学校の近くにある荒れた谷津田を、 生きものが暮らしやすい場所にするために、大人を動かして、谷津田の再生に取り組んでいます。
総合学習で生きもののために再生方法を考え提案し、地域の人達に説明しながら工事をしました。よみがえった田んぼでお米づくりもしています。
この大切な場所をずっと守っていくために、地域の人たちと協力しながらまちづくりを考えています。
主な取り組みの様子
2013年4月18日 生きものとお話しよう!
2013年4月25日 プールと谷津田の生きものとお話しよう!
2013年5月2日 ホタルとお話する方法
2013年5月9日 田植え
2013年6月6日 生きもの・水はどこから来るの?
2013年6月20日 生きものの道・水の道まとめ
2013年7月11日 生きものたちのすみかを見てみよう!
2013年10月3日 稲刈り
2013年11月5日 脱穀
2014年1月9日 中間報告会
2013年4月18日 生きものとお話しよう!
今年初授業は、神谷小学校の4年生さん。
神谷小学校のそばには、先輩たちが生きものの声を聞いて2007年に再生した谷津田があります。そこの生きものたちとお話するためにも、まずは生きものたちのことを知らなくてはなりません。
そしたらきっと、生きものたちがどんなことに困っているのかもわかるようになるはず!生きものの「体のつくり」「すみか」「くらし」を、トンボやカエル、みんなの大好きなカブトムシから学びました。来週はいよいよ実践です。(牧野)
2013年4月25日 プールと谷津田の生きものとお話しよう!
今日は、前回の授業で学んだことを思い出しながら谷津田とプールで生きもの観察です!
すみかが違うと、生きものたちはどう変わるのでしょう。
プールにはシオカラトンボ・ショウジョウトンボのヤゴやミズカマキリ、ヒメゲンゴロウなどが見られました。谷津田にはホソミオツネントンボやアカガエル、さらには様々な鳥も見られました。
その後、教室にてヤゴのスケッチをしながら、じっくり「体のつくり」を観察します。生きものの「体のつくり」を見て、「すみか」や「くらし」と関係の深いことに気がついたでしょうか。(牧野)
2013年5月2日 ホタルとお話する方法
昔、荒れる前の谷津田を知っているお年寄りから、ここにはホタルがたくさんいたことを聞きました。
神谷小学校の谷津田を再生させた先輩たちの夢は、この谷津田にホタルを呼び戻すこと!その想いが毎年4年生にしっかりと引き継がれています。今日はみんなでホタルとお話する方法の学習です。
谷津田にホタルを呼び戻すためには、どのような環境をつくってあげるといいのでしょう。ホタルになって考えてみると、そのヒントも見えてくるかもしれません。
飯島さんが授業の中で、「ホタルは光でお話しているんだよ」というと、子どもたちは目をきらきらさせて聞いていました。この谷津田にホタルが舞う日を想像しながら、みんなと一緒に谷津田の改良を進めていきたいです。(牧野)
2013年5月9日 田植え
神谷小学校の谷津田内には田んぼがあり、無農薬・無化学肥料でお米もつくっています。
今年から田んぼが一枚増えて、三枚の田んぼで田植えをすることになりました。これらの田んぼはとにかく泥深い!子どもたちもよく泥にはまってしまい、抜け出せなくなることもしばしば。
初めは泥だらけになることを嫌がっていた子どもたちも、次第に慣れてきて笑顔が見られるようになりました。そんなこんなで田植えは無事に終了。谷津田でのお米作りの大変さが理解できたようでした。ちゃんと育って美味しいお米になりますように!(牧野)
2013年6月6日 生きもの・水はどこから来るの?
