レポート22 2012/05/11 横田農場で種まき・達人田んぼづくり

2012/05/19
達人コース 代かき、竹林整備、達人田んぼ五百万石田植え
2012/06/09
イベント 日本晴田植え
レポート23 2012/06/13 代かき・田植えの様子

2012/06/23
達人コース 一の草・ホタル散策路づくり
レポート24 2012/07/05 一の草と竹林整備の様子

2012/07/08
達人コース ホタル散策路づくり2
2012/07/22
イベント 草取り・ホタル観賞
レポート25 2012/07/31 草取りの様子と達人田んぼ

2012/08/11
達人コース 三の草・達人田んぼ畦なおし
レポート26 2012/08/30 出穂の様子

2012/09/15
達人コース 達人田んぼ・五百万石稲刈り
レポート27 2012/09/25 達人田んぼの稲刈りの様子

2012/10/06
達人コース 達人田んぼ・五百万石脱穀
2012/10/27
イベント 稲刈り
2012/11/10
イベント 脱穀
レポート28 2012/11/28 手作業による稲刈りと脱穀の様子

UBS RICE Project in 潮来市清水(2009~2012)

①UBS RICE Project in 潮来市清水とは

UBSと、潮来市清水地区の地域の人々、学校が協働で行う霞ヶ浦資源地・谷津田の再生、保全プロジェクトです。プロジェクトのビジョンは「100年後にはトキが舞う谷津田、100年後にトキが舞う霞ヶ浦」です。

090516_syugo

②UBS RICE Project in 潮来市清水の特徴・意義

清水地区の谷津田は、約20年前までコウノトリが飛来する環境でした。下流の谷津田を含めると霞ヶ浦最大の面積を誇っています。また、水郷潮来の水源地でもある重要な谷津田です。この場所を2008年より再生しています。

生きものが戻った谷津田は、地域の児童に対する環境教育の場になります。さらに谷津田で収穫した酒米は、地域の伝統的な酒蔵に提供され純米原酒が出来上がります。

プロジェクトのパートナーであるUBSはスイスに本社を置く外資系の会社です。働く社員の皆さんは本業以外での社会貢献に対する意識がとても高く、プロジェクトに積極的に参加して下さっています。本プロジェクトにおいては、単に金銭的な支援やボランティア活動に留まらず、地域の方々との交流を通して日本の伝統文化や考え方に触れる機会にもなっています。

③UBS RICE Project in 潮来市清水の効果

・再生後は多くの生きものが戻り、生物多様性が向上しています。

・観光地として有名な水郷潮来の風景は源流であるこの場所で作られるといっても過言ではありません。谷津田を再生することは、潮来市全体の活性化につながります。

・水郷潮来とこの谷津田のつながりを知らない地元の人も増えています。地域住民が地元の自然を再認識する取組みにもなっています。

・近年、日本酒の市場は縮小傾向にあり、地域の酒造りも苦境に立たされています。本プロジェクトは地場産業の活性化にもつながっています。

・酒瓶の最終包装は、地元の社会福祉協議会の作業所(潮来市心身障害者福祉センター)に依頼しています。心身障害者の社会復帰に向けた業務確保にも貢献しています。

④UBS RICE Project in 潮来市清水の活動内容

潮来市清水地区で休耕化した谷津田をUBSの社員の皆さんと地域の方々で再生し、酒米「日本晴」を育てています。田植えや稲刈りを皆で行い、戻ってきたホタルの観察会も行っています。無農薬、無化学肥料で栽培し、収穫した米は地元の酒蔵で醸造されオリジナルのお酒が出来上がります。イベントはトンボ公園のじゃらんぼプロジェクトとも協働して行い、地元農家さんも参加されるので大変にぎわいます。

  1. 環境教育蘇った谷津田では地域の子供たちを対象に環境教育を行っています。谷津の下流にある牛堀小学校にはビオトープが設置され、上流にあるこの谷津田と生き物の道でつながっています。
  2. 自然再生・生物多様性谷津田再生後は生きものの種数が大幅に増加し、イタチも確認されています。谷津田を再生したことによりカエル類や昆虫類等の生きものが増え、それらを捕食するイタチ等の哺乳類にとって良好な生息環境となっていると考えられます。
  3. 社会を変える谷津田周囲は開発が進んでいますが、地域振興には直接結びついない現状があります。従来行われてきたような自然破壊を伴う開発による振興ではなく、今ある自然を活かして地域を振興するという発想の転換を行っています。
  4. 循環型社会この谷津田は水郷潮来の水源地です。この土地の豊かな自然を知って育った子供たちが成長し、潮来市の振興に貢献してくれることでしょう。このように霞ヶ浦流域の水循環を通して社会の循環も作っています。
  5. 地域活性化農業の新たな担い手が少なくなる中、都市に住む企業の若者がたくさんプログラムに参加しています。水源地、生物多様性の保全という新たな付加価値を与えた農業を普及すれば地域が活性化します。
  6. 企業との恊働谷津田の再生は、グローバルな金融機関であるUBSと協働で行っています。社員一人一人の地域貢献に対する意識が非常に高い企業です。このプロジェクトは社員の皆さんが活躍する場になっています。また、海外出身の方が日本文化を理解する場になっています。