霞ケ浦から国境をこえて 「生きものの道・地球儀プロジェクト」に平和を託したい(スタッフブログ)

霞ケ浦から国境をこえて

「生きものの道・地球儀プロジェクト」に平和を託したい

アサザ基金の事務所が牛久市南に移転したのが2012年の2月。東日本大震災の翌年ですからよく覚えています。デスクワークの部屋(リビング)の大きなガラス越しに、当時植えた1本の細いソメイヨシノは13年の月日を経て立派な桜の大木に近づいています。その枝葉は2階のベランダにもお隣さんの屋根にも届く勢い。この時期は豊かな葉を茂らせ、風にそよいで直射日光を防いでくれています。隣の楠木にはアオスジアゲハがヒラヒラと訪れ、今朝は駐車場でハグロトンボを見かけました。小さな池があるためかキジバトなどいろいろな鳥たちが水を飲みに訪れます。事務所の飼い猫は目をギラギラさせながら窓越しに狙いをつけているのが凄い迫力。

霞ケ浦の波打ち際で黄色い花をユラユラさせるアサザ群落がみられなくなってから、随分久しくなりました。今年は事務所の玄関上がり口に睡蓮鉢を置き、そこでアサザがお花を咲かせてくれています。I’m here と言っているように。その隣の鉢では稲の穂が実りの秋を迎えています。

湖と森と人を結ぶ霞ケ浦再生事業<アサザプロジェクト>が始まって30年。しかしながら、湖の再生にはまだまだ時間がかかりそうです。というか、地球の自然環境を取り巻く社会情勢は、まるで再生とは反対の方向にシフトしていると思えてなりません。世界を見渡せば、戦争をしている国もあります。もう何年も続いているのですから、こんなのんきな事を言っている自分が恥ずかしくてなりませんが。戦争など誰も望まないのに、世界各国は競うように軍備を増強し戦禍は収まるどころか拡大の方向。こんなことを言ったらきっと笑われるに違いありませんが、これは、きっと悪魔の仕業に違いない。

さて、10代から「生きずらさ」を漠然と胸に抱き、それは自分の性格や生き方に問題があるのでは?といろいろ思い悩んだこともありました。しかし、最近になってそれは自然環境が破壊された結果、なんだかぎゅうぎゅう詰めの住宅や車一杯、何処に行くにもアスファルトにおおわれ暑苦しい道路、なんだかやかましいテレビなど、決して心地よくない状態が日常化したせい。金銭でしかモノを取得できない拝金主義の世の中のしくみ。このような社会が要因しているのではと思うに至りました。この生きづらさを子ども達には残したくないなあ。少しでも改善するにはどうしたら良いのでしょうか?いきなり社会は変えられないですしねえ。

アサザプロジェクトには幻のプロジェクトがあります。もう10年以上前に作成した素敵なパンフレットにはこのような文言が・・・・

国際社会は、国家や民族、宗教の違いなどによる対立がやみません。

世界は、憎しみの連鎖におおわれようとしています。

戦争は最大の自然破壊です。

地球の営みのひとつに、野生生物の渡りや回遊があります

地球上には渡り鳥をはじめカエルなど身近な生きものにいたるまでの

壮大な生きものの道のネットワークが張り巡らされています。

いまは対立している国や地域どうしも、実はこの生き物の道で結ばれています。

このことを、子どもたちや地域間の交流によって再発見し

日々の暮らしの大切さを理解し合い、結びつき、平和な世界を築いていこう

それが「生きものの道・地球儀プロジェクト」です。

どうでしょう、このプロジェクトを進めていくことが悪魔払いのきっかけになるのではと願います。

霞ヶ浦の水源となる谷津田でみなさんと一緒に取組んでいる米作りフィールドも、古民家のある里山の暮らしも生き物の道につながっています。そして実は、地球上のすべての人々、生き物にとっても、お互いの地域同士は生き物の道で結ばれているはずです。生き物の一員として私達人間も平和のメッセンジャーになりたいものです。

Let’s try !    Let’s begin !

                   2025年10月  諏訪

 
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