神谷小学校の隣にある谷津田の上流部分をみんなで調べに行きました。
昔は周りにもっと田んぼや小川があったこと、たくさんの生きものがいたことを地元の人から聞くことができました。いつかいたホタルを、みんなの谷津田にも呼び戻したいですね。
また、昔はウナギにも出会えたようです。今とはすっかり変わってしまった学校の周辺ですが、生きものの目になって見直してみると、問題点だけでなくその問題をどのように解決していくことができるのか、ということにも気づけるかもしれません。(牧野)
2013年6月20日 生きものの道・水の道まとめ
今日は、前回の授業で谷津田の上流部分を探検して発見したことを発表しあい、生きものの道や水の道について話し合いました。
神谷小学校の谷津田の様子を思い出してもらうと水が濁っていたり、水のない池があったりと、生きものにとっては住みにくい環境の場所があることに気づきました。
では、どうしたらもともと豊富だったはずの湧水を増やすことができるのでしょうか。それは谷津田につながる水の道を辿っていくと見えてくるかもしれません。
また、水の道だけでなく、そこには生きものの道も繋がっていることが今回の探検からわかったようです。神谷小学校の谷津田にもっとたくさんの生きものが通ってこられるように、その周りにある水の道・生きものの道にも目を向けたいですね。(牧野)
2013年7月11日 生きものたちのすみかを見てみよう!
今日は谷津田で生きもの探し!というよりは、生きものになったつもりで「すみか」を見ることにしました。
生きものの視点で「すみか」を見たら、たくさんの問題点が!暑くて干上がってしまった池や田んぼ、これらは谷津田内だけの問題ではありません。
先月の谷津田上流部分の探検で、住宅地ができて森や畑が減ってしまい湧水が少なくなっていることに気づきましたが、その影響がこの谷津田に現れていることをひしひしと実感しました。
生きものの住みやすい環境にすることや、ホタルを呼び戻そうとすることは、谷津田だけでなくむしろここからまちづくりを考えていくことに繋がっていきます。子ども達と、地域の課題に向き合うような学習を進めていきたいです。(牧野)
2013年10月3日 稲刈り
5月に田植えをした稲をいよいよ刈り取る時期となりました!
年々生きものが増えて多様になってきた谷津田には、鷹も来るようになっています。そのため、スズメに稲の穂が食べられることもなくなりました。このお米は、もちろん無農薬・無化学肥料で育てられています。
田んぼ内には多くの雑草が生えていましたが、それにもかかわらずしっかりと実りました。子どもたちは泥だらけになりながら稲を刈り、その刈った稲を結ぶことに少し苦労していたようです。
二枚の田んぼをほぼ刈り取った子どもたちの表情の清々しいこと!自然の中でたくさんの生きものたちが繋がりあうと、農薬を使わなくても稲が元気に育つことが感じられたかなと思います。(牧野)
2013年11月5日 脱穀
今日は前回刈った稲を脱穀する作業の日!
今回は4年生だけでなく、3年生も参加しました。まずオダにかけてある稲をガーコンという昔ながらの足踏み脱穀機を使って脱穀を行います。
「ガーコン!ガーコン!」と音の鳴るこの機械はとても大人気でした!ガーコンを使用したあとは、風で籾殻やわら屑を選別する唐箕(とうみ)という農具を使います。今ではこのような農具を見ることはほとんどなくなりましたが、これらの農具には昔の人たちの知恵がよく生かされているなと感じました。
たくさんの人の手と生きものたちに育てられたお米は、去年よりも多く収穫できました。このお米は、精米して子どもたちに配る予定です。自分たちで手植えをし、刈り取ったお米の味は美味しいこと間違いなしですね!(牧野)
2014年1月9日 中間報告会
2014年、初授業は神谷小学校さん。
今日は中間報告会の日です。生きものの視点で一緒に学習してきた子どもたちが、谷津田の再生をテーマに様々な案を発表してくれました。生きものをテーマにしている班はやはりホタルについて調べたところが多かったように思います。
他にも雨水対策を考えている子どもたちや、谷津田内に緑を増やそうと植物を調べてくれた子どもたちもいました。飯島さんに、「洪水になったらどんな生きものが困るの?」「みんなの谷津田にはどんな生きものや植物が合うんだろう?」と問いかけられ、真剣に考える子どもたちの姿がとても印象的でした。
これから3年生への引き継ぎ会に向けて、もっと深められるといいです。(牧野)